プレーオフ最終戦「ツアー選手権」はロリー・マキロイが制し年間王者に。日本のエース・松山英樹はランク9位でシーズンを終えた。松山の今シーズンは振り返ってみていかなるものだったのか? 在米ゴルフアナリストのアンディ和田が分析した。

賞金ランク、ポイントランクともに前年比↑↑

松山英樹の6年目のシーズンが前週の最終戦「ツアー選手権」で終了しました。今シーズンは期待された2017年以来のツアー6勝目の優勝には届かなかったですが、トップ10フィニッシュが7回。6年連続で上位30人のみがプレーできる最終戦まで進みましたし、7月まで継続した予選連続通過25試合など全体的に非常に安定したゴルフを展開したように感じました。

画像: 2019年シーズンは賞金ランク、FEDEXランクとも前年度比アップしている

2019年シーズンは賞金ランク、FEDEXランクとも前年度比アップしている

前年2018年は左手親指付け根の怪我の影響で春に5週間の離脱期間などの影響がありましたが、2019年シーズンは賞金ランク、FEDEXランクとも前年度比アップとなっています。

ただ、解説アナリストの厳しい目でいろいろ細かい点に着眼していくと、面白い点が見えてきましたのでいくつか紹介させて下さい。

予選通過は多かったが優勝を狙うには厳しい3日目のスタートポジション

参戦6年間でベストシーズンだった2017年と今年の順位や平均ストロークを比べてみました。予選通過率は両年とも9割以上と安定していましたが、今シーズンは3日目トップ10以内からのスタートが3試合(2017年は8試合)。追いかけるポジションがやや低かったために優勝争いに絡む試合が少なかったです。

画像: 今シーズンは3日目トップ10以内からのスタートが3試合(2017年は8試合)と追いかけるポジションがやや低かった

今シーズンは3日目トップ10以内からのスタートが3試合(2017年は8試合)と追いかけるポジションがやや低かった

また今シーズンは3日目の平均スコアがツアーで10位と向上しました。 メモリアルトーナメントでの「64」やプレーヤース選手権での「66」など「ムービングデイ」でのジャンプアップがありました。最終日の追い上げはプレーオフ2戦目のBMW選手権での「63」で3位フィニッシュというのが記憶に新しいですが、シーズンを通しての最終日平均ストロークはツアー60番目の「70.00」とサンデーヒデキチャージは例年に比べると少なかったようです。

パー3の平均スコアはツアー3位! 今年もアイアンの切れ味は抜群

次にショット部門のデータで気になった点を挙げてみます。

画像: ストロークゲインドATG(グリーンを狙うショット貢献度)、今年もツアー上位の5位の松山英樹(写真は2019年の全英オープン 撮影/姉崎正)

ストロークゲインドATG(グリーンを狙うショット貢献度)、今年もツアー上位の5位の松山英樹(写真は2019年の全英オープン 撮影/姉崎正)

ストロークゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(グリーンを狙うショットの貢献度)は今年もツアー上位の5位。過去5年間も6位、5位、3位、9位、3位とトップ10入りしています。 またパー3の平均スコア(2.97)がツアー3位というのもアイアンの距離感と方向性が優れているという証明ですね。

160位から18位! 左への致命的なミスが減った。後の課題は5メートルのパット

個人的に松山英樹の昨年のデータで一番気になっていたのはティショットでの左へのミスでスコアを落としたという部門でした。 昨年はツアー160位でしたが、今シーズンはなんと18位とこの部門で大きくジャンプアップとなっています。

左ラフに行ってしまったというデータも前年度126位から13位と減ってランクアップ。スウィング調整に加えてドライバーや3番ウッドのクラブ調整の試行錯誤が功を奏し左への致命的なミスが減り、ボギー以上のスコアになっていないのがわかります。

松山の細かいパッティングデータを調べてみると3メートル以内のパッティングにはまだまだ伸びしろがあるようです。1年間を通じて10フィート(約3メートル)のパットを沈めた率は87.08%でツアー131位。3メートルから4.5メートルのパッティングは29.15%でツアー114位でした。

PGAツアーの来シーズン(2019-20シーズン)はなんと2週間後の9月12日からスタートします。日本ファン待望の「zozoチャンピオンシップ」(10月24〜27日)もありPGAツアーの注目度は更にアップされることでしょう。 日本のエース松山英樹は7年目のPGAツアーでどのような活躍をみせてくれるのか楽しみですね。

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