元祖天才少女が復活をかけてスウィング改造に取り組み、調子を上げてきている。「CATレディース」で7位に入り後半戦の出場権が得られる圏内に滑り込んだ金田久美子を、プロゴルファー・中村修が取材した。

阿河徹コーチと地道なスウィング改造に取り組んだ

金田久美子といえば8歳で「世界ジュニア」を制してタイガー・ウッズの記録を塗り替え、その後2002年の「リゾートトラスト」で12歳9か月という最年少予選通過記録を打ち立てるなど天才少女と呼ばれました。

2011年に「フジサンケイレディス」で初優勝を飾るも2017年にはシード権を落とし、2018年からは年末の予選会を勝ち抜いて、ツアーを戦っています。

迎えた今季も前半戦は6試合連続予選落ちもあり苦しいシーズンを送っていましたが、クラブ契約をフリーにして心機一転、阿河徹コーチとスウィング改造に取り組んできた成果が、ここにきて出始めているようです。

画像: クラブ契約もフリーに。今はキャロウェイの「エピックフラッシュ サブゼロ」ドライバーを使用(写真は2019年のCATレディース 写真/姉崎正)

クラブ契約もフリーに。今はキャロウェイの「エピックフラッシュ サブゼロ」ドライバーを使用(写真は2019年のCATレディース 写真/姉崎正)

阿河コーチは、金田選手を指導し始めた経緯をこう語ってくれました。

「コーチをしている大江香織からの紹介で、今季からサポートすることになりました。もともとボールをターゲットに飛ばすセンスは天才的なものがありましたが、少しづつズレが生じてきていたようです。そこで、今どんな状態なのかを知るために、ボールをとらえる感覚やミスの状況など徹底的に話しあう時間をもらいました。その上で、ボールをとらえる感覚を変えていくことで、少しずつスウィングも変わり、結果に結びつくようになってきました」(阿河)

スウィングを見てみると以前はドライバーでもボールをスタンスの真ん中近くに置き、そのボールに合わせるように打つ姿が見られましたが、現在はタメの利いたスムーズな縦回転で打つスウィングに改善されています。

画像: 画像A:トップでフェースが空を向くシャットフェースで、フェースの開閉は少ないスウィングタイプの金田久美子(写真は2019年のセンチュリー21レディス 撮影/大澤進二)

画像A:トップでフェースが空を向くシャットフェースで、フェースの開閉は少ないスウィングタイプの金田久美子(写真は2019年のセンチュリー21レディス 撮影/大澤進二)

トップでフェースが空を向くシャットフェースで、フェースの開閉は少ないスウィングタイプです(画像A)。ダウンスウィングではクラブを立てるように引き下ろしインパクトに向けて腕を回旋する動きは入らないためフェースの開閉は使っていません(画像B)。

下半身主導の切り返しで作った回転力を右サイドを側屈(縮ませる動き)させることで上半身に伝え、肩を縦回転させることでクラブをターゲット方向へとリリースさせていきます。

画像: 画像B:ダウンスウィングではクラブを立てるように引き下ろし、インパクトに向けて腕を回旋する動きは入らないためフェースの開閉は使っていない(写真は2019年のセンチュリー21レディス 撮影/大澤進二)

画像B:ダウンスウィングではクラブを立てるように引き下ろし、インパクトに向けて腕を回旋する動きは入らないためフェースの開閉は使っていない(写真は2019年のセンチュリー21レディス 撮影/大澤進二)

「CATレディース」では初日はパーオン率50%でパープレー、2日目は33.3%と低い数値ながらも1アンダーで回り持ち前のショートゲームが冴えました。最終日はパーオン率が18ホール中16ホールという見事な結果。高いショット力にパットも噛み合い、7位フィニッシュと後半戦に向けてよい兆しを見せてくれました。

まだまだツアーからフェードアウトするには早いですし、華のある選手です。この勢いで後半戦は上位争いをしてツアーを盛り上げてくれることでしょう。

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