CIMBクラシックでPGAツアー通算4勝目を挙げたマーク・リーシュマン。トーナメントの練習日の火曜日には絶不調だったという彼は、どうやって勝利を掴むにいたったのか。海外での取材経験豊富な元ゴルフ誌編集長が語る。

バケーションの予定に「マウイ島」が加わった

ゲーリー・ウッドランド(米)、シュバンカ・シャルマ(インド)と19アンダーの首位タイで最終日を迎えたマーク・リーシュマン(豪)。8バーディ、1ボギーの65で回り、トーナメントレコードタイに並ぶ26アンダーで優勝。PGA(米男子)ツアー通算4勝目を挙げた。これは2017年のBMW選手権以来の勝利だ。

画像: CIMBクラシックでPGAツアー通算4勝目を挙げたマーク・リーシュマン(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

CIMBクラシックでPGAツアー通算4勝目を挙げたマーク・リーシュマン(写真は2018年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

「信じられないよ! (今週の)火曜日にここについた時は、ドライバーがあっちこっち曲がるので、キャロウェイの人にボールをもっと欲しいと電話しなければいけないくらいだった。ボクは今、本当にハッピーだ。またこうして勝てるようになって嬉しい。最後に勝ってから1年以上経ってしまったけど、今までも勝てそうで勝てなかったんだ。今年中にどこかで勝ちたいと思っていたけど、家にトロフィを持って帰ったら子供達もすごく喜ぶよ」

3年前の2015年春、リーシュマンはマスターズに向かおうとしていたところ、妻のオードリーが敗血症(感染症によって、生命を脅かす臓器障害が現れる状態)と診断され、急遽オーガスタ行きを取りやめたことがあった。

ツアーからも一時撤退し、5%も生存する可能性がないと言われた妻を懸命に救おうと看病した結果、奇跡的に回復。リーシュマン夫妻は翌年、敗血症を多くの人に知ってもらい、敗血症患者を助けるためのファンデーションを設立。今年の5月にはチャリティプロアマを開催し、約4000万円近く寄付金を集めることに成功している。

2017年アーノルド・パーマー招待でリーシュマンがツアー2勝を挙げた時には、子供達2人と元気な妻が表彰式でリーシュマンの優勝を祝い、優勝トロフィを抱える夫と一緒に記念撮影していたのを覚えているが、「難病を克服して、こうして夫の優勝を家族全員で祝福できるようになり、本当に良かった」と思ったものである。

また、昨年のプレジデンツカップでも夫の組について歩き、元気に応援する姿もあった。こうして家族みんなで自分の優勝を祝ってくれる幸せをリーシュマンはひしひしと噛みしめていることだろう。

画像: 病を乗り越えた翌年のマスターズでは、家族そろってパー3コンテストに出場した(写真は2016年のマスターズ 撮影/姉崎正)

病を乗り越えた翌年のマスターズでは、家族そろってパー3コンテストに出場した(写真は2016年のマスターズ 撮影/姉崎正)

「今から2週間前に妻と今後の家族のバケーションの予定を話していたばかりなんだ。オーストラリアに行こうとか。でも1月にはマウイ(※編注:前年の優勝者のみが出場できるセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズの開催地)が加わり、子供達も一緒に行けることがとても楽しみだよ。今晩は、テーブルの真ん中に優勝トロフィを置いて、友人たちと優勝について語り合い、ビールで祝杯をあげる予定だ」

今季2戦目で早くも優勝をものにしたリーシュマン。今後はCJカップ、HSBCチャンピオンズ、ワールドカップ(キャメロン・スミスとコンビを組んで出場)、オーストラリアンPGAと続々と試合の予定が入っているが、年内あと一回くらいは勝ちたいと非常に前向きだ。

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