女性記者が実際に女子プロたちに指を握ってもらってグリップ圧をたしかめる企画、前回のショット編では鈴木愛を筆頭に、意外なほど“しっかり”クラブを握っていることがわかった。ではパットの場合は? これまた実際に握ってもらうと、ショット編とは異なる調査結果に!

渋野日向子と小祝さくらはしっかり派。松田鈴英はソフト派。鈴木愛は!?

「結構握っているほうだと思います。(ショットのときより)少しやさしいけど、生卵が若干潰れちゃうかなくらい(笑)」

そう話してくれたのは渋野日向子。ショットのときは「切り返しで生卵が潰れる」と握り具合を表現してくれたが、実際に握ってもらうとショットとパットで握りの強さに大きな違いはなかった。

同じくショットのときはしっかり握る派と回答してくれた小祝さくらも「(パットも)ゆるく握らないので、生卵は潰れると思います」と、パターでもしっかり握ると教えてくれた。ショットとパットに握りの強さを変えないのは、「同じにしたほうフィーリング的にいいから」だという。

画像: 小祝のグリップの形は逆オーバーラッピング。ショットとパットは同じ握り加減の方がフィーリングがいいという(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

小祝のグリップの形は逆オーバーラッピング。ショットとパットは同じ握り加減の方がフィーリングがいいという(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

ちなみに、小祝はショットのときは左右半々の強さで握るということだったが、パット時は左右の力加減が異なり、6:4で右手をしっかり握るという。実際に右手と左手どちらも握ってもらったが、たしかに右手のほうがしっかり握っていることを感じられた。

画像: パットの握り加減は右手のほうが少し強めだという小祝。たしかに右手のが強い感じだ(撮影/矢田部裕)

パットの握り加減は右手のほうが少し強めだという小祝。たしかに右手のが強い感じだ(撮影/矢田部裕)

渋野、小祝と異なり、ショットでしっかり握らず、非常にソフトに握っていた飛ばし屋・松田鈴英は、パターもやはり同じようにソフトに握るという。ただ、小祝同様左右の握り加減は違うようだ。

「ショットもパットも(握り加減は)一緒ですね。基本左手重視で右手に力入れないのはパットも同じです。パットは8:2くらいで左が強いです」(松田鈴英)

画像: パットでは8:2で左手を強く握るという松田。クローグリップを採用していることもあるのかも(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

パットでは8:2で左手を強く握るという松田。クローグリップを採用していることもあるのかも(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

実際に握ってもらった感覚でも、パットとショットの力加減の違いが分からないほどの絶妙な握り加減だった。

ここまでの3選手はショットとパットで大きな変化がなかった。しかし、ショットとパットの握り加減に大きく違いがあったのが、パットの名手として知られる鈴木愛だ。

「ショットより弱めで握っています。ショットでは潰れますけど、パットでは生卵が潰れるか潰れないくらい。ショートパットもロングパットも握りの強さは変わらないです」(鈴木愛)

カツンっという強めのタッチが武器の鈴木が、ショットより弱めのグリップ圧というのはちょっと驚き。実際に握ってもらった印象も、ショットのときは「こんなにしっかり握るんだ!」という印象だったが、パットは一転、とにかく驚くほどやさしい。本当にクラブを支えているという感じだ。

画像: パットの名手でも知られる鈴木愛。ショットはグリップを全体でしっかり握る印象だったが、パットはその逆で優しく包み込んでいるかのようだった。(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

パットの名手でも知られる鈴木愛。ショットはグリップを全体でしっかり握る印象だったが、パットはその逆で優しく包み込んでいるかのようだった。(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

やさしい、とはいえ、決してゆるいというわけではない。クラブを支えている、クラブに仕事をさせているといったほうが伝わるだろうか。自分がプレーするときに、気がつくとグリップをギューッ!と握り締めているのとは大違いで、これならヘッドがスムーズに動くはず。だからこそプレッシャーにも負けない、再現性の高いパッティングが打てるのも納得だ。

パットに型なしというが、選手によって握り加減も大違いなことがわかった。どれが正解というのはないようなので、みなさんも、試しに力加減を強くしたり弱めたり、いろいろ試してみてはどうだろうか。

取材大会/アース・モンダミンカップ

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