27日、都内で「大学生とゴルフの楽しみ方を語ろう」(日本ゴルフジャーリスト協会主催)と題した、プロゴルファー2名を含むゴルフ業界関係者と大学生3名が語る催しが開催された。若者にゴルフをしてもらうための秘策は出た?

体育の科目としては人気だが……

現在、大学の教育現場では、各大学で選択履修科目における「ゴルフ」は人気科目になっているという。にも関わらず、コースでは大学生の姿を見かけないのはなぜか?

もっとも大きな要因となったのは、やはり「お金」の問題。授業で「ゴルフ」を選択した学生のほとんどが「楽しい」と、その魅力を認めているにもかかわらず、その後、自分の余暇の時間に取りいれるケースはほとんどないという。

画像: ゴルフの楽しさ・気持ち良さを学生にも味わってもらうためにはどうしたらいい?

ゴルフの楽しさ・気持ち良さを学生にも味わってもらうためにはどうしたらいい?

その主な理由が以下だ。

「練習場やコースに行くには車が必要」
「道具やウェアを揃えられない」
「プレー料金が高すぎる」

というわけで、ゴルフ業界ではおなじみの「ゴルフをやらない理由」がやはり出てきた。社会人でも決して低くはないゴルフの金銭的な‟ハードル“。ましてや、バイトでお小遣いを捻り出している学生には厳しい。

ゴルフ関係者が学生へ「質問」するコーナーでは、ディスカッションに参加した永井延宏プロが「1回プレーするのに、大学生はいくらぐらい出せそうか?」と質問。「5000円ぐらい」とアンサーしたある学生は、それでもゴルフ未経験の友人のハードルは高いという。

その学生が友人たちに、いくらならゴルフに行くか? と聞いたところ、ほとんどが「1000~2000円ぐらいなら」という回答だったとか。一般的な学生の金銭感覚を想像すれば社会人ゴルファーにとっては格安に感じる5000円でも「手が出ない」と断る学生が多数派になるのは、やむを得ないところだろう。

ゴルフ場体験プレー会などを大学ゴルフ授業研究会の活動として行ってきた、武蔵野美術大学の北徹朗准教授も、これまでより一歩踏み込んだゴルフ環境の変化を提言する。

「もちろん、これは簡単なことではありませんが、最低でも9ホールはプレーする必要がある今のほとんどのコースを、2~3ホールのみでもOKにするなど、学生でも『手軽に』『簡単に』プレーできる整備をお願いしたいところです」

実際、そういった実例もある。たとえば六甲国際パブリックコースでは、今年トワイライト営業として、16時半から18時スタートの組数限定で、4ホール2000円税込のプランを9月上旬まで用意していた。

また、東京でいえば都心から約30分圏内のショートコース・多摩川GCは、平日の14〜16時スタートならば2000円で9ホールプレーできる。

気楽にできる遊びとして考えた場合、ゴルフは18ホールプレーする必要はまったくないし、ショートコースでもゴルフの楽しみは十分味わえる。一般的な男子学生の体力があれば、ショートアイアンでプロ野球選手のホームランと同等の飛距離は出せる。なにより大切なのは「ゴルフを楽しいと思ってもらうこと」(北准教授)だ。

気軽にゴルフをプレーできる環境が整備されれば、「ゴルフやってもいいかも」と思う学生は増えてくるはずだ。そして、「学生でもプレーできる」ほどにハードルが下がれば、女性や若者、リタイア層も含めたエントリーゴルファーの数は自ずと増えてくるだろう。

もちろん、エントリーゴルファー増加によるプレーのペースの遅れや、マナーの問題など憂慮すべき点は多くあり、それらを含めて問題解決を目指していく必要があるのは当然のこと。

大学生は今はお金がなくとも、やがて社会人となり、次の時代のゴルフの担い手となる。だからこそ、「学生でもゴルフを楽しめる仕組みづくり」が今後さらに重要になってきそうだ。

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