2018-19シーズンのPGAツアーはフェデックスカップのプレーオフシリーズ最終戦ザ・ツアー選手権を残すばかり。07年からスタートした同シリーズは今年、大きな転換期を迎えた。変更点とトップ30のみに出場が許されるザ・ツアー選手権出場者の顔ぶれを考察しよう。

PGAツアー最終戦は、そこまでの成績に応じた「ハンディ制」

昨年まで4試合だったプレーオフシリーズは今年から3試合に減らされた。ポイントランクトップ125が出場したノーザン・トラストから2戦目のBMW選手権では一気に出場者が上位70名に絞られ最終戦(30人)に至るという流れだ。さらにザ・ツアー選手権でハンディキャップ制が導入される。ここがもっとも大きな変更点。

歴代年間王者の顔ぶれを見ると皆が納得する選手もいれば「なぜこの人が?」というメンツもいる。

後者でよくいわれるのはレギュラーシーズンでほとんど活躍していなかった2013-14シーズンの王者ビリー・ホーシェルやビル・ハース(2011)、ブラント・スネデカー(2012)ら。ホーシェルは年間王者のボーナスおよそ10億円のうち1割の1億円強をキャディにポンとプレゼントする気前の良さがあり、ある意味年間王者に相応しいのだが…。

それでもプレーオフシリーズだけで年間王者が決まってしまう事実。あるいは最終戦の優勝者が圧倒的有利だったこれまでのシステムの不公平感は否めなかった。

そこで今年BMW選手権までのランキング上位者から順にハンディを与えることで不公平感を改善する方針が打ち出された。

たとえばBMW選手権で今季初優勝を飾り同ランク1位に浮上したジャスティン・トーマスにはザ・ツアー選手権スタート時点で10アンダーのハンディが与えられる。

以下2位のパトリック・キャントレーは8アンダー、3位のブルックス・ケプカには7アンダーのアドバンテージが与えられ、BMW選手権で単独3位に入った松山英樹は3アンダーからのスタートとなる。26位以下の選手にハンディはない。

画像: BMW選手権で今季初勝利を飾ったジャスティン・トーマス(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

BMW選手権で今季初勝利を飾ったジャスティン・トーマス(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

仮に26位のブライソン・デシャンボーがザ・ツアー選手権で20アンダーをマークしても、トーマスが11アンダーを出してしまえばトーマスの方が上の順位ということになる。

BMW選手権直前のランキングで33位だった松山が15位に浮上し6年連続で最終戦にコマを進めたのはあっぱれだが、トップ30のなかに昨年大会史上最大の盛り上がりでチャンピオンに返り咲いたタイガー・ウッズの姿はない。

トーマスの永遠のライバルで2014-15シーズンの年間王者ジョーダン・スピースは2年連続で圏外に去った。歴代世界ナンバー1のジェイソン・デイや全英オープン覇者のシェーン・ローリー、そしてフィル・ミケルソンもトップ30入りを逃している。浮き沈みの激しい世界で安定した成績を残すことの難しさを改めて感じずにはいられない。

ちなみに年間王者のボーナスは今年から5割増額の1500万ドル。およそ16億円の大金を手にするのは誰だ?

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