パッティングのテークバックの幅が大きいアマチュアゴルファーは少なくないが、それはミスヒットや距離感が合わなくなる原因のひとつだと話すのは増田哲仁。自身の著書「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに飛ぶ。」から“体で打つ”パッティング術をご紹介。

ストローク幅を小さくできる、足振りパット

ーーパターでは、グリップはどのくらいの強さで握ったらいいんでしょうか。

通常のショットと同じです。「握る」という感覚ではなく、パターなら500グラム、 ドライバーなら300グラムという重さのモノを持つ程度の力、柔らかさで持つんです。 たとえば、コーヒーを飲むとき、カップを持ち上げるのに10キロのモノを持ち上げるような力で強く握ったりしませんよね。必要以上の強さで握ることは不自然な動きを誘発することにもなりかねませんから注意が必要です。

また、ショット同様、左右の手で引っ張り合うようにグリップすることも大切です。右手が前、左手が後ろと、前後に引き合うことでグリップは常に体の中心にセットされます。ストローク中は引っ張りあうことで、常にクラブを体の中心にキー プします。グリップエンドが体の中心を向いたままにするのです。グリップエンドが中心から外れると、ヘッドはどんな方向にも自由に動いてしまいますし、テークバックも 大きくなりやすい。

それに、引き合うことは体が常に動いている状態を作り出すことができます。よく、アドレスしたまま固まってしまい、動き出せなくなる人がいますが、あれはただグリップしているために体の動きが止まり、動き出すきっかけを失ってしまったことが原因なのです。引っ張りあうようにグリップしていれば、スムーズに始動できますよ。

ーー体全体でストロークすると、安定性以外にどんなメリットがあるのでしょうか。

アマチュアとプロを比較すると、同じ距離を打つにしてもストロークの幅が全然違うでしょう。とくに、テークバックはアマチュアのほうが断然大きい。テークバックが大きいのは手で打っている証拠なのです。手でクラブを動かすと、自分ではほんのちょっと動かしたつもりでも、テークバックが不必要に大きくなってしまう。これではミスヒットも多いでしょうし、距離感も合いにくいですね。

画像: タイガーのテークバックは幅は小さいのは体全体でストロークしている証拠(写真は2018年の全英オープン 撮影/姉崎正)

タイガーのテークバックは幅は小さいのは体全体でストロークしている証拠(写真は2018年の全英オープン 撮影/姉崎正)

ーーストローク幅を小さくできると、たしかに方向性や距離感も合いやすいですね。

タイガーやエルスなど、超一流のプロたちのテークバックは本当に小さい。これは彼らが体全体のエネルギーでストロークしている証拠です。同じ距離を打つにしても、ストローク幅が小さいほど、インパクトでの誤差が小さくなります。しっかりと芯でヒットできるようになりますから、ボールの転がりもよくなりますし、距離感も安定してきます。ストロークも安定し、好不調の波もなくなってくるわけです。

「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」(ゴルフダイジェスト新書)より

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