今週開催される「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」の会場に腰痛のため国内開幕戦から欠場が続いていた石川遼が姿を現し、高校の後輩でもある中里光之介と練習ラウンドを行った。その模様をプロゴルファー・中村修が取材していると……“アプローチ教室”がはじまった!?

「深いラフからはフェースを開いてインサイドアウトで打つんだよ」(石川)

国内男子ツアー6戦目にして、ようやく石川遼選手の姿を見ることができました。

まずは気になる体調面ですが、ドライバーもよく振れていますし、大丈夫そうです。この日の宍戸ヒルズは気温が29度あったこともあり、キレのいい動きを見せていました。ツアー選手権のセッティングはラフも深いので、無理はしてほしくありませんが、戦える状態になったからこそ戻って来ているといった様子でした。

画像: 石川は、高校の後輩でもある中里光之介からのお願いで練習ラウンドを共にした

石川は、高校の後輩でもある中里光之介からのお願いで練習ラウンドを共にした

この練習ラウンドは、今週石川選手が復帰することを聞いた杉並学院高校の1学年後輩にあたる中里光之介選手がお願いして実現したそうです。9ホールの予定でインコースからスタート。14番のグリーンで追いついて見ていると、深いラフからのアプローチで、中里選手はボールの下をくぐってしまい、うまく距離感が合わない様子。

すると、その様子を見ていた石川選手による「アプローチ教室」が始まりました。

画像: 深いラフからのアプローチを中里に指導する石川遼

深いラフからのアプローチを中里に指導する石川遼

「先輩~!こういう深いラフからはどうやって打っているんですか?」

という質問に、石川選手が答えます。

「光之介はカットに振っているから、入射角が鋭角になってボールがフェースに乗らずに、下をくぐって飛ばせない状態になってる。もう少しボールを右に置いて、フェースを開いてインサイドアウトの軌道で打つんだよ」

そういって石川がクラブが一閃させると、深いラフからフワッとやわらかく飛び出したボールがソフトにグリーンに落ちそろりと止まりました。うーん、上手い。

画像: 深いラフからアプローチした石川のボールはフワリと浮かんでグリーンに落ち、そろりと止まった

深いラフからアプローチした石川のボールはフワリと浮かんでグリーンに落ち、そろりと止まった

「ティアップしたボールをフェースを開いてドローで打つ練習をするんだよ。深いラフに浮いてるのと同じ状況だから。そうするとボールの下を抜けないから芯に当たるし距離感も合う」と、打って見せるだけでなく、練習法まで教えていた石川選手。

画像: ティアップしたボールをフェースを開いてドローで打つ練習を実際に見せる石川

ティアップしたボールをフェースを開いてドローで打つ練習を実際に見せる石川

これには中里選手も感激した様子で、「本当にうまい。勉強になる~。カット目で打っていたからこのドローイメージはなかったですね。やってみると難しいです」とコメント。

「距離のあるバンカーもインサイドアウトでドローを打つイメージだよ」(石川)

16番パー5のグリーン周りのバンカーショットでは、「バンカー教室」が開催されました。

「先輩~! バンカーからも同じように打ってるんですか?」と中里選手。中里選手、なかなかの質問上手ですね。“石川先生”はもちろん、出し惜しみせずに教えます。

「距離の遠いバンカーの場合はそうしてるよ。カット軌道で強く打つとかえって飛ばないことあるから。練習ではインサイドアウトでドローを打つイメージで打ってるよ」(石川)

画像: 石川はバンカーもインサイドアウトでドローを打つイメージという

石川はバンカーもインサイドアウトでドローを打つイメージという

バンカーからインサイドアウトで、ドローを打つイメージ! この教えには中里選手も目からウロコの衝撃を受けたようで、ホールアウト後はそのまま練習場に移動して徹底的に練習を繰り返しました。その間石川選手は横でショット練習をしながら、ときおり打ち方をレクチャー。

クラブを寝かせてインサイドからクラブを入れ、インパクトにかけてクラブが立つように振ること、クラブにかかるトルクを使うことで効率よくボールをつかまえる振り方を丁寧に伝えていました。石川選手のアプローチの引き出しの多さを改めて感じましたし、後輩への面倒見の良さも感じました。

その後アプローチ練習に移動し、パット練習で仕上げてコースを後にした石川選手。水曜日はプロアマで18ホールをプレーし、その翌日には久しぶりの試合に臨む予定です。

フェアウェイが狭くラフは深くグリーンは速いツアー選手権のセッティングではドライバーのフェアウェイキープが重要となりそうです。どんなゴルフを見せてくれるのか楽しみです。そして、“教え子”である中里選手にも注目したいと思います。

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