スロープレーがゴルフ界の議題になって久しい。2019年のルール改定もプレーファーストを実現するのが主な目的だったが、とくにPGAツアーでは問題解消の気配すらない。そんな現状に世界ランク1位のブルックス・ケプカと3位のローリー・マキロイが物申した!

PGAツアーはスロープレーのガイドラインを明確化

プレーオフシリーズ初戦ノーザン・トラストの記者会見でケプカは「(スロープレーのプレーヤーを)特定してペナルティを科すべき」と明言した。

全英オープン最終日にケプカはスロープレーで知られるJ.B.ホームズと同組で回り、口には出さなかったが腕時計を指差し「どうにかしてよ」のポーズで同伴プレーヤーの“遅さ”を表現。結局今年のメジャーワースト(!?)の4位タイに終わった。

画像: 「(スロープレーのプレーヤーを)特定してペナルティを科すべき」と明言したケプカ(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

「(スロープレーのプレーヤーを)特定してペナルティを科すべき」と明言したケプカ(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

ケプカとともにプレーが早い選手のひとりであるローリー・マキロイも一向に具体策を示さないツアーに痺れを切らし「ペナルティのガイドラインをより早く、より頻繁に実践すべき」と指摘した。

スロープレーの問題のひとつは遅い選手に問題意識が乏しく、逆に早いプレーヤーが苛立つケースが多いこと。

たとえば昔、プレーの早い宮里藍が同伴プレーヤーの外国人選手のプレーが遅く、競技委員が時間を計測しに現れると「自分が遅いわけではないのに焦ってミスをしてしまった」と反省したことがある。

ツアーで遅いといわれているのはホームズ、ブライソン・デシャンボー、ケビン・ナ、ジェイソン・デイら。だが「遅い」といわれているだけで、誰ひとりとしてスロープレーによるペナルティは受けていない。

「我々は子供じゃないんだから5回も6回も注意されなきゃわからないわけはない。一度(時間を)計測されて遅かったら、その時点でペナルティを科すべき」というのがマキロイの主張だ。

これらの声にツアーも重い腰を上げ、ノーザン・トラストではスロープレーに関するガイドラインを明確にした。3サムの場合4時間35分以内のプレーを目安として、パー3では11分から14分、パー4では13分から16分、パー5は16分から18分以内に回るよう提唱。

画像: 「一度(時間を)計測されて遅かったら、その時点でペナルティを科すべき」とマキロイはいう(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

「一度(時間を)計測されて遅かったら、その時点でペナルティを科すべき」とマキロイはいう(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

スロープレーが疑われる場合、その組(全員)にまず警告が与えられ、その後個々の選手のペースが実測される。1ショットに費やして良い時間は40秒(ケースによって50秒)。モニタリングを行って時間超過が明らかな場合、1度目は注意だけでノーペナルティだが2度目の超過では1打罰、3度目は2打罰、4度目で失格となる。

その他警告の回数によって罰金を課すなどの措置が取られ、選手には抗議する権利はあるが、抗議が受け付けられるのは現場のみ。

「まずはトップスタートの組が遅れないことが大事だね。我々は前の組のペースに合わせるしかないから」というのはタイガー・ウッズ。ゴルフ界の永遠のテーマはこれで解消する方向に向かうのだろうか?

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