ドライバー？ アイアン？ それとも……憧れのプロの道具、アマチュアが真似ていいのは何？

一般男性が真似るべきは男子プロ？　それとも女子プロ？

SNSなどで流れてくるツアーのニュースを追いかけていると、○○プロがドライバーを替えた！　○○シャフトが大人気！と“チェンジ系”のネタが溢れていることに気づく。たしかに、上手い人たちがどんな道具を使っているか、気になってしまうところなのだが、一方で、上手い人たちと自分が同じ道具を使ってもよいのだろうか？　との疑問もわいてくる。

“チェンジ系”のネタが好きな人ほどおわかりだろうが、上手い人たちだから、みんなで同じクラブを使っているかといえば、そんなことはあり得ない。実際はその逆で、プロならば誰もが自分なりにアレンジした「自分用のクラブ」を使っている。身体能力もスウィングも、プレースタイルも何もかも違うのだから当然のことである。

しかし、我々は大活躍している選手がいれば、どんなクラブを使っているのかと、すぐに興味津々となってしまう。一度でもトーナメント会場に行き、生で男子プロの打球やスウィングスピードを目の当たりにすれば、自分との明らかな差を痛感し、彼らのクラブをそのまま真似ようとは思わないはずなのだが、映像や文字で流れてくる情報に日々晒されていると、何となく自分もそれを使えば同じように飛ぶのではないか、と思い込んでしまう。しかし、残念ながらそれはないのだ。

では、ヘッドスピード的に近い女子プロのクラブを見習えばいいのか？　それもないだろう。一般男性ならほとんどの女子プロよりも腕力が強いはず。効率のよいスウィングをする女子プロと、効率の悪いスウィングをする我々のヘッドスピードが同じであることがその証拠だろう。

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体力的なことを考えれば、一般男子は男子プロのスペックを真似るのが筋だと思われるが、基本的にはゴルフクラブ選びで、誰かの真似をしたっていいことはない。それは目の前にいる、スコア的にもどっこいのゴルフ仲間のクラブだって同じである。クラブの評価は自分自身が下す以外にない。自分が打ってみて結果がいいかどうか。それ以上に信じられるインプレッションはないはずである。

クラブは人を選ぶ。ボールは人を選ばない

では、プロの道具には真似られる要素は一つもないのかといえば、そんなことはない。ゴルフボールについては、大いに真似るべきだろう。何しろ、プロが使っているゴルフボールの種類は驚くほど少ないのだ。

タイトリスト（プロV1／プロV1x）、ブリヂストン（ツアーB　X／XS）、スリクソン（Zスター／ZスターXV）、テーラーメイド（TP5／TP5x）、キャロウェイ（クロムソフト／クロムソフトX）。

他にも数ブランドあるが、これでプロ使用球の95%以上は網羅できているはずである。プロ使用ドライバーを書き出そうと思ったら、いくら誌面があっても足りないが、ゴルフボールならわずか数行で書き出せてしまう。

男子もシニアも女子も。何万ものいいスコアを出すのが仕事のゴルファーが、このうちのどれかを使って“いいスコア”を出しているのだ。ゴルフボール選びに、ヘッドスピードなんて関係ないことがわかるだろう。

ゴルフクラブは人を選ぶが、ゴルフボールは人を選ばない。各ブランドとも必ず2種類のボールがあるから、最終的には“どちらが好きか？”と自分で判断する必要はある。それでもたった2種類。全メーカー合わせても10モデルだ。気軽に真似して、最後は自分の感覚で判断してほしい。