最近のドライバーは、460CCクラスの大きさでも、“つかまる(=右に行きにくい)”モデルが増えてきた。その理由のひとつが、大きな重心角にある。最新モデルがその数値の大きさを売りにする「重心角」とはなにか。その正体を探ろう。

打ったボールが右に曲がるスライスに悩むゴルファーは多い。そして、その悩みを道具で解決すべく、世の中には「つかまる(ボールが右に曲がりにくい)」クラブが多くある。

ボールが右に曲がる最大の原因は、インパクトの瞬間にクラブフェースが開いている(右を向いている)ことなので、「つかまるクラブ」とはインパクトでフェースが右を向きにくいクラブということになる。そして、それに大きく影響を与えるのが「重心角」だ。基本的に、重心角が大きいほど、ボールはつかまる。

画像: ポンと置いたときのヘッドの傾きの角度が大きいほど重心角の大きいつかまるヘッドと言える

ポンと置いたときのヘッドの傾きの角度が大きいほど重心角の大きいつかまるヘッドと言える

この重心角、実は目に見える。やり方は簡単で、ヘッドが宙に浮いた状態で、クラブを水平に横たえるだけ。このとき、フェースは真左ではなく、やや斜め上を向く。シャフトの軸線を通る垂線と、フェース面が作るラインによってできる角度のことを「重心角」と呼ぶ。この傾きの角度が大きければ大きいほど、スウィング中にフェース面が左を向きやすく、スライスしにくくなる。

ではどれくらいが重心角が「大きい」と言えるのだろうか。たとえば、つかまりの良さを売りにしている本間ゴルフの「ビジール535」ドライバーは重心角をサイト上で公表しているが、その重心角が25度。そこからもわかるように、だいたい世のドライバーの平均が22〜23度程度に対し、25度以上を超えてくるとつかまるドライバーといえそうだ。

画像: 本間ゴルフ「ビジール535」ドライバーは重心角が25度であることを公表している

本間ゴルフ「ビジール535」ドライバーは重心角が25度であることを公表している

具体的にモデル名を挙げれば、ブリヂストンのツアーB JGR、キャロウェイのローグ スター、ピンのG400MAXなどが代表的なモデルだ。とがった性能のモデルでいうと、この秋発売のヤマハ「インプレス UD+2」のドライバーは、重心角33度という数字を公表している。

画像: ヤマハ「インプレス UD+2」ドライバーは、重心角が33度と極めて大きく、つかまりの良さを予感させる

ヤマハ「インプレス UD+2」ドライバーは、重心角が33度と極めて大きく、つかまりの良さを予感させる

では、その重心角はどう決まるのかというと、重心距離と重心深度というふたつの数値が大きく影響する。

重心深度は深ければ深いほど、重心距離は短ければ短いほど重心角は大きくなる。重心距離は短いほどヘッドがターンしやすくなり、つかまる。つまり、もっともつかまるのは重心角が大きく、重心距離が短いドライバーということになる。

もしつかまりのいいドライバーが欲しいなら、まずはショップで重心角の大きいモデルをいくつか探してもらい、それを打ち比べるという方法がいい。重心角は同じでも、重心距離によって、そしてもちろんシャフトによって、つかまり具合は変化するからだ。

多くのメーカーがつかまりの基準として採用し、その数字をウリにしている「重心角」。その意味を理解しておくと、ドライバー選びの上で役に立つはずだ。

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