パシフィコ横浜で日本最大のゴルフ用品見本市『ジャパンゴルフフェア』が開催されており、最新クラブギアに関心が集まる週末だが、そんな時こそ考えたいのが“自分自身のこと”だと、ギアライターの高梨祥明はいう。その真意は?

ロー・バウンスがいいか、ハイ・バウンスがいいか。そんなトレンドを気にするのはもうやめたい

ゴルフクラブには流行りや廃りがあって、結局どっちなのか! と憤りを感じることもしばしばである。たとえば、サンドウェッジのバウンス角は少ない方がいいのか、多い方がいいのか、という数年おきに繰り返されているトピックスがある。

有名選手がロー・バウンスなら、やっぱりバウンスは少なめがいい! ニューヒーローがハイ・バウンスを使っている! となれば、やはり多めか!? とその都度、白黒が入れ替わってしまう。その繰り返しに不毛なものを感じずにはいられない。

ショートアイアンに接地抵抗となる“バウンス角”を付け、多少ダウンスウィングで入射の誤差があっても軌道修正して正しいインパクトに導く。それがサンドウェッジの生まれた背景だ。それなのにロー・バウンス推しはない、と単純に思うのである。

確かにバウンス10度以下のいわゆる“ロー・バウンス”ウェッジを好む選手もたくさんいる。しかし、そうした選手も「バウンスはいらない」といっているわけではない。「アプローチでは状況に応じてフェースを開いたり、軌道を変えたりしてバウンスを自分で作るので、最初からバウンスを多くつけておく必要はないですよ」といっているのだ。

フェースを開くのは、高さを出すということだけではなく、ソールの角(トレーリングエッジ)を出して接地抵抗を増やす、という意味。“ロー・バウンス”ウェッジの愛用者は、バウンスを自分で作り、調節しながら安定したウェッジゲームを実現しているだけで、バウンスの恩恵を受けていないわけではないのだ。

画像: バウンス角を自分で作るのか、クラブに任せるのか。プレースタイルによって選ぶべきウェッジも変わる 撮影/三木崇徳

バウンス角を自分で作るのか、クラブに任せるのか。プレースタイルによって選ぶべきウェッジも変わる 撮影/三木崇徳

結局、ロー・バウンスか、ハイ・バウンスかという議論は、フェースを開くなどしてバウンス効果を自分で作る? それともそんな難しいことはしない? という単純な問いかけに過ぎないのである。自分でバウンスを作ったりはしないゾ、スクェアに構えスクェアに振っていくのみだ、ということであれば悩むことはない。バウンス10度以上のサンドウェッジを選ぶべきである。

道具におまかせしたのに、自分でもやろうとする人が多い

自分でやるのか、道具におまかせするのかという自問自答は、ウェッジのバウンスだけでなく、あらゆるクラブカテゴリーにおいても必要である。

アイアンのロフトは立っているものを選ぶべきか、ノーマルであるべきか、ということも、狙った距離が出せるインパクトロフトを「自分のスウィングで作る?」か、それは難しそうだから「道具におまかせするか?」と考えれば、あまり悩まずに済むのではないかと思う。

しかし、ロフトが立ったアイアンを買った意味を理解していないと、「ストロングロフトだから、自分で上げよう!」と、すくい打ちを強めてしまい、結局はインパクトロフトがさらに寝て全然距離が出ないという笑えない結果になってしまう。

ドライバーでも同じである。自分の力量ではインパクトでフェースをスクェアに戻すことができないから、何もしなくてもスクエアインパクトに近づくフックフェースモデルを買ったのに、実際にはフックフェースを嫌がって真っすぐに見えるように構え直してしまい、さらに大きなスライスを打ってしまう。あるいは何もしなくてもボールがつかまるように、重心角の大きいモデルを買ったのに、実際は自分でもつかまえようと頑張ってしまい、大きなフックしか出なくなってしまい凹んでしまう。そういうもったいないケースが、実は多いのである。

ジャパンゴルフフェアやゴルフショップに行くと、驚くほど多くの最新ゴルフクラブが並んでいて目移りしてしまうが、そこにあるすべては「自分でコントロールしやすい道具」(マニュアル)と、「おまかせしていい道具」(オートマ)との間にあるバリエーションである。

誰かが決めたトレンドではなく、どの程度自分でしたいかと考え、ちょうどよいモデルを探す。そうして巡り合った道具なら、きっと長く愛せるはず。

ちなみに、人間、完全にクラブにおまかせできるものではない。自分で何かをやれる余地、あそびがあるくらいのモデルがオススメだ。感覚的には、ちょっと難しいかなぁと思うくらいの道具がちょうどいいと、個人的には思う。

画像: 新"RS”シリーズがついに出た!プロ二人が徹底試打!果たしてその実力は? youtu.be

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