先日閉幕した「HSBCチャンピオンズ」に出場していた世界のトッププレーヤーたちに「誰が一番パターが上手いと思うか?」を聞いてみた。2位にランクインしたのはなんと“自分”だった。さて1位にはどんな選手の名前が挙げられた?

世界で一番上手いのは? 2番目に多かった回答は「自分」!

パット・イズ・マネーとよく言われるように、結局はパットがよく決まる者がツアーを制するといっても過言ではない。ショットはいいけど、パットが入らない……というタイプは、なかなか勝てないものである。HSBCチャンピオンズの会場で、世界のツアープロが認める「世界のパットの名手は誰か?」を選手たちに直撃してみたところ、以下のような結果となった。

画像: 世界のパットの名手として1位に名前が挙がったのは誰か?(写真は左からリッキー・ファウラー、ジョーダン・スピース、ジェイソン・ディ)

世界のパットの名手として1位に名前が挙がったのは誰か?(写真は左からリッキー・ファウラー、ジョーダン・スピース、ジェイソン・ディ)

【1位】ジェイソン・デイ  

昨年度のストロークゲインドパッティングのランキングを見てみると、1位はジェイソン・デイ。ツアープロの4割以上が彼の名前を挙げた。

画像: “世界一のパット名人”に選ばれたのはジェイソン・ディ(撮影/姉崎正)

“世界一のパット名人”に選ばれたのはジェイソン・ディ(撮影/姉崎正)

同郷のアダム・スコットは

「彼はとても静かにパッティングする。すべての動きが半分の動きで行われているような感じだが、自信に満ち溢れていて、とてもピースフルなパッティングだ。いわゆる『禅』のような雰囲気を持っているね。彼がショットするときはまったく『禅』スタイルではないけど、パッティングのときはとても静か。何も難しいことを考えずに、静かにパッティングしている姿は美しい」と、まるでデイのパッティングを芸術か何かのようにとらえている。スコット自身、長年に渡りパッティングには相当悩んでいるので、デイのようにまるで禅の境地にいるかのような心静かなパッティングに憧れているのだろう。

また、全英オープンチャンピオンのフランチェスコ・モリナリも「ルーティーンがシンプルで、安定している。時々ボクはみんなのショットやパットを見ていいところをとり入れているけど、彼のパッティングスタイルも勉強になるよ」

一方、パッティングの名手に選ばれたジェイソン・デイに誰のパットが一番うまいか? と同じ問いをすると

「自分(笑)」と答え、「いいパッティングをするコツは、グッドスピードを一定にキープすること。いつも同じスピードでパッティングしようとしている。練習の時は、ヘッドをどこに出すか、ということではなく、ボールの転がるスピードを一定にするよう練習しているんだ。グリーンによって遅いか速いか変わってくるから、きちんと練習でグリーンのスピードなどをつかんでおかないといけないね」といいヒントを教えてくれた。

【2位】自分

パッティングがうまいのは自分、と言い切れた人は、ブルックス・ケプカ、パトリック・リード、ラッセル・ノックス、ジェイソン・デイら全体の13%。やはり自分に自信がないとパッティングは決まらないということだろう。入らないだろうな、と思って臨んだパットはことごとく外れる。きちんとラインを読んだら、あとは自信を持ってパッティングに臨むべし!

画像: ブルックス・ケプカはパットの名手に“自分”と言い切れた選手のひとり(写真は2018年全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ブルックス・ケプカはパットの名手に“自分”と言い切れた選手のひとり(写真は2018年全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

【3位タイ】ジョーダン・スピース&リッキー・ファウラー

同着で入ったのがジョーダン・スピースとリッキー・ファウラーという若手米国選手の二人。スピースは以前から、パットの名手の一人だと名前をよく挙げられていたが、今回も堂々の3位である。

画像: 3位にランクインしたのは同着でジョーダン・スピース(左)とリッキー・ファウラー(右)

3位にランクインしたのは同着でジョーダン・スピース(左)とリッキー・ファウラー(右)

ポール・ケイシーは「たとえば、ブラント・スネデカーもパットがうまいが、彼のテンポはクイックであまり好きじゃない。スピースのストロークやリズムが好きなんだ」と高評価。またアダム・スコットやトミー・フリートウッドも挙げているが、リッキー・ファウラーもまたパットの名手として評価が高いようだ。

その他、ブラント・スネデカー、タイガー・ウッズ、トミー・フリートウッド、ジャスティン・トーマスらがランクイン。タイガーは全盛期のパッティングのイメージが強いのだと思うが、彼が優勝したツアー選手権や優勝争いをしていた全米プロなどでの最近のパッティングを見ると、長いミラクルパットを何度も決めており、タイガーらしさが戻ってきた。ちなみに、昨年度のストロークゲインドパッティングは39位、平均パット数は27位である。

全盛期には平均パット数1位だったタイガー。年齢を重ねているとはいえ、まだ目に老いを感じ、手先のタッチが鈍る年齢ではない。オフに徹底的にパッティング練習を行えば、以前のような絶妙なタッチが戻ってくることだろう。

TEXT/Eiko Oizumi

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