今年発売されたニュードライバーの中でも異色を放つのが、ヘッド体積275ccのミニドライバー、テーラーメイド「オリジナルワン」だ。460ccが当たり前の時代に生まれたミニドライバー、はたして打ち心地はどうなのか。プロゴルファー・中村修とノリーこと堀口宜篤のギア好きプロ二人が試打!

ヘッド体積275cc! どれくらい飛ぶの?

「大型ヘッドに苦しんでるプロが結構いて、それって3番ウッドと大きさもまったく違うし、アイアンとはかけ離れている形なので、そういう部分で苦しんでる選手が沢山いるんです」

今シーズン開幕前、石川遼はみんなのゴルフダイジェストのインタビューでそう教えてくれた。ご存知の通り石川は大型ヘッドのキャロウェイ「エピックフラッシュ サブゼロ トリプルダイヤモンド(450cc)」で復活したが、アマチュアの中にも「大型ヘッドはどうも苦手で……」という層は一定数存在する。

画像: テーラーメイド「オリジナルワン」をギア好きプロ2人が試打!

テーラーメイド「オリジナルワン」をギア好きプロ2人が試打!

そんな人たち向け(と思われる)にリリースされたのが、テーラーメイドのオリジナルワン。ヘッド体積は275ccで、ロフトは11.5度と13.5度。長さは43.75インチだ。ドライバーと比べれば明らかに小さく、ロフトは寝ていて、長さは短い。しかし、3番ウッドよりは明らかに大きい。

画像: 同じテーラーメイドのドライバーで460ccの「M3 460」(左)と比較すると、その小ささがよく分かる

同じテーラーメイドのドライバーで460ccの「M3 460」(左)と比較すると、その小ささがよく分かる

一昔前を思い出すような小ぶり感だが、搭載されているテクノロジーは最新仕様。ロフト調整機能も備わっているし、フェースには同社Mシリーズでおなじみの「ツイストフェース」が採用されている。

画像: テーラーメイド「オリジナルワン」(11.5度)。ヘッド体積275ccと非常に小ぶりだが、ロフト調整機能搭載、フェースはチタンで「ツイストフェース」採用と最新テクノロジーが採り入れられている

テーラーメイド「オリジナルワン」(11.5度)。ヘッド体積275ccと非常に小ぶりだが、ロフト調整機能搭載、フェースはチタンで「ツイストフェース」採用と最新テクノロジーが採り入れられている

ロフト角は11.5度と13.5度の2種があるが、今回は11.5度のほうで試打した。ちなみに、13.5度のオリジナルワンで実際にコースを回ってみたことがある中村の弁によれば、「結構良い中弾道で、風に強い球でした」とのこと。

シャフトは「クロカゲ TM5 2019」のSフレックスを使用。ノリーはヘッドスピード45m/s付近のパワーヒッターをイメージして試打を行うことに。さっそくオリジナルワンを構える。

「下(地面)からでもいいんじゃないかっていうくらい小さいです。懐かしい~! パーシモンを思い出す感じですねコレ。黒で締まった感じのヘッドで、クラブ自体は短いんですけど小さいヘッドがそれを感じさせませんね」(ノリー)

「はたして当たるのか(笑)」と普段のドライバーとの違いに戸惑いながらも一打。打球はつかまりすぎて大きく左側へ流れていく。

フライトスコープの計測結果を見ると、キャリー233ヤード、トータル266ヤード。打ち出し角8.2度。ヘッドスピード44.6m/sに対しボール初速66.5m/s。スピン量3140rpmだった。

「シャープな音! やっぱり短いぶんつかまりますね」(ノリー)

1球目の感触を踏まえて再度打つ。すると、打ち出し角12.2度、スピン量2925回転で飛距離268ヤードといういい球が出た。その後、打つほどにどんどん好結果が出る。

「スピンはかかってるけど球は強いし、そんなに吹き上がってる感じもしませんね。(クラブの長さ)関係ないんじゃないかな。飛ぶなぁ~!」(ノリー)

トータルで4球打ち、一番飛んだのはガッツリ振った4打目。ヘッドスピード45.9m/sでトータル285ヤード。弾道もド真っすぐだ。

画像: ノリーの試打結果(上から順に2、3、4球目)。振りを強くするごとに飛距離が伸びスピン量は少なくなった

ノリーの試打結果(上から順に2、3、4球目)。振りを強くするごとに飛距離が伸びスピン量は少なくなった

「スプーンでフルスウィングしてるみたい。曲がる気もしてこないですね、こんなに振れてくると。ただコレはある程度ヘッドスピードがあったほうがよさそう。ロフト11.5度でこの高さ(打ち出し角10度前後)ですからね。スピンが少ない人だったら13.5度がいいかもしれません」(ノリー)

続いて中村は、ヘッドスピード40m/sくらいのアベレージゴルファーを想定して試打。1球目の結果はキャリー223ヤード、トータル251ヤード。打ち出し角15.4度。ヘッドスピード40.4m/sに対しボール初速は60.1m/s。スピン量2035rpmとなった。

「(40m/sでも)飛ぶじゃん!」とこの結果に驚く中村。1打目は低スピン高弾道で理想的だったが、続いての2打目はトータル235ヤード、スピン量も3514rpmと飛距離が落ち、スピン量も増えてしまった。

「やはりヘッドが小さいぶん、当たりどころによってスピン量がだいぶ変わってしまうみたいですね」(中村)

画像: 中村の試打結果(上から順に2、3球目)。1球目の250ヤード超えに対し、2、3球目は当たりどころが変わったことでスピン量が増え、飛距離面でも伸び悩んだ )

中村の試打結果(上から順に2、3球目)。1球目の250ヤード超えに対し、2、3球目は当たりどころが変わったことでスピン量が増え、飛距離面でも伸び悩んだ

ヘッドが小さい分、どうしても最新の460ccドライバーに比べればミスヒットに対してシビア。だが、ミニながらスパイシーな飛びを見せてもくれたオリジナルワン。どんなゴルファーにオススメなのだろうか。試打を終えた2人に聞いてみた。

「ヘッドスピード45~47m/sのある程度振れる人から、40m/sの平均的な人でもスペックを選べば打てます。でもやはり、ヘッド軌道やフェースの向きが安定している人ほど、このクラブの恩恵を受けられると思います。あとミート率、ある程度芯に当てられる技術がないと厳しいかな」(中村)

「シャープに振っていけるぶん(曲がり幅が少ないので)、タイトなコースなんかではセカンドドライバーとして役に立つのかなと。コントロールできるヘッドですしね」(ノリー)

注意点として「できるだけティは低め、地面すれすれを打つつもりで振りましょう」と中村。

それにしても「こういうのを製品化しちゃうところがスゴいよね」と口をそろえる2人。大型ヘッドはどうしても苦手というゴルファーは、一度試す価値は大いにあるだろう。

協力/PGST

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