「明日は久しぶりにゴルフだ!」とラウンド前日に練習場に駆け込むアマチュアゴルファーは少なくない。2005年にレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞したプロゴルファー・増田哲仁は、そんな際には無闇に振り回すのではなく“調子を揃える”ことに集中してほしいと話す。自身の著書「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」から練習法をご紹介。

毎回ベストスコアを出す 前日・当日練習

ーーコンぺ前日になると一夜漬けで練習場に駆け込むというのが、我々アマチュアの典型的なパターンですが、前日になにをどう練習すれば、当日のスコアがよくなるのでしょう。

コンペが明日に迫っているのに、あれもこれも、いろんなことをやろうとしても無理。 しかも大半のゴルファーがドライバーばかりブンブン振り回していることと思います。1ラウンドのうちに数えるほどしか使わないドライバーをいくら振っても、かえってスウィングを壊すだけです。

まして、たった1度の練習で悪いクセが直ったり、技術が身につくはずもありません。ですから、コンぺ前日の練習では、ただやみくもにボールを打つのではなく、スウィングの調子を揃えることに専念して欲しいですね。

ーー具体的には?

ドライバーからSW、極端にいうならパターまで、すべて同じリズム、同じ調子で振れるようにするんです。たとえば、ドライバーでもSWでも始動からフィニッシュまでにかかる時間を同じにする。要は14本のクラブすべてを「一本調子」にすることに練習時間を費やしてもらいたいんです。

プロのトーナメントでも上位に入ってくる選手は、ドライバーから1メートルのパッティングまでリズムがすべて一緒、というぐらい調子が揃っているものなんです。それがいわゆる「調子がいい」ということなんです。もちろん、プロであってもストップウォッチなどで実際に測れば、正確に同じ時間になりはしないでしょう。ただ振っている本人の意識では、SWもドライバーもまったく同じ調子なんです。

画像: 増田自身は、サンドウェッジで調子(=リズム)を揃えるという

増田自身は、サンドウェッジで調子(=リズム)を揃えるという

ーー調子が悪くなると、どうなるんですか。

調子が悪いというのは、クラブごとにリズム(調子)が揃っていないということです。そうなるとインパクトのポイントがショット毎にバラバラになり、芯に当たる確率も悪くなってしまいます。

ーーどんな練習をすれば、1本調子になれるのでしょう。

これはあくまでも私の場合ですが、練習場にはSW1本だけを持っていって、ただひたすらそれだけを打ちます。SWというのは日本のなかでもっとも重量があるクラブです。クラブが重ければ重いほど、小手先の力だけでは振れませんから、自然と体全体を使ったスウィングになりやすいんです。

また、パターを除けば長さもいちばん短いクラブなので、ボールと体との距離も短くなります。体とボールとの距離が近ければ、腕を体の近くにキープしたまま振りやすいので、これも手打ちを防ぐのに効果があります。

重くて短いSWで気持ちよく振ったときの調子(=リズム)を前日の練習で徹底的に体の反応でつかみ、本番ではすべてのクラブをその調子で打つように心がけるんです。

「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/渡部義一

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