タイガー・ウッズが最後にメジャーに勝ったのが2008年の全米オープン。そのとき翌月曜日にもつれ込んだプレーオフを戦いタイガーを追いつめたのがロッコ・メディエートだ。そのメディエートが試合中「酒に酔ってプレーしていた」と告白した。

ゴルフチャンネルのインタビューにメディエートは当然のように「もちろん飲んでいたさ」と飲酒プレーを認めた。

メディエートによると彼のゴルフ人生は腰痛との闘いだった。「必ず毎試合飲んでいたわけではない。腰に痛みが出るとたまらず飲んでいた。それがおかしいとはまったく思わなかった。自分にとっては(飲酒が)当たり前の日常だったから」

試合中濃い色のサングラスをかけてプレーすることが多かったメディエート。思えばそれは飲酒をカモフラージュするためだったのだろうか。

現在56歳の彼は米ツアー6勝の実績を持つプレーヤー。現在はチャンピオンズツアーを主戦場にしており同ツアーでも3勝を挙げている。

画像: 米ツアー6勝を挙げたメディエートがアルコール依存症を告白した

米ツアー6勝を挙げたメディエートがアルコール依存症を告白した

アルコール依存症を自覚していたメディエートが酒を断つことを決めたのもじつはタイガーが重要な役割を果たしていた。

腰痛に悩まされてきた彼はタイガーが17年に腰のフュージョン手術を受けリハビリに励んでいたことをまるで我がことのように見守っていたという。

ところが4月に手術が成功したと報道されたわずか1カ月後 あの衝撃のニュースが世間を震撼させた。鎮痛剤を複数服用したことで運転中に意識を失い警察の検問にあったタイガーは逮捕されてしまうのだ。

画像: 2008年、「タイガーが最後に勝ったメジャー」で死闘を繰り広げたのがメディエートだ(写真は2008年の全米オープン 撮影/岩井基剛)

2008年、「タイガーが最後に勝ったメジャー」で死闘を繰り広げたのがメディエートだ(写真は2008年の全米オープン 撮影/岩井基剛)

呂律は回らず真っすぐ歩くこともできない。そんなタイガーの姿を見てメディエートは「あれが自分でもおかしくなかった。ただ偶然逮捕されなかっただけ」と痛感したという。

その年の10月、妻ジェシカさんの助けを受けアルコールを断つことを決意。「酒を抜いた自分にどんな変化があるのか見当もつかなかった。ただアルコールに頼らなくていい自分になりたかった。リハビリは辛かったけれど耐えたよ。たまに頭痛に襲われるけれどそれも4時間程度で過ぎていく。治療は終わった」。以来酒は口にしていない。

アルコール依存症を克服したメディエートは「朝の目覚めが爽やかになった」と笑う。メジャーの舞台でタイガーと死闘を演じ、タイガーを反面教師にした男は残りのゴルフ人生を軽やかに駆け抜けるつもりだ。

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