独自に考案した「ツイスト打法」で300ヤード以上飛ばす“雑巾王子”こと武市悦宏。武市は飛ばしのヒントが革靴にあるという。自身の著書「オレって、こんなに飛んだっけ?」より、ベタ足スウィングについて紹介しよう。

高級革靴を履いて砂利の上で素振り。飛びの源に気づく!

うちの成金オヤジは、車はもちろん、靴も大好きだった。先日、納戸の掃除をしていると、タニノ・クリスティだの、ベルルッティだの、パチョッティだの、めちゃくちゃ高い靴がゴロゴロと出てきた。今でも磨き直せば十分履けるのだが、悲しいかな、これがまた小さい。24.5センチのボクがキツイだなんて……。

でも、こんな靴は二度と買えないので、無理矢理に指先を折り曲げ履くことに。さっそく短パンにTシャツ、足元は高級イタリア靴というハチャメチャな格好で近所の公園に娘と一緒に出かけた。

そこでまたゴルフのヒントを見つけちゃったんだけどね。

それは、落ちている枝をクラブに見立て、スウィングしたときのこと……。ビュッとものすごい音がした。ムム、これはまぎれもなく枝が速いスピードで振れている証拠だ。理由はひとつ、高い靴にキズがつかないよう、超ベタ足でスウィングしていたことにほかならない。足元が砂利に触れないよう、ふくらはぎを思い切り踏ん張ることで腰の回転が止まり、手が走ったのだ。腰を思い切り回転させたり、左足を思い切り蹴ったりすると、たしかに躍動感があるので、カラダを使っているような気がする。でも、パワーを出すには、逆に踏ん張らないとダメなのだ。振ること=回転ではなく、“振ること=踏ん張ること”なんだわ!

画像: 飛ばしのエネルギーを作るにはベタ足が有効だと武市(撮影/姉崎正)

飛ばしのエネルギーを作るにはベタ足が有効だと武市(撮影/姉崎正)

振っているわりに飛距離が出ない、という人は家中で一番高い靴を履いて、砂利の上で素振りをしてみるといいよ。キズがつかないよう、貧乏根性まる出しで踏ん張れば、本当の意味でクラブを振る感覚がつかめるってわけ。

そう考えると、昔のゴルフシューズは理にかなっている。革底は適度な重みがあるので、踏ん張りやすいんだよ。スニーカーのようなゴム底シューズは屈曲性があって歩きやすいのだが、踏ん張るにはイマイチ。アマチュアのみなさんは、革底シューズを履いてプレーすべきだと思うよ。ないなら、底の硬いものがいいと思う。きっと踏ん張りがきいて、ヘッドが“でら”走るから。

画像: 昔のゴルフシューズは革靴タイプが主流だった。適度な重みで踏ん張りがききやすい(撮影/三木崇徳)

昔のゴルフシューズは革靴タイプが主流だった。適度な重みで踏ん張りがききやすい(撮影/三木崇徳)

よく「オシャレは足元から」なんていうけど、「ゴルフは足元から」と言ってもいいかもね。

「オレって、こんなに飛んだっけ?」(ゴルフダイジェスト新書)より *一部改変

This article is a sponsored article by
''.