トッププロが狙い通りに球を操作し、思ったところにビタッと決める! そんなシーンを目の当たりにするたびに「やっぱりマッスルバックのアイアンがカッコイイ」と思うけれど、マッスルバック=上級者・プロというイメージは強い。果たして本当にそうなのだろうか? 業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が考えた。

タイガーのマッスルバックには憧れるが……はたして使える!?

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今年のマスターズは最高に盛り上がりましたね。優勝したタイガー・ウッズの勝利をライバルの選手が悔しいと言いながらも讃えていたコメントがとても印象的でした。さて、やはりギアオタクとして気になるのが、勝利を手繰り寄せたクラブのこと。タイガーが使っていたクラブの中で特に気になったのがアイアンです。

タイガーが使用していたアイアンは、テーラーメイドと共同開発した「P7TW」というマッスルバック。タングステンを内蔵し、精密機械にてヘッドを削り出す精巧なモデルなんだそうです。是非試打してみたいモデルですね。

画像: キレキレのアイアンショットでマスターズに勝利したタイガーもP7 TWというマッスルバックのアイアンを使用していた(撮影/姉崎正)

キレキレのアイアンショットでマスターズに勝利したタイガーもP7 TWというマッスルバックのアイアンを使用していた(撮影/姉崎正)

ところで最近、マッスルバックモデルのラインナップがジワリと増えているのをご存知でしょうか。ホンマが契約したジャスティン・ローズのパーソナルモデルとして開発した「TW-MBローズプロト」に、スリクソンの「Z-FORGED」。前述のテーラーメイドの「P7TW」も米国では市販が決まっているようです。

タイトリストの「718MB」、ミズノの「ミズノプロ118」など伝統を受け継ぎつつ、進化を続けるモデルもありますし、ちょっと前ですが、キャロウェイも「APEX MB」を限定で市販しています。その他、パーツメーカーでも多数マッスルバックモデルがラインナップされていて結構なモデル数だなと感じています。

画像: 人気モデルのミズノプロ118など、マッスルバックは結構なモデル数が市場にある (撮影/小林司)

人気モデルのミズノプロ118など、マッスルバックは結構なモデル数が市場にある (撮影/小林司)

一般的に、“難しい”と表現されるマッスルバックのモデルですがいったい何が“難しい”とされるのでしょうか。

マッスルバックモデルの代表的な特徴としては、操作性の良さが上げられます。球筋の左右はもちろん、スピンコントロールを含めた上下の制御ができるというのが最大の長所です。

その反面、打点のミスが生じた際の飛距離ロスが比較的大きいというのが短所としてクローズアップされますね。また操作性が良いがために、ミスしたときの動きが球筋に反映されやすいため、曲がりが大きいとも言われます。この2点が“難しい”と言われる最大の理由でしょう。

しかし上記の“難しい”理由が“スコアにならない”と同義語のようになってしまっているのが個人的にはちょっと残念だなと思っています。

たしかにマッスルバックはミスをした時に、その狙った100点の結果とはかけ離れた60~70点のショットになることが多いです。飛距離ロスもそれなりにあります。ですが、言い換えればそれだけコース内に残っている確率が高いとも言えます。

ミスしているのだから目標方向とは違う方向に飛ばれては困るわけですし、曲がりが大きいのも言い換えれば操作性が良いおかげでミスしても狙った方向とは逆に飛んでいくことが少ないです。つまりミスしても想定内のミスに納めやすいのでペナルティなどを受ける確率が少なくて済むわけです。

画像: ミスしても想定内の球が出るのがマッスルバックの良さのひとつ。ただし、ある程度のミート率は必要となる(撮影/小林司)

ミスしても想定内の球が出るのがマッスルバックの良さのひとつ。ただし、ある程度のミート率は必要となる(撮影/小林司)

もちろんこの考え方はある程度ミート率がある方でないと当てはまりませんが、最近は十分メリットがある方にも毛嫌いされてしまっている感があるのはもったいないなぁと私は思っています。90台でプレーできる方なら十分マッスルバックの良さを感じてもらえるはずです。昔と違ってシャフトも自分に合わせて選べるようになってきていますしね。

最新のマッスルバックの中には、バックフェースを見ないとマッスルバックと思えないような、打点を外れても飛距離ロスが少なく、曲がりも少ないモデルも結構あります。もちろんそれに連動して操作性の方も穏やかになっていますが、それでも十分すぎるほど。是非自分には無理だと決めつけずに試打してみてはいかがでしょうか。

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