ベルンハルト・ランガーが18日ペイン・スチュワート・アワードを受賞した。99年に不慮の飛行機事故で急逝したスチュワートのゴルフ理念とチャリティ精神の後継者に授与される同賞。「とても光栄。同じ年(1957年生まれ)の彼を親友と呼べる幸せを感じる」と喜びを口にしたランガー。だが今回はランガーではなく懐かしのペイン・スチュワートにスポットを当てる。

99年の全米オープンでフィル・ミケルソンを破り42歳にして2度目の全米オープンを制し魂のガッツポーズを披露したわずか4カ月後。

「ペイン・スチュワート死す」

の一報に世界のゴルフファンが凍りついた。試合会場に向かうため搭乗したプライベートジェットが墜落するというあまりにも悲劇的な最期だった。

42歳といえばいまのタイガーと同じ年。「まだまだやれる」と本人も周囲もそう思っていたに違いない。

生前のスチュワートは明るく気さくな人だった。練習ラウンドでは積極的にギャラリーに話かけ笑いを取るとドヤ顔をしてこちらを向き、ウィンクするようなお茶目な一面があった。ハンサムな外見とは違って中身は三枚目。そのギャップがなんともチャーミングだった。

トレードマークはハンチングとニッカボッカ。古き良き時代を彷彿とさせるようなレトロな装いをおしゃれに着こなす彼にそのルーツを聞いたことがある。

「ある日試合会場に行ったら、自分とまったく同じポロシャツ、同じパンツで球を打っている選手が何人もいたんだ。これじゃ見分けもつかないし面白くない。誰かとウェアがカブるなんてごめんだ、って思ったんだ」

そこで閃いたのがニッカボッカスタイル。当時米ツアーではダブっとしたシルエットのウェアが主流だったが、ポロシャツは体の線がでるようにスッキリさせニッカボッカの膨らみとバランスをとるように工夫した。

画像: ハンチングとニッカボッカがトレードマークだったペイン・スチュワート(写真は1988年のVISA太平洋クラブマスターズ)

ハンチングとニッカボッカがトレードマークだったペイン・スチュワート(写真は1988年のVISA太平洋クラブマスターズ)

来日にしたときには白のポロシャツと赤のハンチング&ニッカボッカに、真っ赤なシューズを合わせ「日の丸をイメージにしたんだ。どう?」とポーズをとってみせてくれた。

20日に開幕したプレーオフ最終戦ツアー選手権で年間王者を目指すブライソン・デシャンボーのハンチングスタイルはメソジスト大学の先輩スチュワートへのオマージュ。

「カッコいい先輩を持ててうれしい。僕にとって永遠のアイドル」(デシャンボー)

スチュワートが亡くなって間もなく20年。彼が放った輝きはいまも色褪せることはない。

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