100を切れないのはスウィングが良くないからでしょうか。アプローチやパターが上手くないからでしょうか。たしかにそれもあると思いますが、ゴルファーなら、自分と腕前が変わらない、あるいは自分より正直下手に見えるのに、つねに自分より良いスコアで回ってくる人がいることも知っている
と思います。
その理由は考え方にあるかもしれません。たとえばグリーンエッジまで残り180ヤード。ボールはラフ。グリーン手前には池があり、150ヤードで入ります。このとき、みなさんならどうするでしょうか。
ダスティン・ジョンソンならば迷わずショートアイアンを抜き、グリーンをとらえてくるでしょう。しかし、100を切れないアマチュアゴルファーの場合、残り180ヤードをショートアイアンというわけにはいきません。人によって違うでしょうが、ユーティリティやフェアウェイウッドを持つことになる場合が多いのではないでしょうか。
そのユーティリティやフェアウェイウッドは、たしかにしっかりと当たれば180ヤード飛ばせる(
池を越すだけのキャリーを出せる)のでしょう。練習場では、それなりの確率で“当たる”のかもしれません。
しかし、この状況でこの選択は、自らスコアを悪くする行為以外の何物でもありません。なぜなら、
ボールがラフにあるから。そして、ここは練習場ではなくコースだからです。なにがなんでも乗せよう、しっかり飛ばそうというミスを生む意識が、必ず働きます。
一か八か狙って成功する快感がたまらないという意見もあるでしょう。一か八かという言葉は、サイコロの丁半博打の「丁半」の上部分をとったという説、サイコロで1が出るか、1以外が出るかという意味の「一か罰か」からきたという説などがあるそうです。
丁半であれば確率50%。1が出る確率は約16.6%あります。180ヤードのラフから150ヤード先の池を越えてグリーンに乗る確率はそれよりずっと低いはず。狙うべきではありません。期待される快感を得られる確率は低すぎて、勝負に値しないからです。
たいして上手く見えないのに、なぜか毎回100を切る人は、こんなとき素直に「あやまる」ことができる人です。ダスティンみたいにショートアイアンを持ちますが、狙いはダスティンとは異なり池の手前にプレース。
このとき、できれば「とにかく池のそばまで寄せよう」と思わないようにしたいです。なるべく平らな場所を狙い、なるべく自信を持って打てる距離を残せればベスト。
52度で90ヤードとか、58度で70ヤードとか、50ヤードは普段から練習してる得意距離だとか、人それぞれ「この距離は大丈夫」という距離はあるもの。その距離を残せればしめたものです。
もしこのホールがパー5ならば、まだまだパーの確率は十分にあります。思いがけずバーディが来ることだってないとは言えません。もしセカンドを池に入れていたら、次は4打目。良くてボギーの状況です。
狙い方ひとつで、スコアは大きく変わるんです。