重永亜斗夢、稲森佑貴、星野陸也、秋吉翔太、出水田大二郎にタンヤゴーン・クロンパ……20代の初優勝者(重永は現在30歳)が目立った2018年の男子ツアー。ツアーの若返り、新陳代謝が言われるが、全シーズンが終了した今、本当に若返っているのかを調べてみた。

賞金ランク的にも、優勝者の数的にも、20代が“主役”

2018年の男子ツアーを見ていて、若手が次々に活躍したシーズンという印象を持つ人は少なくないだろう。女子ツアーに比べて顔ぶれが大きく変化しない印象のあった男子ツアーだが、今季は20代の選手たちが次々に初優勝をつかみ、世代交代を印象づけた。

初優勝者は実に13名(アジアツアーとの共同主管の試合で勝ったセルヒオ・ガルシア、ポール・ピーターソンを含む)。その数も非常に多く、石川遼選手会長のイメージも相まって、一気に若返ったような気がする。

画像: 2018年の男子ツアーは20代の選手たちが活躍しているようにみえたが実際はどうなのか(写真は左から稲森、秋吉、星野)

2018年の男子ツアーは20代の選手たちが活躍しているようにみえたが実際はどうなのか(写真は左から稲森、秋吉、星野)

さて、では実際のところはどうなのか。まずはシーズンごとの優勝者の平均年齢を見てみよう。カッコ内は、10代、あるいは20代の選手の優勝数だ。

【優勝者平均年齢】
2008 32.5歳(6)
2009 30.6歳(7)
2010 29.6歳(13)
2011 30.52歳(11)
2012 33.64歳(7)
2013 30.21歳(11)
2014 34.47歳(7)
2015 32.41歳(9)
2016 30.12歳(12)
2017 32.375歳(9)
2018 33.3歳(8)

というわけで、優勝者の平均年齢を見ると、ほぼ例年通りか、むしろ高め。今シーズンは50歳の谷口徹が日本プロで勝ったり、45歳の“虎さん”こと変則スウィングでブレークしたチェ・ホソンが勝ったりと、40代以上の選手の活躍も目立った年でもあることがその背景にはある。ちなみに2009年前後の平均年齢が低いのは、当時10代だった石川遼が平均年齢を押し下げている影響が大きい。

同様に、2011年は松山英樹が初優勝を挙げた年、2013年は小平智が初優勝を挙げた年。こう見ていくと、突出した若手、あるいは若手の集団が勝利を挙げることで優勝者の平均年齢は一時的に引き下げられ、彼らが成熟していくとともに平均年齢もゆるやかに上昇していく傾向が見られるようだ。

次は、ツアー全体の平均年齢。現在の賞金ランクの基準である65位までの選手の年齢を5年前、10年前と比較したのが以下だ。

【賞金ランク1〜65位選手の平均年齢】
2008年 34.1歳
2013年 34.6歳
2018年 33.2歳

石川遼が10代でプロ転向した2008年、松山英樹が4勝を挙げ史上初のルーキー賞金王となった2013年と比べると1歳ほど若返った、という結果となった。

また、多くの年でシード選手ならびに優勝者の最大ボリュームはゴルファーとして脂の乗り切った30代であることが多いが、賞金ランク65位までの内訳を見ると、今年は様子が違うことがわかる。

【賞金ランク65位までの年代分布】
20代 26名(8名)
30代 24名(6名)
40代 13名(4名)
50代 2名(1名)
※カッコ内は優勝者

見ての通り、20代が最多ボリュームとなっている。谷原秀人(11月16日で40歳)、宮里優作、池田勇太ら30代の中心選手たちが積極的に海外に打って出て戦ったことも、今シーズンの20代の躍進の土壌となったようだ。もし彼らが開幕から最終戦まで日本ツアーにいたら、今年の男子ツアーはまた大きく様相を変えていたかもしれない。

というわけで、30代の優勝者が相対的に少なかったことから、2018年の男子ツアーは20代の若手と、40代、50代のベテランがともに躍動するシーズンとなった。ベテラン勢の奮起によって、優勝者の平均年齢は低くないが、シード選手の顔ぶれは確実に若返ったと言える。

2019年シーズンは、下部ツアーからも若手が大挙してレギュラーツアーに挑んでくる。その中から一人、二人と初優勝を手にする選手が出てくれば、この若返り傾向はさらに進むに違いない。

画像: 切り返しに注目! 重永亜斗夢のスウィングを分析してみた【スウィング大辞典】 www.youtube.com

切り返しに注目! 重永亜斗夢のスウィングを分析してみた【スウィング大辞典】

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