今年の4月、日本男子としては5人目となるPGAツアーの優勝を果たした小平智。そのスウィングを「日本人のお手本、ホントに素晴らしいです!」と手放しで絶賛するのは、ゴルフスタジオ「√d(ルートディー)ゴルフアカデミー」のヘッドコーチ・浦大輔。小平のスウィングの真似すべきポイントを聞いた。

PGAツアーのメンバーになった今シーズンはさておき、昨年の日本ツアーでは「トータルドライビング」でトップになった、屈指の“ドライバー上手”小平智。その打ち方を浦はこう分析する。

画像: 今年の全英では日本人最高順位の35位タイとなった小平智(写真は2018年の全英オープン)

今年の全英では日本人最高順位の35位タイとなった小平智(写真は2018年の全英オープン)

「完全に、というか世界一といっていいくらい、体の右サイドでクラブをさばいて球を打つ選手ですね。それが証拠に、フィニッシュを後方から見ると、右足のカカトが左に傾いてます」(浦、以下同)

画像: フィニッシュを後方から見ると、右足のかかとが左に傾いている(写真は2018年のWGCメキシコ選手権)

フィニッシュを後方から見ると、右足のかかとが左に傾いている(写真は2018年のWGCメキシコ選手権)

たしかに、右足のかかとが左に傾いている。左サイドに体重移動するタイプのスウィングだと、右足かかとは右に傾く。小平の場合、左に体重移動するのではなく、体の右サイドでクラブをさばいてインパクトを迎えるので、右かかとが左に傾くのだ。

そして左に体重移動しない代わりに、小平はその場でジャンプするようにスウィングする。インパクトで左足は浮いて、右足のつま先だけで立っている。この「つま先で立つ」ことを真似して欲しいと力説する。

「インパクトのときに左足をパーンと浮かせています。いわゆる“飛んでる”んです。実はアメリカのドラコン選手はほぼみんな、クラブを右サイドでさばいた結果、インパクトで左足が浮くんです。小平プロは、体が大きくはないしこれだけ精密なショットをするプレーヤーなのに、打ち方がちょっとドラコン選手っぽいんです」

インパクトで左足は浮いて、右足のつま先だけで立っている。この「つま先で立つ」ことは、誰もが真似して欲しいポイントだという。

「体重を乗せるのは、かかとではなくつま先です。小平プロは気持ちいいくらいのつま先体重。体重をつま先に乗せて振ることで、体の前面にある筋肉がたくさん使えて、大きなエネルギーをボールに伝えて力強く“押せる”んです。それがかかと体重になると体を骨格で支えることになるので、前面の押す筋肉が使えなくなってしまう。プロがアドレスするときに、足のつま先側で足踏みをするシーンをよく見ると思いますが、それもつま先を意識したものだと思います」

画像: ヘッドを真下にストンと落とし、そこからジャンプする動きとともに「L字」を思わせる軌道でボールをとらえる。掃くような動きとなり、スピンを減らして飛ばせる(写真は2018年の中日クラウンズ)

ヘッドを真下にストンと落とし、そこからジャンプする動きとともに「L字」を思わせる軌道でボールをとらえる。掃くような動きとなり、スピンを減らして飛ばせる(写真は2018年の中日クラウンズ)

世界に誇る日本期待のショットメーカーのスウィングから、われわれアマチュアが学ぶべき点は多いようだ。

撮影/姉崎正

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