現在はジャスティン・ローズがその座を占める世界ランク1位の座。1986年4月のランキング開始以来、その椅子にはローズを含めて22人のゴルファーが座ってきた。さて、そのうち何人の名前がわかる?

「子どもの頃からの夢だった」

今週、はじめて世界ランク1位の座についたジャスティン・ローズはそう語った。世界中のゴルファーの頂点に立つ、プロゴルファーを目指す少年たちが一度は見る夢、しかし、実際にその夢を実現させたゴルファーは32年間でたったの22人しかいない。

画像: 「子供の頃から夢だった」と話すのは今週はじめて世界ランク1位の座についたジャスティン・ローズ(写真は2018年全米プロゴルフ選手権)

「子供の頃から夢だった」と話すのは今週はじめて世界ランク1位の座についたジャスティン・ローズ(写真は2018年全米プロゴルフ選手権)

やや意外なことに、1986年からの約6年間、世界ランク1位の座は欧州勢に独占されていた。まず初代世界ランク1位となったのは、ドイツのベルンハルト・ランガーだったが、わずか3週間後、スペインの英雄セベ・バレステロスがその座を奪う。

セベから1位の座を奪うのはグレートホワイトシャーク、グレッグ・ノーマン。1986年9月にノーマンがセベから1位の座を奪って以降、1990年にニック・ファルドが1位となるまで、セベとノーマンは交互に世界ランク1位となる激しい争いを見せている。

90年代に入ると、ノーマンを中心に、イアン・ウーズナムが50週、フレッド・カプルスが16週、ニック・プライスが44週、トム・リーマンがわずか1週といったように、群雄割拠の様相を呈する。

結局ノーマンはトータルで歴代2位の331週にわたり世界ランク1位を守ることになるのだが、90年代後半になり、その“定位置”を別のゴルファーに譲ることになる。一人はアーニー・エルス。そしてもう一人がタイガー・ウッズだ。

画像: 1998年、長く続いたノーマンの天下を奪ったのは、アーニー・エルス(左)、そしてその後長きにわたりトップに君臨するタイガー・ウッズ(右)だった

1998年、長く続いたノーマンの天下を奪ったのは、アーニー・エルス(左)、そしてその後長きにわたりトップに君臨するタイガー・ウッズ(右)だった

タイガーは1998年6月以降、2010年10月までの間、デビッド・デュバルとビジェイ・シンに1位の座を譲った47週を除いてほぼ全期間、623週にわたり1位の座をキープする(その後、記録は683週まで伸びる)。2005年6月から2010年10月までの281週連続1位は歴代最高記録だ。

その後2010年代に入り、タイガーが不倫スキャンダルや怪我の影響でランクを下げると、再び世界ランク1位の座は混戦模様を呈する。リー・ウェストウッド、マーティン・カイマー、ルーク・ドナルドといった、欧州勢が2010年から2012年のランク1位を独占している。

そんな中台頭してきたのがロリー・マキロイ。マキロイは今日までに95週、世界ランク1位の座をキープしているが、これはタイガー、ノーマン、ファルドに次ぐ歴代4位の記録だ。

画像: 今週ローズに1位の座を譲ったダスティン・ジョンソン。ここまで通算77週、ランク1位をキープしている(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

今週ローズに1位の座を譲ったダスティン・ジョンソン。ここまで通算77週、ランク1位をキープしている(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

この辺りになると記憶に新しい。2014年にはアダム・スコット、2015年にはジョーダン・スピースにジェーソン・デイ。2017年にダスティン・ジョンソン、2018年はジャスティン・トーマスにジャスティン・ローズと、毎年新たな世界ランク1位のゴルファーが誕生している。

こうして見ていくと、やはりその時代を代表するゴルファーたちの名前が挙がってくることがわかる。ちょっと意外なのは、フィル・ミケルソンが1位の座についていないことか。

日本の松山英樹の世界ランクの自己最高位は2位。今シーズンは最終戦を残して未勝利で、現在の世界ランクは20位だが、まだまだこれから。20何番目かの世界ランク1位の座に日本人選手がつく未来を、楽しみにしたいものだ。

撮影/姉崎正

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