週刊ゴルフダイジェストで連載中の「ゴルルとルール。」は、ゴルフルールに関するクイズコラム。今回はお盆休み特別編ということで、みんなのゴルフダイジェスト上での解答結果を集計、正解率の低かった「難問トップ5」をピックアップ! 果たして何問正解できる?

第5位「同伴者のボールが当たる寸前に自分のボールをマークするのはあり? なし?」【正解率38%】

第5位は2017年5月9・16合併号より。正解率は38%(2094名中802名)、どのようなシチュエーションなのか、さっそく見ていこう。

パー3のセカンドショット、バンカーからのアプローチは上々の出来。砂をならすのに時間がかかりそうだったから、同伴者に「ごめーん! 先に打ってくれる?」とお願いしたところ……。

画像: バンカーからナイスアウト!

バンカーからナイスアウト!

同伴者のバーディパットは、思いのほか力が入りすぎてしまったようで、カップの反対側にあった私のボールをめがけて一直線に向かってきちゃった!

画像: あれ~! まさかのあさっての方向へ行っちゃった!!

あれ~! まさかのあさっての方向へ行っちゃった!!

「グリーン上のボールはいつでも拾い上げてOKだもの。マークしなくっちゃ」

画像: 当たると困るもの。マークしておくわね!

当たると困るもの。マークしておくわね!

「えー! ちょっと待ってよ。別のボールが動いている間に、そのボールの動きに影響を与えそうなボールを拾い上げたら2打罰になってしまうのよ。先にマークしてもらえばよかったんだけど、まさかそっちに転がっていくとは思わなかったし……」

「グリーン上にあるボールは、マークすればいつでもどこでも拾い上げていいのよ。それに、もしいま拾い上げなかったらあなたのボールが私のボールに当たって2打罰になるところだったんだから。むしろ感謝してよね~」

さて、正しいのはどっち?

ボールが当たる寸前にマーク!

  • 当たりそうなボールを拾い上げたから2打罰
  • グリーン上のボールはいつでも拾い上げてOK
  • 当たりそうなボールを拾い上げたから2打罰
    52
    8925
  • グリーン上のボールはいつでも拾い上げてOK
    48
    8094

他の球が動いているときは、その球の動きに影響を及ぼすかもしれない球を拾い上げてはならない(規則22)。グリーン上で打った球がグリーン上の他の球に当たったときは、当てた側が2打罰を受ける(規則19-5)ので、今回のように少しでも当たる恐れがある場合は、打つ前にマークをお願いしておいたほうがよい。

第4位「パットを打った後に旗竿を抜いてもいいの?」 【正解率35%】

第4位には、2018年8月14日号掲載の最新問題がランクイン。正解率は35%(6525名中2315名)と、ゴルファーの2/3が不正解の難問だ。

グリーン手前のバンカーから、なんとかナイスオン!「あ~、よかった。うまく打てたわ」「難しいところからのバンカーショット、うまくキメたわね~!」

画像: バシュンッ!「ナイスアウトー!」

バシュンッ!「ナイスアウトー!」

バンカーを均していたところ、もう既にグリーンオンしている同伴者から、「先に打っちゃうわねー!」と声がかかった。「うん! もう少しきれいにするのに時間がかかりそうだから、どうぞお願いしまーす」

画像: 「先に打っちゃうわねー!」

「先に打っちゃうわねー!」

「う~ん、カップまでまだまだ距離があるわね。どうせ入らないだろうし、ピンを自分で抜くのもちょっと面倒だからこのまま打ってしまおうっと。では、お先に~!」 カツン!!

「危ない! このままじゃボールが当たってしまうかも。急いで旗竿を抜くわね!!」と、バンカー付近から慌てて駆け寄った。「えッ!? ちょっと待って!」

画像: 「ここからだと結構、距離もあるから、このまま打っちゃおうっと」「ナイスタッチじゃない! このままじゃ旗竿に当たっちゃう!!」

「ここからだと結構、距離もあるから、このまま打っちゃおうっと」「ナイスタッチじゃない! このままじゃ旗竿に当たっちゃう!!」

「グリーン上で、打ったボールが旗竿に当たったらダメですよね。たしかに今のは当たることはなかったですけど、もし当たっていたら2打罰になるんですよ。それなのに、旗竿を抜いてあげた私が逆に2打罰になるなんて、あんまりです」

画像: 「今のは抜いちゃダメよ」「???」

「今のは抜いちゃダメよ」「???」

「打つ前に誰も旗竿に付き添っていなかった場合、動いているボールの動きに影響を与えるかもしれない旗竿は動かしちゃダメなのよ。本当にごめんね、私が打つ前に自分で抜いておけばよかったんだけど……」

この場合、2打罰になるのは果たしてどちら?

