ブレイクスルーテクノロジー創業者でもあるバーニー・アダムスが開発したハイブリット構造のシャフト「スタビリティーシャフト」。カーボンシャフトの先端がスチールになっている構造でギアマニアの間で流行しているという。ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロがその使用感について語る。

「MCパター」に「ディアマナパター」パターシャフトが人気

「スタビリティーシャフト」というパター専用シャフトがギアマニアの間で流行しているらしい。「タイトライズ」で一世風靡したアダムスゴルフの創始者でもあるバーニー・アダムスによって創業された新興メーカー、ブレイクスルーテクノロジー社が開発したもので、カーボンシャフトの先端がスチールになった、ハイブリッド構造のシャフトだ。

画像: ギアマニアの間で流行している「スタビリティーシャフト」

ギアマニアの間で流行している「スタビリティーシャフト」

パター用のカーボンシャフトは、これまでにも何度か話題になった事がある。最近では、フジクラの「MCパター」や三菱ケミカルの「ディアマナパター」が人気になっていたが、基本的にはカーボンらしいしなり感を活かして、厚いインパクトを促すようなモデルが多かった。「MCパター」の「ソフト」タイプは、持っただけでしなりを感じられるほど軟らかだった。

「スタビリティーシャフト」のカーボン部分はそれらとは異なり、高弾性炭素繊維を8層に巻き、トルク1度という超硬シャフトに仕上がっている。現代のパターは、ヘッド重量が増え、大型化しているため、ストローク中のトルクが大きい。それによって生まれるブレをこのシャフトで解消するというコンセプトだ。

スチール部分は、チップ径に合わせて3種類のストレートシャフトが用意されているほか、ダブルベンドタイプもある。このベンド(曲がり)部分はパターによっても異なるので、すでに装着されているシャフトを切って、カーボン部分だけ装着することも可能だ。

画像: すでに装着されているベンドネックを活かすことも可能

すでに装着されているベンドネックを活かすことも可能

以前から話題になっていたが、私自身は正直あまり関心が持てなかった。というのも多くのゴルファーは、一般的なパターに装着されている例のスチールシャフトに慣れすぎてしまっていて、あのしなり感やトルク感、重さや打感などを感じながらタイミングを取りつつ、必要な距離感を出しているからだ。特性が大きく異なるシャフトになれば、当然そのタイミングも変わり、距離感や操作性が悪くなるのではと思われた。

しかし、先入観を捨てて試してみたところ、なかなかの好結果だった。硬いカーボンシャフト部分は追随性が高く、自分がしたい動きにクイックに反応してくれて、遊びがない。大型マレットでもピン型でも試してみたが、ヘッドの相性もなく、どちらでも扱いやすい。

取材に協力してもらった東京練馬の工房「スタジオCGA」のクラフトマン、山﨑康寛氏に話を聞いてみた。

「ヘッドの挙動が安定しやすいシャフトです。自分が思う結果と一致するというか、アレっという変なミスが出にくくなります。もうこれしか使えないといって、パターを何本もリシャフトするお客様もいらっしゃいますよ。どちらかというと、大きめヘッドでオートマチックに打つタイプの人と相性が良いでしょう」(山崎)

画像: 「スタビリティーシャフト」のカーボン部分は高弾性炭素繊維を8層に巻いた超硬い仕上がり

「スタビリティーシャフト」のカーボン部分は高弾性炭素繊維を8層に巻いた超硬い仕上がり

追随性が高いということは、逆に言えばゴルファーの操作に対して鋭敏であるということ。その意味では、このシャフトの恩恵を受けられるのは、ある程度ストロークが安定し、なおかつシャフトの違いを感じられる人になるだろう。その意味では、誰もがスコンスコンとカップインするような魔法の杖にはならないだろうが、試して見る価値はありそうだ。

価格はシャフト1本、2万2000円税別で、加えてリシャフト工賃もかかる。パターが1本買えてしまうほどの額だが、パターをとっかえひっかえしている人にとっては、一本買うのを我慢すれば捻出できる。「何を使っても一緒」と嘆いている向きには良いソリューションになるかもしれない。

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