プロアマ問わずドライバーが好評のテーラーメイドの「M5」「M6」とキャロウェイの「エピックフラッシュ スター/サブゼロ」のフェアウェイウッド4モデルを、プロゴルファー・中村修とノリーこと堀口宜篤のギア好きプロ二人がまとめて試打! その性能をたしかめた。

ドライバーが人気のシリーズ、フェアウェイウッドは?

今回はドライバーが人気の「M5」「M6」、「エピックフラッシュ」のフェアウェイウッド(以下FW)をまとめて試打。試打したのはすべて5番ウッド。シャフトはそれぞれのモデルのメーカー純正シャフトで、Sフレックスを用いた。

画像: 試打クラブの詳細スペック

試打クラブの詳細スペック

ノリーがドライバーのヘッドスピードで45~47m/sくらい、中村がドライバーのヘッドスピード40~42m/sくらいのゴルファーをイメージして試打。ちなみにノリーはどちらかというと払い打つタイプ。中村は上から潰すように打つタイプだ。

画像: パワーヒッターでドローが持ち球のノリー(右)と、フェードヒッターの中村(左)がテスト

パワーヒッターでドローが持ち球のノリー(右)と、フェードヒッターの中村(左)がテスト

トッププロたちが飛びついた「M5/M6」のFWの実力は?

まずはテーラーメイドの2本から。

マスターズ優勝が記憶に新しいタイガー・ウッズはM5の3番をバッグに入れ、ロリー・マキロイやダスティン・ジョンソン、ジョン・ラームらはM5、ジェイソン・デイはM6のFWを使用。この選手たちのスイッチの早さがこの2モデルのFWの完成度を物語っていると中村は言う。

「FWって意外と変えない人が多いクラブです。その中でトッププロたちが、新しいモデルが出てすぐスイッチするっていうのは相当良い出来ということのはずです」(中村)

ツアープロに人気なのは、可変ウェートとネック調整機能を搭載したM5。65グラムもの大型ウェートのポジションを変えることで弾道調整が可能というモデルだ。

画像: M5 FW(5番、ロフト角19度)。可変ウェート、ネック調整機能搭載でカスタマイズ性が高い

M5 FW(5番、ロフト角19度)。可変ウェート、ネック調整機能搭載でカスタマイズ性が高い

M5(5番)を構えたノリーは「構えやすいですね。ボールを拾ってくれそうなイメージが見た目からあります」という。

ノリーの飛距離はキャリー235ヤード、トータル258ヤード。打ち出し角は10.3度。ヘッドスピード43.2m/sでボール初速64.1m/s。スピン量は3042rpmという結果だった。

「音がいいですね。すごく打ちやすいし、球も上がってくれます」(ノリー)

中村は「M5は前モデルよりもやさしくなっている」という。

「リーディングエッジが少し前に出ている感じがしますね。ロフトがしっかりあって、前モデル(M3)よりも明らかにやさしくなっていると思います」(中村)

中村が打つと、キャリー202ヤード、トータル216ヤード。打ち出し角は14.9度。ヘッドスピード39.3m/sに対し、ボール初速は57.9m/s。スピン量は4026rpmという結果だった。

「直進性が高いです。フェースの厚さもちょうどいい感じ。これは調整して打ってみたくなりますね」(中村)

続いて、M5の可変ウェートを調整して試打。最大までつかまる位置に変更し、ノリーが打つ。

ニュートラル位置で試打したときと同じ感じで打ったが、弾道はまったく違うものに(写真A参照)。

画像: (写真A)ノリーがM5をニュートラル位置で打った弾道(左)とドローポジションで打った弾道(右)

(写真A)ノリーがM5をニュートラル位置で打った弾道(左)とドローポジションで打った弾道(右)

ノリーの飛距離はキャリー232ヤード、トータル257ヤード。打ち出し角12.1度。ヘッドスピード43.4m/sに対しボール初速は64.4m/s。スピン量は3235rpmという結果だった。

「つかまりますね。65グラムが動くってやっぱりデカイです。完全に開いたなって感じの当たりでも右に行きません。今回は限界までつかまる調整で打ちましたが、ニュートラル位置から多少動かすくらいでちょうど良さそうですね」(ノリー)

一方のM6はカスタマイズ機能一切なしのモデル。ネックも接着だ。接着ネックのデメリットはもちろんシャフト交換やフェース向き、ライ・ロフト角の調整がやりにくいことだが、それらを犠牲にしたぶんだけ低重心で球が上がりやすく、つかまりやすくなっている。