パットを打った後に旗竿を抜いてもいいの?

  • 旗竿はいつでも抜いていい
  • 付き添っていなかった旗竿を抜いてはダメ
  • 旗竿はいつでも抜いていい
    39
    6475
  • 付き添っていなかった旗竿を抜いてはダメ
    61
    9923

プレーヤーがストロークする前に同伴者が旗竿に付き添っていた場合は、球が動いている間でも旗竿を抜くことはできる。しかし、今回のようにストロークする前に旗竿に付き添っていなかった場合、それを取り除いたり。さし上げることが球の動きに影響を及ぼすかもしれないときは、旗竿を動かしてはならない(規則17)。

第3位「ドロップした球が元の位置に戻っちゃった! この場合、再ドロップしていいんだっけ?」【正解率27%】

第3位は2017年12月12日号より、アンプレヤブルに関する問題がランクイン。ラウンド中行うことの多い“アンプレ”だが、意外とルールの細かい部分が曖昧なゴルファーが多いのかもしれない。正解率は27%(2385名中655名)。なんとほぼゴルファーの3/4が不正解の難問、果たして答えがわかる!?

ティショットが曲がってしまい、ボールは左の崖下へ! 落下地点へ向かうと、なんと木の根元に。「このままでは打てないので、アンプレヤブルを宣言しまーす」

画像: 「打てないから、アンプレにしまーす!」

「打てないから、アンプレにしまーす!」

「えっと、確かグリーンから遠い場所からドロップするのよね。ここならグリーンに近づかないわよね」。トンッ、コロコロコロコロ………。「あ、ちょっとヤダー!!」

画像: この位置でいいかな?

この位置でいいかな?

「傾斜のせいでボールが止まらず、さっきと同じ場所に戻ってきちゃったわ! このままじゃあ打てないから……」

画像: 「えー! うそでしょ!?」

「えー! うそでしょ!?」

「救済を受けた場合には、元の位置に転がり戻ったら無罰で再ドロップできますけど、アンプレの場合は元の位置に戻っても再ドロップできません。もう一度、1打罰でアンプレの処置をしないとダメですよ」

画像: 「再ドロップすればいいわよね!」「待ってください!!」

「再ドロップすればいいわよね!」「待ってください!!」

「動かせない障害物から救済を受けるとき、ドロップしたボールが元の位置に戻ったら、もう一度ドロップできるわよね。今回も、元の位置に戻ったらアンプレした意味がなくなるから、無罰で再ドロップできるのよ」

さて、2人の主張のうち正しいのはどっち?

ドロップした球が元の位置に戻っちゃった!

  • 元の位置に戻ったら再ドロップできる
  • 無罰で再ドロップはできない
  • 元の位置に戻ったら再ドロップできる
    68
    10722
  • 無罰で再ドロップはできない
    32
    5055

球はドロップした時点でインプレーとなる(規則20‐4)。今回のように、アンプレヤブルでドロップした球が、ハザード内や動かせない障害物など、規則で再ドロップが求められる場所に転がって止まった場合を除き、あるがままでプレーするか、1打罰を追加して再度アンプレヤブルの処置をとる必要がある(裁定28/3)。

第2位「滑り止めのためにクラブのグリップにタオルを巻いてもいい?」【正解率27%】

第2位は、2018年8月7日号に掲載されていた問題。夏真っ盛りの今の時期ならではの問題、正解率は27%(2494名中683名)だ。

この日の気温は35度を超える猛暑日。「暑いわね~。汗が止まらなくて、下を向いたらダラダラ落ちてくるわ」「ホント~! 今日はのどが渇いて仕方がないわ。体中汗だく……」

