プロV1といえばツアーで高い使用率を誇るツアーボールの代名詞的存在。現モデルでなんと10代目を数えるが、10代目にしてついに黄色のカラーボールがラインナップに加わった。「V1が黄色!?」と話題になったが、果たしてその性能はどうなのか。ゴルフトレンドウォッチャー・児山和弘が注目した。

2000年の初代からずっと「白」しかなかった

今年の2月に新しいタイトリスト『プロ V1/V1x』が発売された。

2000年に衝撃的なデビューを果たし、それまで糸巻きバラタボール主流だった海外のトップ選手たちが、こぞってウレタンカバーのソリッドボールにスイッチしたきっかけになったボールだ。今年発売されるモデルでかれこれ10代目になるが、変わることなく圧倒的なプロ使用率を維持している。

10代目の『プロ V1/V1x』で特筆されるのは、イエローのカラーボールがラインナップに加わったこと(※イエローは3月16日発売)。他社ではツアー系ボールにもカラーバリエーションがあったのだが、『プロ V1』は2000年の初代モデルからずっとホワイトのみだった。

画像: 今年販売された10代目『プロ V1/V1x』。イエローのカラーボールもラインナップに加わった

今年販売された10代目『プロ V1/V1x』。イエローのカラーボールもラインナップに加わった

これは『プロ V1』が用いる製法では、これまでカラーボールが難しかったためだ。『プロ V1』は、TSU(熱硬化性注型ウレタン)といって、液体状のウレタン素材に熱を加えて硬化する製法で作られている。この製法だと、カバーを薄くつくることが出来る反面、カラーボールは技術・コスト面の問題から、なかなか市販まで至らなかったようだ。

同じ製法を採用しているテーラーメイドでは、昨年に『TP5/TP5x』で一足早くイエローのカラーボールを発売している。王者、『プロ V1』も今年のモデルチェンジに際して、満を持してカラーに参入といったところだろう。

一方、ブリヂストンやダンロップが採用しているのは、TPU(熱可塑性ウレタン)といって、高温に溶かしたウレタン樹脂を金型に射出して加圧、冷却して硬化する製法。このタイプは以前からカラーボールがある。色の種類もイエローだけでなく、オレンジやパールカラーなどのバリエーションが存在する。

巷では、キャストウレタンとも呼ばれているTSUのほうが優れているという話もあるが、現在はTPUでも同等の極薄ウレタンカバーを作ることが出来るので、大きな性能差はないといっていい。それよりも設計の部分、いわばボール製造のレシピの部分のほうがより重要だ。

それによって生まれた性能が、プロ・上級者から大きな支持を得ているのが、『プロ V1/V1x』というわけだ。ゴルファーの中には、信仰に近いほどの絶対的『プロV1』愛好者も少なくない。読者の周りにもそんなゴルファーがいるのではないだろうか? それだけの信頼を長い年月をかけて培ってきたのが、『プロV1』というボールなのだ。

筆者も早速、イエローボールを入手して、実際のラウンドで試してみた。ホワイトを見慣れていたせいで、正直、少し違和感はあったが、『プロV1』らしいもっちりとした球持ちの良さとスピン性能は、イエローであっても健在だ。飛距離も申し分ない。もっとも性能差があっては販売には至らないだろうから、その性能は推して知るべしだ。

画像: バッバ・ワトソンも使用しているイエローのプロV1。非常に見つけやすいのもメリット

バッバ・ワトソンも使用しているイエローのプロV1。非常に見つけやすいのもメリット

見た目だけで言えば、『プロV1』=ホワイトの先入観が強すぎるのか、イエローのほうが“硬い”印象を受けた。この辺は個人差もあるだろうか。使っているうちに少し慣れてきた。結果が良ければ気にならないものだ。

現在、イエローの『プロV1x』をバッバ・ワトソンが使用している。2年前に韓国のボールメーカー、ボルビックと契約した際、ピンクのカラーボールを使いたかったとコメントしたワトソンらしい選択だ。『プロV1』にもいずれピンクが出るだろうか。

先日行われた米国シニアツアー「ホーグクラシック」では、カーク・トリプレットが『プロV1』イエローを使って優勝した。シニア層には視認性の高いイエローのほうが具合のいい人もいるのではないだろうか。これからプロがイエローボールを使うことも増えていきそうだ。

画像: 飛ばしの練習法「かかと上げドリル」ってなに?~小澤美奈瀬の飛距離アップレッスン~ youtu.be

飛ばしの練習法「かかと上げドリル」ってなに?~小澤美奈瀬の飛距離アップレッスン~

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