ツアー通算80勝挙げたタイガー・ウッズの最新クラブセッティングがPGAツアー公式ホームページで紹介された。好調だった時代のセッティングに近づいてきたというが……その理由をギアライターの高梨祥明が語る。

全盛時に近づきつつあるセッティング。メジャーVで完全復活の予感。

画像: ドライバーはテーラーメイドの「M5」をチョイス

ドライバーはテーラーメイドの「M5」をチョイス

タイガー・ウッズの直近クラブセッティングが米男子ツアーの公式ホームページで紹介されていた。本格復帰となった2018年は、ドライバーのヘッドとシャフトのマッチングを繰り返し、アイアンも自身のオリジナルモデルからテーラーメイドのパーソナルプロトタイプへと変遷。やはり、ナイキゴルフのクラブ事業撤退の影響を感じさせるシーズンだったように思う。しかし、2019年はだいぶセッティングが整ってきたように見える。

《タイガー・ウッズ 2019使用用具》

ドライバー:テーラーメイド M5(9度)
シャフト:三菱ケミカル ディアマナD +(70TX)

3番ウッド:テーラーメイド M5(15度)
シャフト:三菱ケミカル ディアマナD +(80TX)

5番ウッド:テーラーメイド M3(19度)
シャフト:三菱ケミカル ディアマナD +(80TX)

アイアン:テーラーメイド P-7TW(3番〜PW)
シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールドツアーイシュー(X100)

56度、60度:テーラーメイド ミルドグラインド
シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールドツアーイシュー(S400)

パター:スコッティキャメロン ニューポートGSSプロトタイプ

ボール:ブリヂストン ツアーB XS

(上記はpgatour.comより転載)

整う、とは。好調だった時代のセッティングに近づいてきたという意味だ。スキャンダルや手術など、長いブランク期間を経て復帰したウッズだが、道具的には不調や低迷、あるいは復帰への不安といったものを“補おうとする要素”が見られない。感じられるのは、ベストだったナイキ時代に構築した理想のセッティングを、テーラーメイド契約になった今、いかにして取り戻すのか。その一念だけなのである。

アイアンは、ナイキ時代にずっとウッズのアイアンをグラインドしていたマイク・テイラー氏が制作サポートに入ったという話もあり、最新アイアンとされる「TaylorMade P-7TW」を見ても、ヒールに角張りがある佇まいなど、これぞタイガー・ウッズモデル!というべき雰囲気が漂っている。もちろん、シャフトもロフトコンビネーションも、パターもボールも。この一年ですべての道具が全盛時代へと見事に復活、回帰したといえるのではないだろうか。

年齢とともに、ましてどん底からのカムバックであれば、もう少し道具の進化・変化に救いを求めてもおかしくはない。しかし、ウッズはデビュー当時からの道具観を一切変えず、全盛時の理想セッティングの復活を目指した。

理想道具に自分が追いつくことで生まれるパフォーマンスこそ、本物。ウッズはそう考えているのではないだろうか。見るたびに全盛期の道具に近づきつつあるクラブセッティングに、ウッズが自らに課した日々のハードワークを想像する。我々アマチュアのように、道具でラクをすることもできた。しかし、そうしなかったところがタイガー・ウッズらしさであり、スーパースターの証明だ。本当にすごいと思う。メジャーで吠えるあのかっこいいウッズが、今年本当に戻ってくるような気がする。かっこいいクラブセッティングが、それを予感させた。

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