ドライバーはできるだけ遠くまで飛ばしたい! そんな考えから無意識にどっしり構えてはいませんか?プロゴルファー・増田哲仁は「今から動き出すぞ」というくらいのスタンスが理想だという。自身の著書「これでいいの?これだけで飛ぶの?」から飛ばすためのアドレスを教えてもらおう。

力みにつながりミスの元。ドライバーだけどっしり構えていませんか?

「今日イチ」はいりませんよ、とアマチュアの方によくいいます。

ゴルフは野球と違い、3打席凡退しても、1打席ホームランを打てばいいという競技ではありません。いわずもがな、18ホール終えて、初めてスコアが決定します。いくら「今日イチ」の快感に浸っていても、終盤のホールで疲れてしまい、ミスが多ければ何もなりません。ですから、「ナイス」を追うより、「ミス」を少なくして18ホール回りきるほうが、スコアメークできるのです。

多くのアマチュアは、ティグラウンドに立ってドライバーを手にすると、気持ちが昂ぶって会心の当たりが欲しくなってしまいます。それは、クラブの構造による錯覚です。9番アイアンならば、短いし重いため、誰でも自然と体全体を使って振ろうとしますが、長くて軽いドライバーを持つと、見た目と持った感触で、自然と腕の力に頼って振り回したくなってしまうわけです。そして、その力みこそが、あらゆるミスの源なのです。

力めば力むほど、飛距離は稼げません。高速道路を走る自動車を想像してみてください。もし、パワフルな2速ギアで東京から東名高速をぶっ飛ばし続けたらどうなるでしょう。厚木あたりでエンジンが壊れてしまうかもしれません。

ドライバーは、自動車にたとえるならトップギア。力なんて、それほど必要としません。力まず軽やかに振ったほうが、ヘッドスピードは増して、飛距離が出るのです。それに、ドライバーを握るたびに強振していたのでは、「スウ ィング体力」が持続せず、あらゆるミスが出てスコアはめちゃくちゃになってしまいます。

今から動き出しそうなスタンスで構える

ドライバーを持った途端、極端に足を広げてしまう傾向が、アマチュアにはあります。それは、下半身を安定させることで、いかに上体に力を入れて振ることができるかという意識の表れといえます。

しかし、「どっしり」はいけません。下半身をリラックスし、むしろ「どっしり」とは逆の、「今から動き出すぞ」というくらいのスタンスが理想です。

画像: 飛ばしたいなら スタンスは狭く、無理にスタンスを広げるのは、カみにつながってミスを助長してしまう。いつで も楽に歩き出せるくらいの狭さが、柔軟さを生んでしなやかなスウィングを可能にする

飛ばしたいなら スタンスは狭く、無理にスタンスを広げるのは、カみにつながってミスを助長してしまう。いつで も楽に歩き出せるくらいの狭さが、柔軟さを生んでしなやかなスウィングを可能にする

たとえば、ミドルアイアンを持つと、自然とスタンスは狭くしていますよね。 それは飛ばしより、いいスウィングをするという当たり前の意識が強くなっているためです。

本来クラブは、ドライバーからSWまで、同じリズムで振るものです。飛距離は振り方ではなく、クラブが勝手に決めてくれるもの。ドライバーだけ「どっしり」したのでは、わざわざアドレス時から、他のクラブと同じように振ることができないようにしてしまっているようなものです。

ティショットのスタンスは、人それぞれに幅が異なります。目安として、地面を軽く蹴ってジャンプしてみてください。人は、飛ぼうとしたときにこそ、無意識のうちに、自然と自分がいちばん動きやすい幅を維持します。その幅こ そが、「しなやかなスウィング」のための最適なスタンスです。

力は「入れる」ものではなく「入る」ものということを思い出してください。「どっしり」とした構えで、腕力に頼って振ろうとすると、とても「しなやか」には振れません。腕よりも、軽やかに背中で打つイメージです。

画像: スタンスはその場でジャンプして着地する幅が適正だと考えよう。人は飛ぼうとしたときに無意識に自分がいちばん動きやすい幅を維持しているものだ

スタンスはその場でジャンプして着地する幅が適正だと考えよう。人は飛ぼうとしたときに無意識に自分がいちばん動きやすい幅を維持しているものだ

重い荷物を押そうとするとき、背中を丸めて腕の力で押しても、なかなか動きません。ところが、背筋を伸ばし、いわゆる「腰を入れる」姿勢をとると、思いのほか簡単に動きます。それは、腕の小さな筋肉より、後背筋や外腹斜筋 といった背中の大きな筋肉の方が、断然パワーがあるからなのです。

ゴルフも同じ。飛ばそうと意識しすぎて「どっしり」し、腕の筋力に頼ると、 弱い球になります。逆にスタンスを適正にし、足はすぐに動き出しそうなほど 柔軟な方が、腕ではなく、背中でクラブを上げて下ろせます。

体全体で球を吸収して運ぶ感覚

球は、クラブのヘッドで打つものです。しかし、その小さなスポットに当てるのではなく、体全体で球を吸収して運ぶ感覚が欲しい。

構えた際、ヘッドがいちばん硬く、シャフト、グリップ、腕の順で、徐々に。柔らかくなっていくことをイメージしてください。飛ばそうとするあまり、体まで硬くしてしまったのでは、しなやかに振れず、ヘッドスピードも上がりません。上体の力を抜いてこそ、ボールは飛ぶし、体力も温存できるのです。「しなやかなスウィング」を実践するためのドリルを紹介しましょう。

アドレスしたら、野球のバッティングのように左足を上げながら、バックスウィングをしてみてください。さらに、それを踏み込みながらダウンスウィング。つまり、歩きながらスウィングするような感覚です。足を止めずに打つことで、下半身を踏ん張ることなく、上体も柔らかくしなやかに振るコツがつかめ、力まないイメージを体に覚えこませることができるのです。

画像: あなたのドライバーが芯を食わないのはなぜ?アマチュアに多いドライバーの勘違い、教えます youtu.be

あなたのドライバーが芯を食わないのはなぜ?アマチュアに多いドライバーの勘違い、教えます

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