画像: M6 FW(5番、ロフト角18度)。可変ウェート、ネック調整機能一切なしのモデル。つかまりやすく、軽量なぶん振りやすさもあるやさしいモデル

M6 FW(5番、ロフト角18度)。可変ウェート、ネック調整機能一切なしのモデル。つかまりやすく、軽量なぶん振りやすさもあるやさしいモデル

「見た目にも、M6のほうがつかまりやすそうですね」とノリー。M5と比べるとシャローで、ボールも上がりやすい見た目だ。

そのまま打つと、キャリー231ヤード、トータル248ヤード。打ち出し角は12.1度。ヘッドスピード42.6m/sに対しボール初速は63.4m/s。スピン量は3419rpmという結果だった。

「直進性はM5と同じく高いですが、M6のほうがより球が上がりやすいですね」(ノリー)

続いて中村が打つと、キャリー213ヤード、トータル231ヤード。打ち出し角12.3度。ヘッドスピード40.3m/sに対しボール初速は59.9m/s。スピン量は3523rpmという結果だった。

画像: 中村のM6の弾道

中村のM6の弾道

「打感が気持ち良い。こちらもやっぱりツイストフェースが効いていて、直進性が高いです」(中村)

画像: M6のフェース面。M5/M6 FWにはM3/M4ドライバーに搭載されていたツイストフェースが採用されている

M6のフェース面。M5/M6 FWにはM3/M4ドライバーに搭載されていたツイストフェースが採用されている

ではM5、M6、それぞれのオススメポイントはどこだろうか。

「M5はスウィングを変えずに弾道を変えられるので融通が効きます。自分の感覚に合わせて細かい調整をしたいゴルファーはこちらですね。ツアー選手にM5の使用者が多いのもそういう点でしょう。ある程度ヘッドスピードが必要になってくると思います。一方のM6に関しては本当にやさしいという印象。オートマチックにつかまえてくれますね。ネック調整機能や可変ウェートがない分、軽くて振りやすいのもプラスです。」(中村)

画像: 中村のM5、M6の試打結果

中村のM5、M6の試打結果

「M5/M6ドライバーを使っていてFWも気になるな~っていう人も多そうですが、選ぶ際はドライバーに合わせる必要はないと思います。たとえばM5ドライバー使ってるけど、FWは苦手だからやさしいM6で、といった選び方でいいと思いますね」(ノリー)

画像: ノリーのM5、M6、M5ドローセッティングの試打結果

ノリーのM5、M6、M5ドローセッティングの試打結果

「エピックフラッシュ スター」「サブゼロ」はどうなんだ

続いて打つキャロウェイ「エピックフラッシュ スター」と「エピックフラッシュ サブゼロ」はAIがデザインした「フラッシュフェース」で発表直後から話題となったシリーズ。ドライバーと同様FWにもフラッシュフェースを採用されている。

「スター」はソール後方にウェートを配することで重心を深めたモデル。そのため球を上げやすく、ネック調整機能がないぶん軽くて振りやすくなっている。

画像: エピックフラッシュ スター FW(5番、ロフト角18度)。ソール後方にウェートを配することで重心を深め、球を上げやすくしたモデル。ネック調整機能はついていない

エピックフラッシュ スター FW(5番、ロフト角18度)。ソール後方にウェートを配することで重心を深め、球を上げやすくしたモデル。ネック調整機能はついていない

スターを構えたノリーは「見た目から球が上がりそう」という印象を受けたようだ。中村も「構えた感じ、少しシャローに見えますね。球が勝手に上がってくれそうです。ワッグルするとシャフトの中間部分が少し緩くて、しなりをしっかり出してくれそうですね」とノリーに同意。

ノリーが打つと、キャリー232ヤード。トータル253ヤード。打ち出し角は10.3度。ヘッドスピード43.1m/sに対しボール初速は64.2m/s。スピン量は3292rpmという結果だった。

「シャフトもしっかり走ってくる感じがします。軽く振ってもフェースに合ってくる感じがするので打ってて楽ですね。直進性は高いけど、ちょっとつかまり感もあります」(堀口)

中村が打つとキャリー207ヤード、トータル222ヤード。打ち出し角は10.3度。ヘッドスピード39.2m/sに対しボール初速は58.9m/s。スピン量は3913rpmという結果だった。

