PRGRの新しいeggシリーズが発表となった。重心角37度(数字が大きいほど一般につかまりが良くなる)という驚異的な数字と大慣性モーメントがウリのドライバー「egg・ゴーゴー」もインパクト十分だが、注目したのはアイアン。その驚きのスペックと、初代eggからの進化を考えた。

12年の間に「飛び系アイアン」のロフトはさらに1番手分立った

プロギアのeggシリーズは、そもそもアイアンからスタートしている。2007年、ユーティリティウッドのクラウンを取り去ったような異形の形状の初代eggアイアンは大きな話題となり「9番アイアンで150ヤード飛んだよ!」といった声がゴルフ場では聞かれた。当時、飛び系アイアンというカテゴリはさほど大きくはなく、その最先端にeggは存在していた。

状況が変化したのは2014年発売のヤマハ「RMX UD+2」の登場だろう。「プラス2番手の飛び」というキャッチコピーとともにヒットモデルとなったこのアイアンは、インプレスUD+2とブランドを移り、モデルを重ねる中で、飛び系アイアンというジャンルを強固に築き上げた。

話は戻って令和元年8月、元祖飛び系アイアンのeggのニューモデルが発表された。その資料には、こんな言葉が載っている。

「プラス、3番手の飛び」

7番アイアンのロフトは25度。インプレスUD+2よりもさらに1度ストロングロフトで、長さもカーボンで38.25インチと長い。スペックからは、とにかく飛ばせるアイアンにしたぞという気概が伝わってくる。

画像: 7番アイアンのロフトは25度、シャフトもカーボンで38.25インチと長い。

7番アイアンのロフトは25度、シャフトもカーボンで38.25インチと長い。

2007年発売の初代eggの7番のロフトは29度で、当時「ものすごく飛ぶ! なんじゃこりゃ!」と誰もが感じた初代から、12年の時を経て、さらに1番手分ロフトが立ったことになる。当時のeggアイアンはたしかに当時のオーソドックスなアイアンに比べて2番手くらい飛ぶ印象を受けたので、そこからさらに1番手ロフトが立ったのならば、3番手飛ぶというのも「なるほど」と思える。

しかも、12年前のようなユーティリティのクラウンをなくしたような形状ではなく、「アイアンの形」をしている。素材や製法の進化により、「飛ぶだけ」から「見た目は普通っぽくて、飛んで、球も上がる」というところにクラブは進化していることがわかる。たとえば、同じロフトのプロモデル(の5番アイアン)と比べれば、アマチュアにとっての打ちやすさの違いは明らかだからだ。

面白いのは、6番までのラインナップであるeggアイアンのロングアイアン部分を補うためのユーティリティアイアン「egg i +」の存在だ。あくまでもユーティリティなのでソールの幅が広いこのモデルには、4UT、5UT、6UTの3モデルがラインナップされているのだが、このうち6UTのロフトは25度で、eggアイアンの7番と同じロフト設定となっている(長さは0.75インチ長い)。

6UTと7Iのロフトが同じ。ストロングロフト化が極限まで進んだことで、eggの7番アイアンはもはや“ほぼユーティリティ”というところにまできている。

画像: ユーティリティアイアン「eggⅰ+」

ユーティリティアイアン「eggⅰ+」

飛び系アイアンが世に出ると7番で180ヤード飛んだ! といったようなことがよく言われるが、アマチュアのゴルフにおいてそういった距離はユーティリティで狙う距離。ロングレンジからeggアイアンでグリーンの近くに寄せ、そこからはシャープな形状のウェッジでピンを狙っていく。そのような従来のユーティリティ的な使い方をされることもeggアイアンは多くあるに違いない。

eggアイアンはもちろん飛ぶアイアンだが、同時に、短いのに飛ばせるユーティリティ的クラブという見方もできる。同じ25度のプロモデルの5番、あるいは激飛び系ではない“普通の飛び系”の6番、そしてeggの7番は、見た目も、弾道もそれぞれ異なるはずだ。どれを選ぶのが正解かも、ゴルファーそれぞれによって異なるのが自然だ。

番手の数字がなんであれ、ドライバーが仮に10度からサンドウェッジが仮に58度ならば、その間の48度のギャップを11本のクラブで埋め、飛距離を打ち分けることに変わりはない。番手の数字ではなく、ロフト(と長さ+α)でクラブを選ぶ時代に、本格的に突入していくのかもしれない。

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