米国のテーラーメイドがニューモデルとしてヘッド体積200㏄台のミニドライバーを発売した。小さいヘッドのドライバーと聞くと難しそうな気もするが、ギアライター高梨祥明いわく、実はアマチュア向けなのだという。一体どういうことだろう?

コントロール性重視のプロ向け!? 実は最新ドライバーに対応できないアマ向けだった!

米国のテーラーメイドではドライバーのニューモデルとして、「オリジナルワン ミニドライバー」を発売している。ヘッド体積は275cc、クラブ長さも43.75インチ。460cc/45.75インチが今どきのスタンダードとすれば、確かにミニサイズである。小さいヘッドのドライバーと聞くと何だか難しそうだが、決してこれはプロや上級者向けのクラブではないという。

「テーラーメイドでは過去にも『SLDR』や『エアロバーナー』でミニドライバーを発売していますが、こうしたドライバーが定期的に企画される背景には、現状のドライバーの規格に苦手意識を持っているゴルファーが、ある一定の割合で存在している、ということがあるのです。そうした方々は決して大きなヘッドの優位性であるミスに対する寛容性や飛距離性能などが不必要だと言っているわけではなく、使いたいけどどうにもうまく扱えない、と悩んでいらっしゃるわけです。そこで、最新技術を使い、小さいけれど大型ヘッドのようなパフォーマンスを生み出すべく開発されているのが、テーラーメイドのミニドライバーなのです」(テーラーメイドゴルフ/商品企画スタッフ)

画像: 米国のテーラーメイドで発売された「オリジナルワン ミニドライバー」。ヘッド体積は275cc、クラブの長さも43.75とミニサイズのドライバーだ。(画像は米国テーラーメイドの公式twitterより)

米国のテーラーメイドで発売された「オリジナルワン ミニドライバー」。ヘッド体積は275cc、クラブの長さも43.75とミニサイズのドライバーだ。(画像は米国テーラーメイドの公式twitterより)

確かにオリジナルワン ミニドライバーのロフト設定は、11.5度と13.5度の2モデルで、プロ向けでないことは明白。ツイストフェース、カーボンと複数のメタル素材を使ったマルチマテリアル構造、ソールのスピードポケットなど、大人気のM5・M6と同じ最新テクノロジーが採用されており、本気度の高さがうかがい知れる。

ミニサイズモデルを自分向け?と考えられるかどうかが分水嶺。

さて、オリジナルワン ミニドライバーの日本での発売はないのだろうか? 現時点で日本のテーラーメイドゴルフに聞いても、詳細については口をつぐむばかりである。

ゴルファータイプとしては、日本は米国以上にフルサイズ(460cc)ではないドライバーの潜在需要が高いゴルフマーケットであると認識しているが、いかんせん米国以上に“小さいヘッドは難しい”という先入観も根付いてしまっているマーケットだ。

小さなヘッドのマッスルバックアイアンが発売されると「かっこいい!」と賞賛の声を集める割に、販売数量は常に頭打ち。マッスルバックは日本においては数量限定、カスタム限定が普通で、うっかりすると廃盤となってしまう危うい存在である(こういう話をしていると、以前、日本のミズノのカタログからマッスルバックが消えた時、米国ミズノがMP-33を企画し米国内での支持を拡大。それが元になって日本国内でも再びマッスルバックがラインナップされるようになったことを思い出す)。

ヘッドの慣性モーメントを基準にすれば、大きいほうが“やさしい”という判断は妥当である。あえて小さいヘッドのモデルをドライバーにしても、アイアンにしても、慣性モーメントの大きさ方面から見れば“難しい”ように見えてしまう。

しかし、それは実際にラージサイズモデルをうまいこと打ちこなせていれば、の話である。最新モデルを毎回買うが、結局なんとなく使い切れずに、また似たような新しいモデルに飛びついてしまう。筆者も含め、それを繰り返してきたのが平成という時代だったのではないだろうか。

画像: 昨年の日本シリーズJTカップに参戦した宮里優作は260㏄のミニドライバーを使用していた(撮影/岡沢裕行)

昨年の日本シリーズJTカップに参戦した宮里優作は260㏄のミニドライバーを使用していた(撮影/岡沢裕行)

令和になったから、というわけでもないが、もしかしたら“今どきのラージサイズは自分には合わないのかもしれない”と、そろそろ疑ってみてもいい時期なのではないかと思っている。

ラージに馴染めていない人向けの“ミニ”なのだ。昨シーズンの終わりに、宮里優作がブリヂストンのミニドライバー(プロト)でプレーしていたが、プロでもドライバーだけが巨大で長く、軽くなってしまった現状に「他のクラブと違いすぎる」と戸惑うことがあるのだ。練習量も少ない我々アマチュアゴルファーならば、なおさらだ。ドライバーだけ違うスイングなんてできる気がしない。

もう一度、書いておきたい。今や、通常のラージサイズに馴染めない人向けの“ミニ”である。そう考えれば、コンパクトモデルこそ自分向けモデルのような気がしてこないだろうか?

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画像: 飛ばしの練習法「かかと上げドリル」ってなに?~小澤美奈瀬の飛距離アップレッスン~ youtu.be

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