飛ばし屋のイメージの強い原英莉花だが、パーオン率も72.03%と、アイアンの切れ味も見事なものがある。果たしてアイアンにはどのようなこだわりがあるのか? 契約先のミズノのニューアイアンのテスト現場で話を聞いた。

かつてはミズノのマッスルバックがお気に入り。現在はミズノプロ918を愛用中

みんなのゴルフダイジェスト編集部(以下、編集部):新しいアイアンをテストされていましたが、どのようなクラブですか?

原英莉花(以下、原):やさしくて、打感が良くて、なによりも抜けがよかったですね。大きいヘッドだと抜けが悪く、刺さるイメージがあると思うんですけど、全然刺さらない。ソールの削りが最高です。

画像: アイアンについて、単独インタビューに答えてくれた原英莉花

アイアンについて、単独インタビューに答えてくれた原英莉花

編集部:ソールの削りっていうのは打つとわかるもの?

原:一球打てばわかります。ソールが突っかかるとダフリにつながりますし、ダフりたくないから潰していこうと思って打つと、トップが出たりミスにつながるんです。ソールが抜ければ、しっかり当たると思えるから振っていきやすいですし、安心感があるから、ミスを恐れずに振れるんです。あと、音もいいですね。

編集部:どんな音ですか?

画像: この日テストしていたニューアイアン。バックフェースにはミズノプロの文字が見える。ミズノプロ918を愛用する原がテストしていたことから、その後継機と予想される

この日テストしていたニューアイアン。バックフェースにはミズノプロの文字が見える。ミズノプロ918を愛用する原がテストしていたことから、その後継機と予想される

原:うーん……ムッチャッ! っていう感じの音(笑)。私はもともとミズノの打感が好きで、MP55とかMP15っていう小さくて難しいクラブを使っていたんですけど、こういう大型のアイアンなのに、しっかりとしたミズノアイアンの打感になっています。

「80点、90点をつねに打てるアイアンにした」

編集部:そもそも、なんでマッスルバックから、今使っているような、そして今回テストしたような大型キャビティに変えたんですか?

原:去年から(ツアーに本格参戦して)連戦が続くので、ミスの少ないやさしいクラブに変えました。ずっと戦っていると、体的にもオフシーズン明けとは違う体になってきますし、キレも出なくなってきます。クラブが味方……サポートしてくれるほうがいいかなって。もともと顔が小さいのが好きなんですけど、今は結果重視です。自分が完璧じゃないと(100点のショットが)再現できないよりも、80点、90点を常に打てるアイアンにしました。

編集部:うーん、なるほど、ツアープロらしい意見ですね。

原:成長した(笑)?

画像: 原のエースアイアン「ミズノプロ918」(左)とニューモデルアイアン(右)。形状は似ているが、ニューモデルはキャビティ部分が大きくえぐられ、さらにやさしく見える

原のエースアイアン「ミズノプロ918」(左)とニューモデルアイアン(右)。形状は似ているが、ニューモデルはキャビティ部分が大きくえぐられ、さらにやさしく見える

編集部:ミズノプロ918はマッスルバックに比べたら1番手くらい飛ぶと思いますけど、アイアンも多少は飛んだほうがいい?

原:飛距離……もそうなんですけど、高弾道ってのが魅力的かなって思います。あんまり飛びすぎちゃっても下(の番手)がなくなってきちゃったり。でも、オフシーズンは飛距離を伸ばそうとして取り組みます。

9番でドローなら135ヤード、フェードなら130ヤードが基準

編集部:僕らアマチュアはよく7番で150ヤードを基準にするんですが、プロの場合、何番で何ヤードという基準はありますか?

原:9番で130……135ヤード! ドロー、フェードでも異なってきます。ドローのほうが5ヤードくらいかな、飛びます。9番ならフェードで130、ドローで135。それが基準ですね。

編集部:プロは4番からアイアンを入れてますけど、4番でも打ち分ける?

原:4番アイアンは大きめのタイプにしてから精度も上がりましたし、グリーンで止まるようになったんです。4番で普通に打っていくとつかまらない系のフェードになるんですけど、つかまるとストレートドローみたいになるんです。

編集部:ということは、4番からPWまでの7本かける2で、5ヤード刻みに14通りの距離を打ち分けてるわけですね。すごい。

原:そうですね……って、そんな完璧じゃないっすよ(笑)!

画像: このニューモデルはまだ未発表。原のテストの結果は上々で、発表が待たれる

このニューモデルはまだ未発表。原のテストの結果は上々で、発表が待たれる

アマチュア時代にマッスルバックを使用していた原。それをミズノプロ918に持ち替えたことが、ゴルフをプロ仕様に変化させるひとつの要因となったようだ。見るものをすべてに息を呑ませる糸を引くような高弾道を連発したニューモデルを手に、さらなる活躍が期待できそうだ。

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