5年ぶりの復活優勝を掴んだタイガー・ウッズ。少しづつ復活の兆しは見えていたものの、その勝因とは一体なにか。データ分析家のゴウ・タナカが、2018年シーズンとプレーオフ最終日を比較!

プレーオフシーズンに強さを見せたタイガー、そのワケとは?

2018年のシーズンは結局タイガーのシーズンになったと言えるだろう。プレーオフ最終戦・ツアー選手権は昔からのゴルフファンにはたまらない展開だった。タイガーウッズが初日から首位に立ち、最終日までそのポシションを守り切った。

タイガーのファンなら知っているだろうが、タイガーチャージ(最終日での逆転)での優勝というのは実は少なく、その勝利のほとんどは逃げ切りからもたらされている。そして、最終日リードしたときのマネージメント力、勝ち切る力というのがタイガーの代名詞の1つだ。

その力は実に圧倒的だ。ツアー選手権では3日目を3打差首位で終えたわけだが、3日目終了時2位と3打差以上でのタイガーの勝率は実に23戦23勝で勝率100%という、にわかには信じられない数値を叩き出している。そして、そのデータ通りタイガーは復活優勝を5年振りに果たし、キャリア通算80勝とし、サムスニードの82勝にあと2勝と迫った。

完全復活を果たしたタイガーウッズの2018年シーズンのスタッツを分析してみる。とくにプレーオフでがタイガーの強さが際立ったように見えたが、果たしてどのような変化があったのだろうか。

画像: 飛距離で他を圧することはできなくなったが、それでもタイガーはやはり強かった(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

飛距離で他を圧することはできなくなったが、それでもタイガーはやはり強かった(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

2018シーズンのドライビングディスタンスは303.4で34位。フェアウェイキープ率は58.98%で129位と悪いように思えるが、タイガーにとっては平均的で世界ランキングにもあまり影響のない数値で問題ないと言える。

世界ランキング、賞金ランキングとかなり相関するバーディ率、パーオン率を見てみよう。パーオン率は68.1%で67位、全盛期はアイアンの距離と精度で勝ってきたタイガーとしては物足りない。そしてバーディ率は4.03で15位と悪い数字ではないが、これも以前4.5ぐらいだったタイガーとしてはかなり物足りない数値だ。

では、もっとも大事なパー5のバーディ率を見てみよう。48.48%で33位だ。パー4では19.5%で11位だった。悪くはないのだが、タイガーの水準としたら決して良いとは言えない。かつてパー5バーディ率はほぼ常に55%を超えていたし、1位だった。

ショートゲームに目をやると、パッティングのスコアへの貢献度は39位、サンドセーブは100位、そしてアプローチは4位だった。アプローチはさすがの数値と言え、全盛期と遜色ない。

それでは優勝した最終戦におけるスタッツも見てみる。シーズン平均に比べて目立ったのがフェアウェイキープ率とパッティングだ。なんと、フェアウェイキープ率が4日間平均64.29%で全体3位とタイガーらしくない(?)数値だった。また、パーオン時の平均パット数は1位、スコアへの貢献度は2位とパッティングがかなり良かった。

画像: アプローチは70.83%で1位で全盛期と遜色ない様子を見せた(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

アプローチは70.83%で1位で全盛期と遜色ない様子を見せた(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

気になるショットは、飛距離が304.2ヤードで13位、パーオン率が66.67%で14位タイと普段よりフェアウェイをキープしたわりにグリーンは外している(編注:最終戦の出場人数は30名)。一方、8回あるパー5で5アンダーを記録した点は非常に良いと言えるだろ。パー5平均スコアでいうと4.375とシーズン平均をはるかに上回った。

アプローチは70.83%で1位、バンカーは9回も入れているが7回もセーブしておりシーズン平均をはるかに上回った。

これらをまとめてみる。フェアウェイをよりキープしているにもかかわらず、パーオン率はあまり高くなかったのでショートからミドルアイアンの調子はあまり良くなかったと言えるだろう。ロングアイアン、フェアウェイウッドなどはコントロールできていて、パー5でスコアを伸ばせたといった具合だ。

そしてパター、アプローチが冴えに冴えていた。シーズン平均に比べ、すべての数値がプレーオフでは向上しており、とくにパー5のスコア、そしてパッティングが良かったのが勝因だったと言え、中でもパターの貢献度が高かったと言える。

画像: タイガーといえば、やはり勝負どころでの神がかり的なパッティングだ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

タイガーといえば、やはり勝負どころでの神がかり的なパッティングだ(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

ただ、パッティングをこのレベルで通年キープすることは全盛期のタイガーといえど現実的ではないので、やはりアイアンの精度を上げる必要がある。

飛距離を戻すのは怪我の影響もあって難しいのでそこはシフトチェンジが必要で、それを最終戦で見事に調整してきたのがうかがえた。同組で回ったマキロイとのボール初速の差には衝撃を受けた。あのタイガーよりロリー・マキロイのほうが平均的に4.4メートル/秒以上、そして多い時は約9メートル/秒も差があった。それでもタイガーは自分のスタイルを貫いていた。

画像: ロングアイアンやフェアウェイウッドの精度を上げていくことで世界1位に返り咲くタイガーを見れるかもしれない(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

ロングアイアンやフェアウェイウッドの精度を上げていくことで世界1位に返り咲くタイガーを見れるかもしれない(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権)

データ的にも見た感じもアプローチ、パターは健在だと言えるので、今後のシーズン通しての課題はやはりパー5でのパフォーマンスの向上、そしてショートアイアン、ミドルアイアンの精度の向上だ。

パー5でのパフォーマンスは飛距離に起因する部分が非常に高いが、飛距離アップはそう簡単ではない。やはり、ロングアイアン、フェアウェイウッドの精度を上げていく必要があるだろう。そうすれば、世界1位に返り咲くタイガーウッズが見れる日も近いのではないだろうか。いずれにせよ、最高に楽しみな翌シーズンになりそうでゴルフファンとしては楽しみで仕方ない。

撮影/姉崎正

This article is a sponsored article by
''.