2015年から3年連続でフェアウェイキープ率1位。2016年の71.66%は同部門歴代1位、現在のフェアウェイキープ率は驚異の77.8%(8月14日現在)でもちろん1位。ドライバー職人・稲森佑貴のスウィングをプロゴルファー中村修が解説!

今季は谷口徹が優勝した「日本プロ」で1打差の3位、「日本ゴルフツアー選手権」で9位タイとタフなコースセッティングで力を発揮している稲森選手。スタッツを見てみるとフェアウェイキープ率1位、パーキープ率1位、パーオン率3位、平均ストローク2位と抜群の安定感を誇ります。

画像: フェアウェイキープ率驚異の77.8%(8月8日現在)を誇る稲森佑貴(2018年セガサミーカップ 写真/岡沢裕行)

フェアウェイキープ率驚異の77.8%(8月8日現在)を誇る稲森佑貴(2018年セガサミーカップ 写真/岡沢裕行)

フェアウェイキープ率だけでなくパーオン率も3位ということからドライバーだけでなくアイアンやUTなど2打目で使うクラブの正確性も非常に高いことがわかります。

そんな稲森選手の正確無比なショットを生むスウィングの特徴は2つあります。ひとつはコンパクトでタメが少ないところ。たとえばグリーン周りからのアプローチではタメたりせず、手首の動きを抑えてコンパクトに振りますよね。そのほうが、距離感と方向性が上がる理屈と同じです。

画像: 画像1/トップがコンパクトでダウンスウィングでもタメが少ない(写真/2018年のツアー選手権 撮影/姉崎正)

画像1/トップがコンパクトでダウンスウィングでもタメが少ない(写真/2018年のツアー選手権 撮影/姉崎正)

画像1をみてください。トップでしっかり体はねじられていますが、手首の動きは少なめ。そうすることで切り返しのタイミングにズレが生じにくくなるんです。タメも深くないので入射角も安定します。アイアンからドライバーまで一貫して飛距離よりも方向性を貫いていることが見てとれます。

そしてもう一つはしっかりと振りぬけている点です。インパクトからフォローの写真を見てみましょう(画像2)。「ドライバーはしっかり振るようにしています。しっかり振ってフェアウェイをキープできることが大事だと考えています」とは稲森選手本人の弁ですが、その言葉の通り、インパクトで合わせる動き、減速する動きが見られずに加速しながらしっかりと振り抜けています。

画像: 手首の動きは最小限にして体を使ってしっかりと振り抜くスウィングを実践する(2018年ツアー選手権 写真/姉崎正)

手首の動きは最小限にして体を使ってしっかりと振り抜くスウィングを実践する(2018年ツアー選手権 写真/姉崎正)

手首の動きが少ないのでその分、体を使ったスウィングになっています。フェアウェイに置きに行こうとするとスウィングにゆるみが出て思わぬミスになることもありますが、稲森の場合はしっかり振るなかで方向性も高いところが、タフなコースセッティングや優勝争いでも崩れない強さになっていると思います。

抜群のショット力と自分のゴルフに徹する冷静さもある一方、スタッツを見ると平均パットとバーディ率が40位台なので、そこさえ改善されれば賞金王も狙える逸材になると期待しています。後半戦の活躍に大きく期待します。

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