フェデックスカッププレーオフの第3戦「BMW選手権」が終了。1週間のオープンウィークを挟んでいよいよ最終戦。松山英樹の5年連続出場、全英王者の初出場など話題は多いが、やっぱり主役はタイガー・ウッズになりそうだ。世界のトップ30人しか出場できない戦いを、佐藤信人が解説!

松山は世界中で3人しかいない「5年連続出場者」の一人

PGAツアーも残すはツアーチャンピオンシップだけとなりました。ツアーチャンピオンシップに辿り着けるのはわずか30名。この30名に残るということは、シーズンを通してレベルの高い安定した戦いをしてきたという証であり、マスターズ・全米オープン・全英オープンの出場が確定します。たとえ優勝がなくてもトッププロでも達成感や満足感を得られる場なんだろうと推測します。

そのツアーチャンピオンシップに松山英樹選手は5年連続での出場を果たすことになります。現在5年以上連続で出場を続けているのはパトリック・リード、ジェイソン・デイ、そして松山選手の3人だけ。ジョーダン・スピースは5年続いていた連続出場が途絶えました。世界のほんの一握りの選手だけが達成出来る快挙を成し遂げたということになります。

画像: 5年連続でプレーオフ最終戦に出場する松山英樹(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

5年連続でプレーオフ最終戦に出場する松山英樹(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

今季の松山選手はまず3連覇に挑んだフェニックスオープンで手首を痛めて1ヶ月半戦列を離れました。昨年2位に入ったUSオープンでは開幕前日にドライバーが割れるというハプニングに見舞われました。7月から8月にかけては進藤キャディを休ませて別のキャディを起用しました。

とにかく得意大会でさあこれからというときにことごとくハプニングに見舞われて、波に乗れないままシーズンが終わってしまったという印象です。そんな苦しい流れでプレーオフが始まるとしっかりとギアチェンジをして、ツアーチャンピオンシップを睨んで、そのプレッシャーの中でしっかりと30名に入りました。来季に向けて大きな壁をひとつ乗り越えたような感じがします。

全英王者のモリナリは、4年目で嬉しい初出場

全英オープンでイタリア人初のメジャーチャンピオンになったフランチェスコ・モリナリはPGAツアーメンバーになって4年目で初めてツアーチャンピオンシップ進出を果たしました。

モリナリは昨年BMW選手権の72ホール目最終ホールで短いバーディーチャンスを逃してツアーチャンピオンシップ行きを逃しました。今年はクイッケンローンズ・ナショナルでPGAツアー初優勝を果たし、全英オープンでメジャーチャンピオンになり、最高のシーズンを送っています。

画像: 欧州代表としてライダーカップへの出場も決まっているフランチェスコ・モリナリ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

欧州代表としてライダーカップへの出場も決まっているフランチェスコ・モリナリ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

PGAツアーメンバーになった最初の15年シーズンのドライビングディスタンスは281.6ヤード。そこから毎年伸ばして、今季のディスタンスは301ヤードとアメリカのパワーゲームにしっかりと対応して努力した結果が見事に実を結んだシーズンでした。6年ぶりに出場するライダーカップでの活躍も期待されます。

「タイガーはツアー選手権に出る」シーズン当初、そう予想する人はいなかった

ツアーチャンピオンシップ進出を果たした30名の中で1番のサプライズはやはりタイガー・ウッズではないでしょうか。今シーズンが始まるときにこういう活躍を予想してた人がどのくらいいるでしょうか。

PGAツアーのあるベテラン記者は「17-18シーズンの大胆予想」の中で「ミケルソンは復活優勝を果たす」や、「今季は3人の選手が世界ランキング1位の座に着くだろう」など流石と思わせる予想をしています。その記者はタイガーについての大胆予想として「タイガーは再びツアーでプレーをするだろう」と言っています。

これはもちろん正解となりますが、こんなにたくさんの試合に出て、優勝争いを何度もして、ツアーチャンピオンシップの出場権を獲得して、ライダーカップメンバーにまで選ばれて、ベテラン記者の「大胆予想」をはるかに上回る結果を残しました。もう引退してしまうのではないかという下馬評を覆してタイガーが成し遂げた今シーズンの活躍はまさに偉業です。

画像: 全米プロで2位となるなど、復活優勝が目前に迫るタイガー・ウッズ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

全米プロで2位となるなど、復活優勝が目前に迫るタイガー・ウッズ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

今シーズンの本当の頂点を決める戦いはいよいよ来週です。

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