画像: 「今日は一段と暑いわね~」

「今日は一段と暑いわね~」

「さーて、次のアプローチはしっかり寄せて、なんとかこのホールはパーでしのぎたいところだわ。慎重に打ちたい大事な一打だけど……」

画像: 「ここはなんとかパーチャンスに……!」

「ここはなんとかパーチャンスに……!」

「う~ん、グリップを握る手も、汗のせいでなんだか滑りそうだわ。しっかり打ちたいところなのにー!! あ、そうだ!! いいこと思いついたわ」

画像: 「あ~あ、あまりの暑さで手にも汗をかいてしまっているわ」

「あ~あ、あまりの暑さで手にも汗をかいてしまっているわ」

「ちょっと待ってください。たしかルールには『プレーするうえで援助となるものを使用してはいけない』って書いてありましたよね。グリップにタオルを巻くのも、プレーの援助になるからマズイんじゃないですか?」

画像: 「タオルを巻いてみようかな」「え? それで打つんですか??」

「タオルを巻いてみようかな」「え? それで打つんですか??」

「うーん、たしかにプレーの援助になるものは使用できなかった気がするけど、これはグリップが滑るのを防ぐのが目的だから問題ないんじゃない? 滑ってクラブが飛んでいってしまうほうが危ないと思うし」

さて、この場合のタオルの使用を巡っての2人の見解、正しいのはどっち?

滑り止めのためにクラブのグリップにタオルを巻いてもいい?

  • プレーの援助になるものは使用できない
  • タオルを巻くのは問題ない
  • プレーの援助になるものは使用できない
    73
    11103
  • タオルを巻くのは問題ない
    27
    4151

クラブを握るうえでプレーヤーの援助となる可能性のある人工の機器や異常な携帯品は使ってはならない。ただし、(i)単純な手袋であることを条件に手袋をはめること(ii)松脂やパウダー、乾燥材、加湿剤を使うこと(iii)タオルやハンカチをグリップに巻きつけること、は認められている(規則14-3)。

第1位「暫定球がカップイン。なのに最初のボールが見つかった!?」【正解率26%】

栄えある第1位は、2017年3月28日号掲載の「暫定球」に関する問題。正解率は26%(2431名中635名)の超難問。

パー3の大事なティショット。気合いを入れて打ったボールがグリーン奥のOBゾーンへ入ってしまったみたい。

画像: あっちゃー! グリーン奥のOBゾーンへ行っちゃったみたい

あっちゃー! グリーン奥のOBゾーンへ行っちゃったみたい

気を取り直して打ち直したら、直接カップに入っちゃった!

画像: 1打目が悔やまれるけど、パーセーブにニンマリ♡

1打目が悔やまれるけど、パーセーブにニンマリ♡

「すごーい! ナイスパーですね」とほめられ、喜びながらカップからボールを取り出したところで、同伴者から「ちょっと待ってください! 先ほどのボール、OBじゃなかったみたいですよ」の声が……。

画像: 「ボール、ありましたよー! セーフです」「え……!?」

「ボール、ありましたよー! セーフです」「え……!?」

「セーフじゃなくてよかったのに! でも、もうカップインしたボールを拾っちゃったから、その時点で最初のボールは紛失球扱いになるんじゃないかしら? 3打目がカップインでパーの計算よね」

「違いますよ! 2打目に打ったのはあくまで“暫定球”です。探し始めて5分以内に見つかったわけですから、最初のボールでもう一度プレーしなきゃダメですよ」

さて、正しいのはどっち?

暫定球がカップインした後に“最初のボール”が見つかった! これってどうなる?

  • カップインしたボールがインプレーになる
  • 暫定球を放棄して最初のボールでプレー
  • カップインしたボールがインプレーになる
    40
    6078
  • 暫定球を放棄して最初のボールでプレー
    60
    9189

OBのおそれがあったので暫定球を打ったところ、暫定球がホールイン。その後、最初の球が見つかる前に、プレーヤーが暫定球をホールから拾い上げた場合、その時点でその暫定球がインプレーとなる(裁定27‐2b/2)。球を拾い上げたあとで最初の球が見つかっても関係なく、パーでのホールアウトが認められる。

何問正解できただろうか? 全問正解のあなたはルールマスター!?

※ 当記事は2018年8月7日時点の集計結果に基づいたものです。

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