今年世界のゴルフ界で大きな話題となったドライバーといえば、その筆頭に挙げられるのがテーラーメイドの「M4」と「M3」の2本ではなかろうか。とはいえ、実は前モデルである「M1」と「M2」にも根強くファンがいたりもする。そこで、今回はMシリーズの4本のドライバーをプロゴルファーの中村修とノリーこと堀口宜篤の2人が“おさらい試打”してみた。

ダスティン・ジョンソンが2018年初戦でM4ドライバーを手に放った“432ヤードショット”で幕を開けた感のある今年のゴルフ界。「曲がらない」がうたい文句のツイストフェースと、それを搭載したM3、M4の両ドライバーは、契約プロの活躍の波に乗り、大ヒットモデルとなった。

その一方で2017年発売の旧モデル「M1/M2ドライバー」を未だ好んで使うゴルファーも数多くいる。そこで今回はM1、M2、M3、M4の4モデルを集め、新旧モデルの性能比較を行った。使用するシャフトは「ツアーAD VR-6のSフレックス」で統一。ウェート調整機能が付いているモデルに関してはすべてニュートラルの位置にセット、ネック調整機能も用いない状態で試打した。

まずはタイプの近いM1とM3を比較。いずれもソール部分に可変ウェイトが付いていて、M2/M4に比べて低スピンという特徴がある。

画像: 試打に使用したのはテーラメイド「M1 440 ドライバー(9.5度)」(写真左)と「M3 460 ドライバー(10.5度)」(写真右)。いずれもソール面の可変ウェイトが特徴的だ

試打に使用したのはテーラメイド「M1 440 ドライバー(9.5度)」(写真左)と「M3 460 ドライバー(10.5度)」(写真右)。いずれもソール面の可変ウェイトが特徴的だ

まずはM1を堀口が試打。293ヤード、非常にシャープなドロー軌道でボールが飛んでいく。

「打ってからすぐドンと(ボールが)飛び出る感じがいいですね。曲がり幅はシャープ。440ccと少し小さめなので振り抜きがいいし、スピン量も少ない。ですが、球はしっかり上がっています」(堀口)

続いて中村もM1を試打。「少しつかまらなかった」という中村だが、総飛距離263ヤードをマーク。

「440ccというのもあってちょっとハードめです。小ぶりなので振りやすいという方ももちろんいると思うのですが、やはりヘッドスピードが必要ですし、球も上がりやすい方ではないと思います」(中村)

続いてM3を試打する堀口。M1よりもさらに曲がり幅が狭まり、真っすぐといっていいほど軽めのドロー球に。飛距離は286ヤードとなった。

「打感は全然こっち(M3)が好き。吸い付いてくれる感じがします」(堀口)

M3を試打した中村は「打感もそうですが、ツイストフェースの芯の広さ、直進性を感じました」とツイストフェースがM3のやさしさにつながっていると言及。堀口も「体積の違いはありますが、正直M3の方がやさしく感じましたね」とこれに同意。

画像: M3はツイストフェースを採用。ゴルファーの打点分布図を調べ、そのバラつきにあわせてフェースをねじることで、芯を外してもフックやスライスの発生を抑えてくれる

M3はツイストフェースを採用。ゴルファーの打点分布図を調べ、そのバラつきにあわせてフェースをねじることで、芯を外してもフックやスライスの発生を抑えてくれる

「ツイストフェースのおかげで球のバラつきが収まってくるのは大きいですね。世界のトッププレーヤーレベルのヘッドスピードだと曲がり幅も当然大きくなるんですが、試合を見ると全然曲がっていないですよね。それだけツイストフェースの恩恵が大きいということだと思います」(中村)

と、改めてツイストフェースの効果を実感。とはいえ、“一発の飛距離”でいえばM1も負けていなかった。

次はM2とM4を比較してみよう。M1、M3と違い、M2とM4のヘッドには可変ウェート等カスタマイズできるギミックは搭載されておらず、ソール後方に固定ウェイトがついているのみ。やはり最大の違いはツイストフェースの有無と言えるだろう。

画像: 試打に使用したテーラメイド「M2 460 ドライバー(9.5度)」(写真左)と「M4 460 ドライバー(10.5度)」(写真右)。可変ウェイトがないぶんすっきりとした印象だ

試打に使用したテーラメイド「M2 460 ドライバー(9.5度)」(写真左)と「M4 460 ドライバー(10.5度)」(写真右)。可変ウェイトがないぶんすっきりとした印象だ

まずはM2から試打する堀口。総飛距離273ヤード、スピン量は3224rpmとM1に比べて少し多め。

「構えた時の安心感がやっぱりありますね。多少スピンがかかることでコントロールしやすいです」(堀口)

続いて中村も試打、総飛距離は258ヤードとなった。

「2278回転、打ち出し角が14.8度ということで、やや高めでスピンも入っていますね。M1と比べると重心が少し高い分スピンが入ってくれるので、自分の持ち球を打ちたいっていう方はM2が合っているのかなという感じがします」(中村)

対してM4はどうだろうか。堀口は「M2に比べると少しハイバックで厚みがある感じがします。強い球が打てそうなイメージですね」と見た目の変化を指摘。一振りすると、打ち出し角10.9度スピン量は2490rpm、総飛距離288ヤードという結果に。

「スピン量がちょうどいいですね。ドローがかかり過ぎない、自分のイメージ通りのボールを出してくれるようなヘッドです」(堀口)

続いて中村も試打。自身の持ち球がフェード系であるという言葉通り、少し右に曲がる弾道で256ヤード飛ばした。

「自分の持ち球通りに飛んでくれるという印象です。好みはあると思いますが、比較的軽めの打感というか、弾きのある打感です」(中村)

M2とM4の両方を試打し終えて、堀口が気づいたのは構えた時の見え方の違いだ。

「M2の方がヒールが出ているし、投影面積が大きいぶん構えたときの安心感はM2の方がありますね。ただ球をよりセンターに集めてくれるのはやっぱりツイストフェースが搭載されたM4ですね」(堀口)

画像: 写真左がM2、写真右がM4の見た目。たしかにM2の方が大きいので安心感がある

写真左がM2、写真右がM4の見た目。たしかにM2の方が大きいので安心感がある

「M4は“M2の正統進化”といった印象です。替えるにしてもスムーズに移行できそうですね」(中村)

さて、Mシリーズ4種を打ち終わった2人に、どれが良かったか聞いてみた。

「やっぱりM4かな。自分でコントロールできる部分もあるけど安心感ややさしさもあります」(堀口)

「僕はM3がいいかな。ウェートをズラしてつかまるようにすれば自分にピッタリになるんじゃないかなと思います。あとはカチャカチャでロフトを変えることもできるので、自分の思い描く弾道に調整できる部分が良いなと思います」(中村)

打ち方的にスピンの少ない堀口はスピンが入りやすいM4、スピンが堀口に比べて多い中村はスピンの少ないM3を選ぶという結果となった。堀口にとっては持ち球のM4がドローを打ちやすく、フェード系の中村は、M3のウェート位置を調整することで最適な弾道を得られると判断したようだ。

プロゴルファーの中には、M2を「変えられない」と使い続ける選手もいるから、M1もM2も必ずしも性能的に引けをとるものではないが、やはり2018年を席巻したM3とM4はいいクラブ。

価格的にも落ち着いてきて、中古市場にも球数が増えている今、「欲しい」という人も少なくないかもしれない。ぜひ試打して自分にあったモデルを探してみてほしい。

協力/PGST

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