QTランク103位から今シーズンは推薦での出場ながらリランキング8位。パナソニックで5位タイ、中京テレビブリヂストンで3位タイと成長著しい稲見萌寧にプロゴルファー中村修が注目した。

「推薦」で得たチャンスを生かし、実力で出場権を勝ち取った

2018年のプロテストに合格したものの、QT(予選会)では103位と奮わずに今シーズンのレギュラーツアーの出場は推薦に頼るのみとなっていた稲見萌寧選手。

開幕までに何とか持ち前の武器であるショット立て直そうとコーチを渡り歩き、最終的には最新の動作解析機「ギアーズ」の使い手として有名な奥嶋誠昭コーチにたどり着き、コーチとの二人三脚でショットの立て直しに成功したといいます。

出場権こそありませんが、年間8試合だけは推薦で出場することができます。今週の「リゾートトラストレディス」で稲見選手は今シーズン7試合目。推薦出場の枠を序盤で使い切り、シーズン途中のリランキングで上位につけ、以降の出場権を勝ち取るという作戦です。

画像: 中京テレビ・ブリヂストンレディスで3位タイなど好成績を残している稲見萌寧

中京テレビ・ブリヂストンレディスで3位タイなど好成績を残している稲見萌寧

ここまでの6試合は予選落ちが2度あるものの、他は29位タイ、9位タイ、5位タイ、3位タイと見事なもの。賞金額はすでに1000万円を超え、リランキングでは8位につけています。

「私はショットが武器なのですが、QTのときはショットが悪すぎてダメでした。それが少し戻ってきたことで成績に結びついてると思います」(稲見)

「少し戻ってきた」ということは、まだ先があるという意思の表れでしょう。コメントからも、ポテンシャルの高さを感じます。

さて、そのスウィングを分析してみましょう。画像Aを見ると、テークバックの早い段階でクラブを立てる動きが入り、トップでは肩のラインもしっかりとターンしています。タイプ的にはコンパクトなトップから大きく振り抜くスウィングです。

画像: 画像A:テークバックでは早い段階でクラブを立てる動きが入り、コンパクトなトップ。

画像A:テークバックでは早い段階でクラブを立てる動きが入り、コンパクトなトップ。

特筆すべきはハンドファーストでしっかりと力の加わるインパクトです。画像Bの左の写真を見ると、ビハインドザボールを守った頭の位置、手元が少し先行したハンドファーストな形などお手本通り。左肩と腕の作る角度もくっつき過ぎることがなく、しっかりとボールに力を加えられています。

画像: インパクトは手先が少し先行したハンドファーストでしっかりと力が加わるスウィング

インパクトは手先が少し先行したハンドファーストでしっかりと力が加わるスウィング

そして、インパクトで合わせずに体の左サイドへと振り抜く大きなフォローもいい。試合でも縮こまらずに思い切りよく振れるスウィングが見られます。このスウィングをどう作り上げたのか。奥嶋コーチに話を聞いてみました。

「もともとドローヒッターでしたが、少しスウィングが崩れていたので持ち球をフェードに変えました。ショットは改善してきたこともありますが、推薦だけでリランキング上位に来るのは、しっかりと目標設定していたからでしょう」(奥嶋)

キチンと目標を立て、それに向かって努力する。それができる選手のようです。

「推薦で8試合出られるうちの今週で7試合目です。始めのうちはリランキングで後半も出られることを目標にしていましたが、途中から前半戦で1000万は越えたいと思うようになり、越えられので、ここまできたらシード権を目標にして頑張りたいですね」(稲見)

と、その目標もどんどん高まっているようです。もちろん、初優勝だって視野に入っているでしょう。

「成績が上位のときに最終日の後半に崩れることが多かったのですが、考え方やマネジメント、練習ラウンドの仕方を教わりながらやってきたら、結果が出るようになってきました」(稲見)

と言います。ツアーを戦いながら、どんどんプロのゴルフを覚え、強くなっていっている過程のようです。

第1回のリランキングは6月最終週の「アースモンダミンカップ」終了後ですが、すでに安全圏にいる稲見選手は、その後からは実力で勝ち取った出場権で戦うことになります。

シード権と初優勝を目指すため、アプローチとパットの精度を上げて行きたいと話す伸び盛りの19歳。勝みなみ、河本結、渋野日向子ら今年勝利を挙げている黄金世代よりさらにひとつ年下の世代から、また一人目が離せない選手が出てきました。

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