ゴルフ人口減少、若者のゴルフ離れが世界的に進んでいる。価値観が多様化する中、当然といえば当然だが、ゴルフを盛り上げるには若者がゴルフに参加してもらったほうがいいのもまた当然。どうすれば若者がゴルフできるか? 大学の授業でゴルフを体験した若者たちの意見を、プロゴルファー・永井延宏がレポート!

シンポジウムに学生たちが登壇した

3月22日より3日間開催されたジャパンゴルフフェア(JGF)。もともとはゴルフ用品業界の見本市としてスタートしたイベントが、昨今では一般来場者をメインターゲットとした催事へと進化し、3年前に神奈川県のパシフィコ横浜に開場を移すと同時に開催時期も従来の2月から約1カ月送らせて3月後半とした事で、ゴルフシーズン幕開けを告げるキックオフイベントとなっている。

今年の来場者は前年比で約6%増の6万人(3日間トータル)を越え、会場内は活気に溢れていた。しかしながら、様々な調査指標見ると、ゴルフ市場が上向いているというデータはない。ゴルファー減少の危機的状況は日本だけでなく、3月上旬にUSGA(米国ゴルフ協会)が東京・新宿でゴルフ市場活性化をテーマとしたシンポジウムを開催したのも記憶に新しい。

JGA(日本ゴルフ協会)はR&A(ロイヤル&エンシェント、スコットランドにあるゴルフの総本山)の管轄下の筈だが、そこにUSGAが割って入って来て自費でシンポジウムを開催するという構図は、その世界的な危機感を物語っている様に見える。

画像: 日本に限らず、ゴルフ人口は世界的に減少トレンドにある

日本に限らず、ゴルフ人口は世界的に減少トレンドにある

そのJGFのイベントの中で、参加者から「今回のベストだと思う」と好評だったのが、大学ゴルフ授業研究会(代表北徹朗氏・武蔵野美術大学准教授)主催の討論会「課外授業でコース体験1000人突破! ぼくらが『ゴルフ』を選んだワケ」だ。

この討論会は大学ゴルフ授業の課外イベントであるゴルフ場体験授業「Gちゃれ」参加者が、長らくの活動により1000人を越えたことを受けて、その参加者である現役の大学生に登壇してもらい、ゴルフへの率直な感想や意見をヒアリングしながらの討論会として行われた。

当日はゴルフへのやる気や興味がゼロから100までの大学生男女18名が登壇。先ず学生に尋ねたのは“ゴルフのいいところ”。

「便秘が治る」との迷回答から始まったが、その後は、
「いろいろな世代の見知らぬ方々と知り合える」
「大自然を感じる」
「温泉に入って帰るのが好き」
など、想定していた範囲に収まる声が続いた。やはりゴルフには、大学生にも十分理解して貰える魅力があり、それは世代を問わず共有できるという事だろう。となると、いかにゴルフへと導けるか? がポイントになる。

「見ず知らずの人から『学生のうちからゴルフが出来るなんていいね〜!』と言われた」

今回登壇した学生は大学授業がきっかけでゴルフに触れているが、実は家族の誘いで小さい頃にゴルフに触れた経験のある学生が多かった。これは現在も積極的に取り組まれているジュニア層への普及活動がつながる部分である。エリート層のジュニアが来年から激減するという噂もあるが、競技ゴルフではなくゴルフの楽しみに触れてもらうことが未来への種蒔きとなるのが分かった。

ゴルフへ誘うという意味で、より学生に近いところでの情報発信としては、
「大学の生協にゴルフツアーの案内があれば学生にリーチしやすい」
「レンタカーとのパッケージは利用してみたい」
などの意見もあった。

聴衆からはドレスコードに関する質問が出て、ポロシャツの裾をズボンの中に入れるのはどうか? との問いに、彼等の世代観としては理解できないという声がほとんどだったが、だからと言ってゴルフをやらないというところまではいかない様だ。

ドレスコードの話でだけではないが、ある学生が「ゴルフのもっている、ちょっと日常とは違った雰囲気というのは、とてもいい部分だと感じている。なのでそれをすべて排除する必要はないと思う」との意見もあった。

学生とのやり取りも佳境に迫る頃には、ややゴルフ界の常識は世間の非常識か? と思わせるムードが会場内にあったので、筆者からの質問として「今までゴルフハラスメントを感じたことはあるか?」と尋ねてみた。

画像: 若者にゴルフ場に触れてもらうのが、大学ゴルフ授業研究会が行なっている「Gちゃれ」。本記事の著者である永井延宏もプロとして関わっている

若者にゴルフ場に触れてもらうのが、大学ゴルフ授業研究会が行なっている「Gちゃれ」。本記事の著者である永井延宏もプロとして関わっている

「課外授業のラウンドは午後ゴルフ場貸し切りみたいにして回るので、他のゴルファーがいない。先日知り合いに連れて行って貰って一般営業のコースでプレーしたら前後の組みから遅れるなと『急げ!走れ!』と言われて楽しめなかった」
「見ず知らずの人から『学生のうちからゴルフができるなんていいね〜!』と言われた」
「どうやっても越えない谷とか池があるので、初心者向けに谷や池の向こうから打ち始めるティがあると嬉しい」
などの意見が出た。

今回の彼等の声を活かすには、業界側のマインドチェンジも多分に必要になるだろう。もし来年もこの討論会があるなら、聴衆席を保守派と改革派で分けて、トライアングルでの討議とした方が良いのでは? と感じた。

横浜パシフィコアネックスホールでの各種セミナーやタウンミーティングは、一般来場者にも門戸を開き無料で参加出来るものもある。来年のジャパンゴルフフェアに行かれる方は、ぜひコチラの方も覗いてみてはいかが?

画像: 左ひじの引けを直して飛距離を伸ばす!親指飛んでけドリル youtu.be

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