選手間投票によって決まるPGAツアーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーにロリー・マキロイが選ばれた。10月のZOZO選手権への参戦を表明しているマキロイの、昨シーズンの成績を振り返ってみた。気がつけば30歳になっていたロリー・マキロイ。年齢的には中堅の域に達してきた彼の2018-2019シーズンの成績は、まさしくプレーヤー・オブ・ザ・イヤーにふさわしいものだ。

175-200ヤードから平均約6メートルに寄せている

ショットやパットのスコアに対する貢献度を示すストローク・ゲインドというPGAツアーの主要指標をみてみると、ティショットの貢献度を示す「オフ・ザ・ティ」、グリーンに乗るまでのすべてのショットの貢献度を示す「ティ・トゥ・グリーン」、さらにはアプローチやパットを含む総合力の指標である「トータル」の3部門で1位。穴がなく、かつ傑出したショット力で他を圧したということが見て取れる。

ドライビングディスタンスは313.5ヤードで2位。フェアウェイキープ率は104位と悪いながら、パーオン率は39位と悪くなく、なによりイーグル率は5位、バーディ率は2位、平均スコアは1位と、問答無用の飛距離でバーディを奪う攻撃力がマキロイの魅力。平均クラブヘッドスピードは54.3メートル/秒という速さだ。

また、やや細かい指標でいえば「175-200ヤード地点から平均してどれくらいに寄せたか」のランキングでも1位。そのレンジから平均約6メートルに寄せているという結果を見れば、バーディやイーグルが増えるのも納得だ。アベレージゴルファーなら仮に乗せられただけでバンザイという距離だが、マキロイはそこから“平均して”チャンスにつけているのだから凄まじい。

画像: ドライバーの飛ばしだけでなく、2、3打目の精度もピカイチなマキロイ(写真は2019年の全英オープン 撮影/姉崎正)

ドライバーの飛ばしだけでなく、2、3打目の精度もピカイチなマキロイ(写真は2019年の全英オープン 撮影/姉崎正)

パーオンホールでバーディよりいいスコアで上がった率も1位。838のグリーンヒットに対して309のバーディで、36.87%と高い数値を示しており、パットもよく入っていることがわかる。これは、パーオンはパーオンでも「ただ乗っただけ」ではなく、次のパットが打ちやすいライン、決めきれる距離につけられているということでもあるだろう。

勝利は3つで、そのうちのひとつは第五のメジャーと言われるザ・プレーヤーズ選手権。そして最終戦のツアー選手権も制し、年間王者にも輝いたのはまだ記憶に新しい。

キャリアグランドスラムがかかったマスターズで優勝争いに絡むことなく21位タイ、68年ぶりの自国(北アイルランド)開催で国の威信を一身に背負った全英オープンで2日目に意地を見せるも予選落ちを喫し、メジャータイトルには手がとどかなかったことから、必ずしも100点満点のシーズンとはいえないかもしれないが、素晴らしい結果を残したのは間違いがない。

世界ランクはブルックス・ケプカに次いで現在2位。脂の乗った世界のトップ中のトップのプレーがこの秋日本で見られるわけだから、日本のゴルフファンとしては嬉しい限り。

そして、来年こそはマスターズを制し、悲願のキャリアグランドスラム達成の瞬間を見せてもらいたいものだ。

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