ツアーではグリーン外からの見事なチップインをよく見かけるが、実際に狙ってみてもなかなかできるものではない。プロたちはチップインをどう狙っているのか、そのためにどんな練習をしているのか。ツアーで活躍する女子プロ・幡野夏生と、数多くの女子プロを指導するプロコーチ・井上透に聞いてみた!

「ラインに乗せる」感覚が最重要

井上透(以下井上):そもそもの話、夏生はチップイン狙いますか?

幡野夏生(以下幡野):無理に狙おうとするとパンチが入っちゃって、奥5メートルのパーパットとかになっちゃいますから、あまり狙わないように打ちます。

画像: アプローチでチップインを狙うとき、プロたちはどうしてる?(撮影/大澤進二)

アプローチでチップインを狙うとき、プロたちはどうしてる?(撮影/大澤進二) 

井上:それもひとつの答えだね。基本的に、ボールを狙ったラインに乗せられる人はチップインの確率が高いですね。

幡野:じゃあわたしは乗せられてない……?

井上:そんなことはないんだけど、そもそもアプローチを思ったライン上に出すってすごく難しい。ウェッジってロフトがすごく上を向いていてライ角もある。要はトウ側が浮いているのでクラブフェースを開かないと球は普通に考えれば左に出やすいよね。

だからロフトが寝ているクラブを思った方向打つこと自体が難しくて、結構練習しないと実はできない。チップインを狙う人は正確に自分の思った方向に打ち出せるっていう特徴を持ってるんだよね。

幡野:なるほど~。チップショットの練習でわたしがよくやるのは、アライメントスティックを前方に2本並べてその間を通す、っていうやつですね。わたしの場合はフェースをシャットに上げてしまうクセがあるので、アプローチでは手首のアクションを使わないで体の動きと一緒にフェースを使うようにしてます。

画像: 幡野はアライメントスティックの間を通すように打つ練習をしているという

幡野はアライメントスティックの間を通すように打つ練習をしているという

井上:それもいい練習だね。僕がオススメするのは、インドアの練習場などで、打つ方向にガムテープを5ヤードくらい貼ってそのライン上を狙って最初は手前側から、段々奥の方へと落としていくっていう練習。これで10球くらい打つと、多くの人はちょっとずつ左、もしくは右に外れてるっていう気付きがあると思います。

10センチでも左右にズレる傾向があるならそれを直す、っていうのがプロの選手のやり方ですね。3ヤードくらいのパターマットがあれば、家でも同じような練習ができます。チップインを狙うプロとしての第一歩は、ガムテープのライン上にばんばん落とせるようになること。特に10ヤード以内のチップショットだね。これができると、「思ったラインに落とせるんだ」っていう自身が湧くでしょ。すると(チップインを狙う精度で)ラインをしっかり読む気力が湧いてきて、チップインを狙いにいけるポジティブなマインドになっていく、と。

幡野:なるほどなるほど。

井上:もう一点、強弱の話です。基本的にはライが悪いとボールが強く出やすいです。これは、ちゃんとミートしようとしてボールを右に置いたり体重を左足側にかけた結果、クラブが上から入ってしまうからです。ライが悪いとボールが強く出やすいということがわかっていれば、距離感を合わせやすくなるのかなと。ライの状況によって球の強弱が変わることは覚えておきたいですね。

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