ジャスティン・ローズの優勝で幕を閉じた「ファーマーズインシュランスオープン」で久しぶりに優勝争いをし存在感を示した松山英樹。今週は過去に2勝している「フェニックスオープン」に臨むが、月刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウによれば、どうやらかなり調子が良さそう!

228Yを4番アイアンでピンの根元につけたフェードに鳥肌!

こんにちはケンジロウです。フェニックスオープンの会場があるアリゾナのスコッツデールからお届けしております。

今週は2019年の米国本土3戦目、フェニックスオープンが開催されます。私とカメラマンの2人は、ファーマーズインシュランスオープンのあったサンディエゴからクルマを走らせ、6時間かけて砂漠の町、フェニックスへ移動してきました。

さて今回は、松山英樹の話です。先週のファーマーズでは3位タイに入り、久しぶりに優勝争いに絡みました。彼は2017年の3勝以来、勝ち星がなく、2018年はトップ10入りが4回にとどまり、年間を通して優勝争いに絡むことがありませんでしたからね。

画像: ショットが復調し、今シーズンの大活躍に期待がもてる松山

ショットが復調し、今シーズンの大活躍に期待がもてる松山

最終日は最後の18番まで優勝の可能性を残して戦っていました。テレビでご覧になった方も多いかもしれませんが、最終日のプレーは圧巻でしたね。私は4日間ほぼ72ホール、彼の組について回ったのですが、彼のプレーはもちろんのこと、試合後の表情、そしてコメントからも

「今年の松山英樹は大いに期待がもてる」そんな印象を受けました。

なぜそう思うか、その理由を以下に書いていきますね。まず何よりも大きいのは「ショットの復調」ですよね。最終日は15番までなんとパーオン率100%、唯一16番のパー3で右のバンカーに外したもののほとんどのホールでバーディチャンスにつけていました。最終日のピン位置は左右にふってあってかなり難しく、上位陣も軒並みスコアが出ていなかったんですがね……。

最終日のベストショットは11番228ヤードの打ち下ろしのパー3のティショットでしょう。右奥のピンに対して4番アイアンでハイフェードを打ち、ピンの根元にズドンと落として見事バーディを奪取。11番は18ホール中3番目に難しいホールでフィールド中5人しかバーディを獲っていませんからね。右サイドにバンカーがあり、狭いゾーンの右奥のピンに対してロングアイアンでピンの根元を狙っていけるのは凄い。まさに世界クラスのショット、見ていて鳥肌が立ちました。

画像: 「強い松山」が帰ってきた!

「強い松山」が帰ってきた!

そのほかにも9番ホールのフェアウェイバンカーからの2打目、15番のバーディにつなげた2打目のアイアンショット、18番のフェアウェイバンカーからの2打目など印象に残るショットがいくつもありました。ちなみにこちらがその18番でイーグルチャンスにつけた2打目の連続写真です。

ストロークゲインドティトゥグリーン(スコアに対するショットの貢献度)もトータルで3位。ショットの復調が数値からもうかがえますよね。ドライバーが復調気味なのも好材料で2日目、4日目などはほぼフェアウェイをとらえていました。3日目こそ右に曲がっていましたが、曲がり幅がそこまでじゃないので、なんとかグリーンを狙える位置にはいました。

昨年の年末に松山にインタビューしたときに「日本で出た2試合はドライバーが曲がりすぎてひどかった。でもいまやっていることが上手くいけば曲がり幅がその半分ぐらいになるんじゃないかな」と彼が言っていたのを思い出しました。まさにあのインタビューから1カ月が経ち、スウィングの修正が上手くいって、いまその半分の曲がり幅に収まっているような印象を受けました。

画像: 自身のインタビューが掲載された「月刊ゴルフダイジェスト 2019年3月号」を笑顔で読む

自身のインタビューが掲載された「月刊ゴルフダイジェスト 2019年3月号」を笑顔で読む

具体的にどんな修正をしたかは本人の口から聞けませんでしたが、練習場ではしきりにダウンスウィングで右サイドをしぼるような素振りをするシーンが見られました。右わき腹を縮めるようにサイドベンド(側屈)させて、前傾が深いまま右サイドで球を押すような動きですね。ヘッドがかなりシャローに入ってくるイメージですね。

画像: 右サイドを「しぼる」ような動きを強調していた

右サイドを「しぼる」ような動きを強調していた

曲がり幅が収まったのは、クラブのチェンジも大きかったのではないかと思います。テレビでご覧になった方はわかると思いますが、ドライバーが新しくなって、キャロウェイの新しいモデル「エピックフラッシュ」を使用しています。プロや上級者が好むサブゼロではなくて、限定発売のノーマルモデルを使うのが彼らしいですよね。

ノーマルのエピックフラッシュは見た目はやさしくてつかまりそうなヘッド。彼は“見た目でつかまるヘッド”が好きですからね。多くのプロが好むような“逃げ顔”のヘッドだと自分がつかまえにいかなければならないので好きじゃないみたいです。しっかりと振り切れることで飛距離も出ていて、スタッツを見ると、先週のドライバーの平均飛距離は311.6ヤード去年は平均飛距離が302ヤードですからね。10ヤード弱は前に飛んでいるわけです。3日目一緒に回っていたジャスティン・ローズより着弾地点は前にありました。だいたいのホールでキャリー300ヤード地点を越えていましたね。

画像: 新しいドライバーもフィットしているようだ

新しいドライバーもフィットしているようだ

フェニックスオープンの火曜日の練習ラウンドのあとに松山本人に話を聞くと、「アイアンはすごくいい方向にいっているので、それをウッド系とどうつなげるかだと思います。それが上手くいけばいい感じになるかなと」と話していました。本人もスウィング修正に手ごたえを感じているのでしょう。今週のフェニックスオープンではパワーランキング1位になっていました。過去2度優勝している相性のいいコースで調子も非常に上向き。こりゃ期待が高まりますね。

撮影/姉崎正

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