番手と番手の間の中途半端な距離が残ったときはミスが出がちになるもの。ツアー30勝レジェンド・倉本昌弘は、オーバーした場合とショートした場合、どちらが次打つのがやさしいかを考えるのが大切だいう。自身の著書「本番に強くなるゴルフ」から“間の距離”の考え方を紹介。

基本は「グリーンセンター狙い」

グリーンを狙うときには、センターを狙う。それがマネジメントの基本です。とくに、グリーンの小さいときはセンター狙いが鉄則になります。たとえば、幅が40ヤード、奥行きが40ヤードの丸いグリーンがあったとします。これは、相当大きなグリーンです。それでも、センターにボールがあれば、ボールからグリーンエッジまでの距離は、上下左右どこでも20ヤード。さらに、カップはエッジから5ヤード以下に切られることはほとんどないので、ボ ールからカップまでの距離は最長でも15ヤードしかない。

そして、グリーンが小さければ、その距離はかなり短くなる。幅も奥行きも短いのであれば、グリーンセンターに乗せたらピンがどこにあっても残り10ヤード以下のバーディチャンス、ということになるわけです。だから、グリーンが小さいときにはピンポジションに惑わされず、常にグリーンセンターを狙っていく。これが鉄則です。

それに対して、グリーンが大きいときには、ピンとは反対側に乗せる。特殊な場合を除いて、これが基本になります。つまり、ピンが左にあればグリーン右サイド。ピンが右にあればグリーン左サイド。ピンが手前のときはオーバーしてもいいから確実に乗せておく。ピンが奥のときにはオーバーさせないということです。

こうやってピンの反対側を狙っておけば、グリーンオンの確率が高くなるし、グリーンを外しても次打が寄せやすい。基本的にピンが左のときにグリーン左に外したり、ピン奥のときに奥にこぼしたりするとアプローチが難しくなるので、そういうミスを避けるわけです。

このとき、問題になるのが残り距離と番手選択です。ピンまでの距離をフルショットでピッタリ打てるのであれば何の問題もないわけですが、中途半端な距離が残ることが往々にしてある。たとえば、7番と8番のちょうど中間の距離が残ったとします。私の場合、7番と8番の差が約10ヤードなので、7番で打つと5ヤードオーバーして、8番で打つと5ヤードショートすることになる。この場合で言えば、5ヤードのオーバーが許されないときには8番で打ち、5ヤードのショートが許されないときには7番で打つと考える。

画像: 番手通りの距離で打っていくのがやさしいマネジメントだという

番手通りの距離で打っていくのがやさしいマネジメントだという

具体的に言うと、5ヤードオーバーするとグリーン奥にこぼれる。2~3段グリーンの上の段に乗ってしまう。または、急傾斜にピンがあったり、グリーンがものすごく速かったりしてピンの上には打ちたくない。そんなときには8番で打つ。それに対して、5ヤードショートすると、グリーンに届かない。バンカーや池に入る危険が高い。2~3段グリ ーンの下の段に落ちてしまう。そんなときには7番で打つのです。また、特別に危険の ないときには、オーバーしたときと、ショートしたとき、どちらのほうがやさしいのかを考えて決めればいいでしょう。

基本的に距離をコントロールする自信のない人は7番を持ったら7番の距離、8番を持ったら8番の距離を打っていくのがやさしいマネジメントです。もちろん、私たちプロはスピードや振り幅をコントロールして微妙な距離を打ち分けます。でも、アマチュアのレベルで言えば、距離をコントロールしても、ピンにピッタリつくとは限らない。 長めの7番の距離をしっかり打っても5ヤードしかオーバーしないし、少し当たりが悪ければピンにピッタリくっつくことだってあるからです。

ちなみに、短い番手を持ったときも同じ。8番なら8番の距離を打つ。それ以上飛ばそうとして力まない。あくまで8番の距離を打つために最善を尽くすという考え方をするのがいいのではないでしょうか。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/岩井基剛

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