悪天候のため初日が中止となり、最終日に全選手が36ホールをプレーした今年の日本プロ。12年ぶりとなったその状況を制したのは、12年前に勝ったのと同じ選手だった。12年前のあの日、今年の昨日、そのどちらもでシャッターを切ったカメラマン・姉崎正が現地レポート。

12年前、15歳の少年は18ホールを終えてカツカレーを注文した

全選手が、丸々決勝ラウンド36ホールを1日で行うのは12年前、“15歳の少年”が優勝したとき以来でした。12年前のあの日も快晴で、最初のラウンドが終わった段階では「宮里優作の初優勝かな?」と考えていました。

ツアー初出場の15歳のアマチュアがスコアを伸ばしていることは、情報としてとらえただけで、大して気にも留めていません。なにしろ彼はアウトのトップスタートのアマチュア。優勝など到底想定できない状況です。

画像: 12年前の「マンシングウェアカップKSBカップ」。石川遼がこの試合を15歳で制してから、12年の月日が流れた

12年前の「マンシングウェアカップKSBカップ」。石川遼がこの試合を15歳で制してから、12年の月日が流れた

2007年5月のその日、早いランチを取ろうとレストランで食事をしていると、18ホール終えた"15歳のアマチュア"が「カツカレーお願いします」とオーダーする声が聞こえたときも、ああ、もうトップスタートの組は最初のラウンドが終わったんだなぁ、と呑気に考えるだけでした。

しかし、この日27ホールを終え、彼の勢いは増すばかりです。風雲急を告げ出しました。大急ぎで13番ホールで追い付き、それからベタ付きです。

そして、運命の17番ホール。左バンカーからのチップイン。ただの”15歳のアマチュア”という認識は、この瞬間から永遠に変わりました。少年の名は石川遼。スター誕生の瞬間です。

画像: 12年前も今年も、運命の別れ道は17番ホール。最終ラウンドで首位に並ぶことになる17番ホールで、2日目石川は池に入れてボギー

12年前も今年も、運命の別れ道は17番ホール。最終ラウンドで首位に並ぶことになる17番ホールで、2日目石川は池に入れてボギー

あれから12年。2019年7月の九州を襲った豪雨は本戦直前まで降り続き、鹿児島全土にまで及ぶ避難勧告が発令され、ゴルフの試合どころではない位の状況でした。私自身、鹿児島空港まで着いたけれど、予定していた水曜の指宿入りを諦めたほどです。がけ崩れのニュースも流れています。

そして木曜日の初日を延期して、初日を金曜とし、決勝ラウンドが1日36ホール行うという流れができました。最終日は1日2ラウンドで組み替えなし。誰が勝つのかスタート順で判断できないのは、12年前と同じです。

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