14日開幕の準メジャー、ザ・プレーヤーズ選手権を皮切りにPGAツアーはビッグトーナメントが目白押しだ。およそ1カ月後に迫ったマスターズではローリー・マキロイにグランドスラム達成の可能性がある。史上6人目の4大メジャー制覇に向けマキロイが率直な思いを打ち明けた。

全米オープン、全英オープン、全米プロは制覇済み

ディフェンディングチャンピオンとして挑むアーノルド・パーマー招待の大会前マキロイは記者会見でマスターズ、そしてグランドスラムへの思いを語った。

「自分はゴルフというゲームを愛しすぎているのではないか、と思うことがあります。グランドスラムを達成した偉大なプレーヤーたちの足跡に近づき肩を並べたいと切望しているけれど、これだけ憧れや思い入れが強いと勝つのがかえって難しいのかもしれません」

11年に全米オープン、12年と14年に全米プロ、14年に全英オープンに優勝しグランドスラムに王手をかけているマキロイだが、あと1つ、グリーンジャケットだけが遠い。

後続に4打差をつけ快調に首位を走りながらサンデーバック9の10番で信じられないようなミスを繰り返し「80」を叩き、15位まで順位を落としシャール・シュワーツェルに優勝を譲る悪夢を味わったのが11年のマスターズのこと。

「ビギナーズラックじゃないけれど(マスターズに対する)意識が強くなりすぎていないときに勝てていれば……」と8年前を振り返る。

画像: マキロイはマスターズで今度こそ勝利をつかむことができるか……?(写真は2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

マキロイはマスターズで今度こそ勝利をつかむことができるか……?(写真は2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

「ゴルフの歴史の知識がそれほどなかったり、これほどまでにゴルフが好きじゃなかったら、メジャーに勝つのはもっとやさしかったかもしれません。でもそんなの僕じゃない。知識を深めゴルフを愛する自分を尊重したい。だからどんなときも全身全霊でプレーして、結果としてそれが1打でもほかのプレーヤーより良いスコアであることを祈るしかないんです」

メジャー獲りの重みをまだ知らないアマチュア時代。将来有望といわれる選手たちは現実を顧みず、
素直にそして軽々しく「20歳でマスターズ優勝」や「メジャーに勝つ」という言葉を口にする。
だが今年30歳になるマキロイはその重みを十分すぎるほど知ってしまった。

長い歴史のなかで4大メジャーを制覇しているのはジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・ニクラス、タイガー・ウッズのわずか5人だけ。

しかし現在マキロイのほかフィル・ミケルソン(残りは全米オープン)、ジョーダン・スピース(残りは全米プロ)がグランドスラムに王手をかけている。

「もし3人が今年グランドスラムを達成できたらゴルフ界だけじゃなくスポーツ界全体のビッグニュースになって盛り上がるでしょうね。それが現実になればどんなに素晴らしいだろう」

そしてマキロイはこう付け加えた。「(マスターズで逆転負けを喫した頃より)成功体験より失敗体験を多く積んで負けることへの免疫はつきました。何度失敗しても挑み続けますよ。リンカーンだって選挙に13回連続で落選した。でも諦めずに挑戦してアメリカ合衆国の大統領になったんです。僕にももう少し時間はあるはず」

正しくはリンカーンが選挙に負けたのは13回連続ではなく7回。だが回数はこの際問題ではない。
もはや若手ではなくなった自分にもチャンスがある、粛々と挑戦し続けるとマキロイは宣言したのだ。グリーンジャケットに袖を通すその日まで……。

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