“2番手飛ぶ”という触れ込みのヤマハ「インプレスUD +2」の大ヒット以降、ぶっ飛び系アイアンのブームが止まりそうにない。日本を代表するブランドといえる「ゼクシオ」もついにこのジャンルに“本格参戦”。果たして飛び系アイアンはどこに向かうのか?

ゼクシオ テンの7番よりも4度ストロングになっている

ゼクシオの現行モデル、ゼクシオ テンの7番アイアンのロフトは29度。前モデルのゼクシオ ナインが30度だったので、より飛ぶように作られている。しかし、新たに登場するゼクシオ クロスの7番のロフトは、それよりさらに4度も立った25度という超・超ストロングロフトだ。

ぶっ飛び系アイアンと聞いてすぐに名前のあがるインプレスUD+2の7番のロフトが26度。キャロウェイのエピックスターや、ブリヂストンのJGR HF1、タイトリストのVG3タイプDなど、多くのぶっ飛び系アイアンが同じロフトで、25度というロフトはプロギアのエッグアイアンPCと並んで、もっともロフトの立ったアイアンのひとつと言える。

画像: ゼクシオ クロス。ゼクシオブランドの“ぶっ飛び系”だ

ゼクシオ クロス。ゼクシオブランドの“ぶっ飛び系”だ

このクラブが世に出てきた背景を、ゴルフライターの児山和弘はこう分析する。

「たとえばゼクシオ テンの7番アイアンと、ロフトが26度のモデルとを比べたら、ロフト26度のもののほうが飛距離が出る可能性は大きくなります。ゼクシオ クロスはロフト25度と思い切ったストロングロフトにすることで、飛距離を求めるゼクシオユーザーのニーズを満たそうとしているのだと思います」

長らくアイアン界の王座を独占してきたゼクシオが、昨今のぶっ飛びブームを受けて出してきたゼクシオ印のぶっ飛びアイアン、それがゼクシオ クロスというわけだ。

さて、ゼクシオ クロスのロフト構成は、5番で21度、6番23度、7番25度、8番28度、9番32度、PW37度、AW43度、DW49度、SW56度というもの。

「番手の数字を変えただけ」は本当か?

“ぶっ飛びアイアン”の番手とロフトの数字に対しては「ただ番手の数字を変えただけでは?」「番手表記をやめてロフト表記にすべき」という意見が一定数出る。実際、同じダンロップのスリクソンZ785アイアンの5番アイアンのロフトは25度。シャフトによって多少異なるが、長さもほぼ同じなので、まさしく2番手ズレている。

ただ、「番手の数字を変えただけでは?」という意見に一理がないとはいえないが、クラブの進化に伴って、それもまた一概には言えなくなっていると児山は指摘する。

「たとえば、同じロフト25度のアイアンでも、ロングアイアン的な25度と、ユーティリティ的な25度では、やさしさだけでなく飛距離も明確に違うんです。ゼクシオ クロスでいえば、ソール幅が極めて広いことで深・低重心化し、まさしくユーティリティ的。ロフトが立っていてもボールが上がりやすく、飛ばせるつくりになっているんです」(児山)

画像: 7番アイアンでロフト25度とロフトが立っている分、ソール幅を広くしたユーティリティ的な形状にして、上がりやすくしている

7番アイアンでロフト25度とロフトが立っている分、ソール幅を広くしたユーティリティ的な形状にして、上がりやすくしている

児山は、今後アイアンは8割が飛び系、2割が軟鉄鍛造のマッスルバック、セミキャビティなどコントロール性を重視したアイアンという割合になっていくのではないかと予想。そして、飛び系アイアンの市場シェアが増していくなかで、昨年あたりから面白い変化も見られるという。

「46度、48度の“単品ウェッジ”が売れ始めているんです。これは、ぶっ飛び系アイアンが売れている影響と見ていいと思います」(児山)

PWのロフトが46度前後のモデルであれば、次に52度の単品ウェッジでセッティング的にはほぼ問題ない。しかし、それよりもロフトが1番手以上立っている場合、使い慣れた52度の間を埋めるウェッジがもう1本必要になる。結果、46度、48度のウェッジが売れるというわけだ。

つまり「PWの下は52度ウェッジ」というセッティングにおける“常識”のひとつが、ぶっ飛び系アイアンの台頭によって常識ではなくなリつつあるようなのだ。ゼクシオ クロスのPWは38度。そこから52度のウェッジにつなごうと思えば、最低1本、下手すれば2本ウェッジを足す必要が生じる。

しかも、単品ウェッジは高重心でスピンの効く“飛ばない(飛ばす必要がない)クラブ”。前述したように単純にロフトピッチだけ合わせればいいという問題ではない。セットウェッジを上手く取り入れつつ、単品ウェッジと組み合わせるような工夫が必要になりそうだ。もちろん、それを「面倒」と考えるか「面白そう」と舌なめずりするかは、人によるだろう。

ゼクシオ クロスは基本的には7番からのセット販売。5番、6番は単品売りとなる。ユーティリティの台頭によって、3番アイアン、4番アイアンをバッグに入れている人は減り、セッティングの常識は変化した。そして今度はぶっ飛び系アイアンが、5番アイアン、6番アイアンを土俵から押し出そうとしているのかもしれない。

「アイアンは7番から」や「40度台の単品ウェッジ」がセッティングの常識となる未来は、果たして来るか。

HONMA

This article is a sponsored article by
''.