夏本番を前に、各ブランドからニューモデルのドライバーが登場した。すでにショップでスマッシュヒットとなっているタイトリストの「TS1」、そしてこれまた人気のピン「G410」シリーズからスピンの少ない「G410 LST」、さらには発表されたばかりの本間ゴルフ「XP-1」の3モデルをプロゴルファー・中村修がコースで試打、性能を比較してみた。

ミート率を上げて飛ばせる本間ゴルフの「XP-1」

まずは本間ゴルフの「ツアーワールドXP-1」から見てみよう。ホンマのTW747で培われた技術を進化させ、アマチュア向けのやさしいモデルとして生まれたドライバーだ。

画像: ホンマが送り出すアマチュア向けドライバー「XP-1」(10.5度)

ホンマが送り出すアマチュア向けドライバー「XP-1」(10.5度)

最大の特徴は純正シャフトのVIZARD43だ。45.25インチ、42.5グラムと短尺・軽量設計。異なるカーボン素材を複合することで軽いのにブレず、速く振れるシャフトとなっている。

このシャフトとドローバイアスの強いヘッドが組み合わさることで、やさしくつかまえて飛ばせるクラブができたというわけだ。今回の試打ではロフト10.5度のヘッド、シャフトはVIZARD43のSフレックスを用い、フライトスコープで計測を行った。では、中村の試打結果を見てみよう。

画像: プロゴルファー・中村修が試打し、弾道測定器フライトスコープで計測した

プロゴルファー・中村修が試打し、弾道測定器フライトスコープで計測した

キャリーは245.3ヤードで、トータル272.9ヤード。打ち出し角は13.4度。ヘッドスピード46.4m/sに対し、ボール初速は65.5m/s。スピン量3087rpmという結果となった。

「(弾道は)ド真っすぐ。スピン量が少し多めでしたけど、ランを含めて272.9ヤード出てますね。打感は非常に柔らかいし、ボールをつかまえてくれます。弾道も高めで、やさしいクラブです。思ったよりもヘッドスピードを上げてくれる感じが強くて、ヘッドスピードが勝手に上がるクラブです」(中村)

中村が同じ力加減で振った結果、もっともヘッドスピードが出たのがやや短めのXP-1という意外な結果に。短い分、振りやすさがアップしたということか。

画像: XP-1の弾道

XP-1の弾道

続いてはこの夏のヒットドライバーとなっているTS1。タイトリストのTSシリーズに加わったドライバーで、奇しくもXP-1と同じく軽さ、振りやすさにフォーカスを当てたモデルだが、総重量は275グラム(シャフトがDiamana50、Sフレックスの場合)と、XP-1よりさらに軽量。それでいて、シャープに振り切れることで人気のドライバーだ。

画像: タイトリスト「TS1」(10.5度)。総重量が300グラムを大きく下回っていることで、振り抜きやすい

タイトリスト「TS1」(10.5度)。総重量が300グラムを大きく下回っていることで、振り抜きやすい

今回はロフト10.5度のヘッドにディアマナ50のSフレックスシャフトを挿して試打。結果は、キャリー248.5ヤード、トータル275.6ヤード。打ち出し角18.9度。ヘッドスピード45.1m/sに対し、ボール初速は64.9m/s。スピン量2723rpm。今回試打した中で、もっともキャリーが出た。

「なにより弾道が高かったですね。ヘッドがボールの下から入って球をしっかり上げてくれたのかなという感じです。つかまり度合いに関してはXP-1のほうが強いと感じました。ただ、どちらのドライバーも、軽くて振りやすいのはいいですね」

一昔前は軽いドライバーはシャフトが頼りなかったり、極端にフックフェースだったりしたものだが、XP-1、TS1ともに形状もシャープで、軽量ながら振り切れる性能となっていて“新ジャンル”感のあるクラブと言えそう。

画像: TS1の弾道

TS1の弾道

最後はG410LST。G410プラス、G410SFTに続く3本目の兄弟モデルで、スピン量を抑えることを目指した設計となっている。前作のG400シリーズにもLSTがラインナップされていたので、待ち望んでいたゴルファーも数多くいることだろう。

画像: ピン「G410LST」(10.5度)。スピン量が少なめのモデル

ピン「G410LST」(10.5度)。スピン量が少なめのモデル

「G410プラスと比較すると、ヘッド体積がプラスでは455ccだったのが、LSTでは450ccになっています。その分コンパクトになって構えた印象も違いますね。単純に重心位置を変えてスピン量を減らしました、というわけではなさそうです」

10.5度のヘッドに、アルタ J CB REDのSフレックスシャフトを挿して試打。結果は、キャリー244.4ヤード、トータル280.3ヤード。打ち出し角17.1度。ヘッドスピード43.6m/sに対し、ボール初速は64.8m/s。スピン量2498rpmとなった。

画像: G410LSTの弾道

G410LSTの弾道

「やはり低スピンモデルだけあって、今回の3モデルの中で一番スピン量が抑えられていますね。こちらも高弾道で、打感は弾き感が強かったです。トータル280.3ヤードも飛ばしてくれました。ランで稼ぎましたね」

と、やはりさすがはプロ仕様モデルだけあって、プロゴルファーの中村にとっては飛距離を稼ぎやすかったようだ。

試打を終えて、中村は3モデルをそれぞれこう評価した。

「XP-1はシャフトでヘッドスピードとつかまりを出して、ヘッドもつかまりやすいドローバイアス。ホンマのシャフト・ヘッド一体設計が活かされた、つかまえて飛ばせるクラブです。TS1は軽量設計で振り抜けて、高さも出るから、キャリーを伸ばすことができました。G410LSTは、ヘッド、シャフト的にもどちらかといえばハードヒッター向けのモデル。スピン量が多くなりすぎる方にマッチする性能ですね」

昨今はプロも飛んで曲がらない、やさしいクラブを使う時代。アマチュアならなおさらだ。タイトリストのTS1に続いて、アスリート向けのイメージが強かった本間ゴルフも“やさしく飛ばせるドライバー”XP-1を発表したことで、「飛んでやさしいクラブ」を求める流れはまだまだ途切れなさそう。

打ち手が変われば結果も変わる。すべて非常に高い飛びのポテンシャルを秘めたこの3モデル、自分が一番飛ばせるのはどれか、ぜひたしかめていただきたい。

協力/太平洋クラブ成田コース

画像: XP-1、TS1、G410LSTをコースで試打! 【フライトスコープ計測】 www.youtube.com

XP-1、TS1、G410LSTをコースで試打! 【フライトスコープ計測】

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