「やっぱり球が上がって曲がりが少ない感じ。初速も出てます」(中村)

画像: 中村のエピックフラッシュ スターの弾道

中村のエピックフラッシュ スターの弾道

一方のサブゼロはソール後方とフェース寄りの2箇所にウェートを配したモデル。「スターと違ってフェース側にもウェートがあるぶん強い球が打てて、スピン量も少なそうです」と中村。

画像: エピックフラッシュ サブゼロ FW(5番、ロフト角18度)。ソール後方とフェース寄りの2箇所にウェートを配し、力強い球が打てるモデル。ネック調整機能も搭載されている

エピックフラッシュ サブゼロ FW(5番、ロフト角18度)。ソール後方とフェース寄りの2箇所にウェートを配し、力強い球が打てるモデル。ネック調整機能も搭載されている

フェース面のデザインもスターとサブゼロで異なっている。スターはフェース中央にデザインがありその部分には溝も入っていないが、サブゼロは溝がしっかり入っている。「打ち出しを高くして高さで止めるスターと、ドロー・フェードなど弾道コントロールができそうなサブゼロといった感じですね」と中村。

画像: スター(上)とサブゼロ(下)のフェース面。スターよりもしっかり溝が入っていて、コントロール性が高そう

スター(上)とサブゼロ(下)のフェース面。スターよりもしっかり溝が入っていて、コントロール性が高そう

軽く素振りをして、「サブゼロのほうがシャフトにしっかり感がありますね」というノリー。そのまま打つと、キャリー238ヤード、トータル255ヤード。打ち出し角は12.2度。ヘッドスピード43.5m/sに対しボール初速は64.8m/s。スピン量は3399rpmという結果だった。

「音がぜんぜん違う。こもった音で、球自体の強さが感じられますね。球筋もド真っすぐです。振り抜きたいならサブゼロ、球を拾ってくれるのはスターですかね」(ノリー)

画像: ノリーのエピックフラッシュ サブゼロの弾道

ノリーのエピックフラッシュ サブゼロの弾道

中村も「サブゼロは形状に締まりがあってちょっと重量感がありますね」という。

試打結果はキャリー209ヤード、トータル227ヤード。打ち出し角は12.3度。ヘッドスピード39.2m/sに対しボール初速は59.4m/s。スピン量は3728rpmという結果だった。

「サブゼロのほうが打感が柔らかくて、球を押していってくれてる感じがしますね。しっかり目のシャフトも相まって、シャープに振れる印象です。ネック調整機能でつかまり度合いを多少変えられる点もいいですね」(中村)

スター、サブゼロのオススメポイントを打った二人に聞いてみた。

「スターはやさしく球を上げられるし、つかまりも重視したモデルです。サブゼロはウェートのぶんスターよりも球が強めで、FWにも距離を求めるゴルファーにオススメですね」(中村)

画像: 中村のエピックフラッシュスター、サブゼロの試打結果

中村のエピックフラッシュスター、サブゼロの試打結果

「僕がどちらか選ぶならサブゼロですかね。コントロールがしやすいのと、振りちぎっても左に行きにくいところがいいです。一方、スターはオートマチックに打てます。サラっと振っていくタイプならこちらかなと思います」(ノリー)

画像: ノリーのエピックフラッシュスター、サブゼロの試打結果

ノリーのエピックフラッシュスター、サブゼロの試打結果

ここまで4モデルをまとめて打ってきて、「改めてクラブの進化を感じました」と中村は言う。

「昔は5番でロフト角が17度くらいでしたが、今回打った4モデルのうち3つは18度、M5は19度と寝てきています。これって技術の進歩によって、ロフトを立てなくても高さ、そして飛距離が出せるようになっているからですよね。ロリー・マキロイはスプーンを使うと飛びすぎるのでバッグに入れているのは5番からだそうです。トッププロが飛びすぎると感じるくらい、最新FWの飛距離性能は進化しているんです」(中村)

Mシリーズは「ツイストフェース 」、エピックシリーズは「AIフェース」がそれぞれ搭載されているが、「より初速を求めるならばエピックの2モデル。方向性を重視するならばMの2モデル。最終的には、そんな風に選ぶのもアリですね」と中村。

ドライバーで使われていた技術がFWにも採用され、飛距離性能が上がった4モデル。ぜひ一度試打してみてはいかがだろうか。

協力/PGST

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