「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」で、ゴルフのルールを統括するR&Aが、選手が使用するドライバーの反発係数を計測する「R&A用具テスト」を実施。果たしてプロたちの反応は? 気になる現場に潜入取材!

ルールによって、ゴルフクラブのフェース面の反発係数は規制されている。そのため、ルールの範囲内に反発係数が収まったクラブだけが、試合では使用可能となっている。

JGA(日本ゴルフ協会)の規則担当・大久保裕司によると、過去2016年の日本女子オープンや2016年の日本オープン、昨年のダイヤモンドカップでもテストサービスとして計測は行なっていたという。

画像: 「アジアパシフィックダイヤモンドカップ」の会場でドライバーの反発係数を計測するテストルームが設置された(写真1)

「アジアパシフィックダイヤモンドカップ」の会場でドライバーの反発係数を計測するテストルームが設置された(写真1)

「世界中でテストサービスをやっていますが、強制ではないので、計測をしなくても罰則はありません。ほとんどのメーカーは反発規制内でクラブを作ってはいますが、ヘッドスピードの速い選手が何千発も打つと、(フェース面の金属疲労により)反発係数を超えることもあります。その確認をしてもらう機会という意味合いですね」(大久保)

また、このような計測をまったくしないとなると、係数を超える製品が市場出回ることになりかねず、それをけん制する意味もあるようだ。

「以前はランダムで選んだ30人程度をテストしたのですが選手から全員テストしないのは不公平だとクレームが届いた。そこで今回は月曜日から3日間のスケジュールで、対象選手は全員としています。現在(取材当日である18日火曜日現在)80名以上受けていただいてます」(大久保)

取材中にテストを受けにきた甲斐慎太郎は、テストルームから出てくると開口一番「大丈夫でした!」と安堵の表情。「心配はしていませんでしたが違反しているとヘッドを変えなければならないので」と話してくれた。

意図的に高反発クラブを使うプロゴルファーはいない。しかし、使っているうちに反発係数が高まるリスクはプロにもどうすることもできないから、プロたちは“万が一”に備えて自主的にテストを受けるようだ。もちろん、規定値を超えていればそのクラブは使うことができなくなる。

画像: 反発係数を計測するR&AtoUSGAの公式ペンデュラムマシン(写真2)

反発係数を計測するR&AtoUSGAの公式ペンデュラムマシン(写真2)

さて、反発規制とは、具体的に何をするのだろうか。2008年の規制実施時は、キャノンテストといって、ヘッドにボールを当てて跳ね返ってくる係数を測定、0.83を超えるものが違反とされた。

しかし、それだと計測するマシンも大がかりになってしまうことから、2004年からはペンデュラムマシンという器具を導入。(写真2)

ペンデュラムとは振り子という意味で、振り子の先についた鉄球が落ちてヘッドと接触している時間を計測。100万分の257秒以上くっついてしまっていると、反発係数0.83を超えているのと同じこととなり違反となるのだという。

画像: 表示されている「237」は接触時間が100万分の237秒を表し反発規制以内を表している(写真3)

表示されている「237」は接触時間が100万分の237秒を表し反発規制以内を表している(写真3)

テストを担当しているR&Aの最高技術責任者、スティーブ・オットー教授は、その具体的な方法を教えてくれた。

「ヘッドの中心に印しをつけて、振り子の先につけたボールと同じ半径の金属を9回ぶつけます。その時の振動を計測し、波形の長さによって規定内か違反しているか分かるようになっています。たとえば、このヘッドは100万分の237秒なので、規定以内です(写真3)」(オットー教授)

オットー教授によれば、「規定違反のヘッドは徐々に減ってきてはいますが、やはり幾つかの規定違反は確認されています」とのこと。

「やはり、どうしても金属疲労で反発係数を上回る場合がありますから。その場合は(同じモデルの)別のヘッドに変えれば試合での使用は問題ありません。このマシンの価格は5、60万円くらいしますが各クラブメーカーに導入されていて、しっかりとクオリティコントロールがされているようです」(スティーブ・オットー教授)

クラブの高反発規制などの規則の目的は「プレーヤーの技量よりも用具の進歩に過度に頼りすぎることを抑制し、プレーヤーの技量がゲームを通しての主要な成功の要素であることを確保することである」とR&AとUSGAは共同声明で述べている。

我々アマチュアゴルファーは技量を磨くよりも、ついクラブの進歩に頼りがちなので耳が痛いところだが……。

キャロウェイ

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