プロゴルファーのスウィングを見て「なんであんなに軽く振っているのに飛ぶんだろう」と感じたことはないだろうか。しかし実際のところは軽く振っている“ように見える”だけ。「プロも全力で振っています」というのは数多くのアマチュアを指導してきたティーチングプロ・鈴木真一。詳しい話を聞いてみたら、そこには飛ばしのヒントが詰まっていた!

プロも全力で振っている

プロのドライバーショットを見ると、軽く振っているのに300ヤード級のビッグキャリーを生んでいる……ように見えるが、実は「プロも全力で振っているんです」と鈴木プロ。

画像: プロはゆったり振っているように見えて、放つ弾道は300ヤードを超してくる。その秘密は?(撮影/大澤進二)

プロはゆったり振っているように見えて、放つ弾道は300ヤードを超してくる。その秘密は?(撮影/大澤進二)

「もちろん距離の調節が必要なクラブは別ですが、ドライバーに関しては全力ですね。僕は120%くらい出す感覚で振ってます。実は力の入れ具合に関しては、アマチュアのスウィングとプロのそれに大きな差はないんです」(鈴木、以下同)

しかし力の入れ具合は同じでも、見た目にゆったり、軽く見えるのは間違いない。対して、たしかにアマチュアのスウィングは徹頭徹尾力が入っているのがはた目にもわかる。この差はどこから出てくるのか。ポイントは「時間差です」と鈴木は続ける。

「“腕・クラブ”と“体”の動きの時間差ですね。ゴルフスウィングですごく大事なのは、自分が持てるエネルギーをなるべく増幅してヘッドに伝えること。クラブと体の時間差を上手く作れば作るほど、ヘッドに生まれるエネルギーが増します。プロは体のいろんな部位をバラバラに動かしながらインパクトする、つまり時間差が作れているから飛ばせるんです」

鈴木によれば、時間差を作れているとスウィングは自然と軽やかに見えるという。つまりプロたちのドライバーショットは“軽く振っているのに飛ぶ”のではなく、“効率よく飛ばせる振り方をした結果、軽やかに見える”ということなのだ。

「では飛距離で悩むアマチュアの方がどういうスウィングになっているのかというと、体も腕もクラブも足も、すべてが一緒に動いている方が多いです(写真A)。すると、見た目には思い切り振っているのに、ボールがつかまらなくてスライスしたり、ボールが上がるだけで前に飛ばなかったりします」

画像: (写真A)腕・クラブと体が同時に動いているスウィング

(写真A)腕・クラブと体が同時に動いているスウィング

一方、時間差が作れているスウィングのお手本が写真B。写真Aのスウィングではクラブと同時にヒザや左肩が動いてしまっているのに対し、写真Bのスウィングでは下半身が先行し、遅れてきたクラブが一気に加速する様子が見て取れる。

画像: (写真B)時間差が作れているスウィング

(写真B)時間差が作れているスウィング

ではスウィングに時間差を作るには具体的にどうすればいいのか。

「上手な方がなぜ時間差を作ってかつ真っすぐ飛ばせるのかというと、クラブの使い方が上手だからなんです。大前提として、ゴルフクラブはフェースを返して使う道具。中にはフェースを返さずに使っているという方もいますが、そういう方のスウィングにもフェースの開閉は無意識でも絶対入っています。このフェースを返す動き、シャフト軸でクラブを回す運動がしっかりできることが、時間差を作ることの条件となります」

フェースを返しつつ、時間差を作るための練習法として、「まずはクラブフェースを返して打つことを覚えましょう」と鈴木。

「ありえないくらい左に飛んでしまってもいいので、フェースを返して打ってみましょう。今まで時間差を作らずに振っていた方がフェースを返して打つと当然左に行きますよね。それでいいので、フェースを回転させる感覚をつかんでください。次にフェースを返す動きを変えずに、今度は絶対に左に行かないように工夫して打ってみてください。コレ、実際にレッスンを受けに来たお客様にもやってもらっているんですが、みなさんどうするかというと、一生懸命右方向に打とうとするんです。この右方向にエネルギーを出していく動きが、実は時間差を作る動きになっているんです」

画像: まずは左に飛んでもいいので、フェースを返すことを意識してスウィング(写真左)。そのクラブの動きを変えずに右方向にボールが飛ぶように打ってみよう

まずは左に飛んでもいいので、フェースを返すことを意識してスウィング(写真左)。そのクラブの動きを変えずに右方向にボールが飛ぶように打ってみよう

キーワードは「時間差」と「クラブを返す動き」。ここさえ身に付けることができれば、僕らもプロのような軽やかスウィングで飛ばせるようになるかも!?

協力/トータルゴルフフィットネス

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