昨年の賞金王・今平にまだ今季、勝利がない。だが、決して不調でないのも事実だ。大会連覇を狙う「ブリジストンオープン」。10日の予選初日は、7アンダーの単独首位と最高のスタートを切った。前週まで5試合連続でトップテン入りし、賞金獲得額も2位につける。昨年も“未勝利のまま賞金王になるかも”と囁かれていた今平だが、ブリヂストンオープンで勝利。今年もその再現なるか!?

国内では予選落ち一度もなし、出場全戦で20位以内も、まだ未勝利……

前週の「トップ杯東海クラシック」までの今季16試合で予選落ちは一度もなく、最終順位もすべて10位台、直近の5試合に限ればすべてトップ10フィニッシュ。単独2位も実に3回。数字だけを見れば、誰もが認める安定感だろう。だが以外にも、今季はまだ未勝利。昨年、念願の賞金王に輝き、今季は2年連続の期待がかかるなかで、優勝に届きそうで、届かない現実をどう受けとめているのか。本人を直撃した。

画像: 今季はまだ優勝のない昨年の賞金王・今平。とはいえ、安定した成績はキープし続けているのはさすがだ(写真は19年「RIZAP KBCオーガスタ」(撮影 姉﨑正)

今季はまだ優勝のない昨年の賞金王・今平。とはいえ、安定した成績はキープし続けているのはさすがだ(写真は19年「RIZAP KBCオーガスタ」(撮影 姉﨑正)

「最近も別に、悪くはないと思っているんですけどね。ただ、3日目、4日目。終わってみて振り返ってみると、集中力がうまく続いていない部分がある。そこを何とかしていきたいな、とは思っているんですけど……。まだそこを『どうすれば』というのは自分でもつかみ切れていないですね」

周囲の期待値の高さも理解しているだけに、今平は‟我慢”をキーワードにパフォーマンスを続けているという。

昨年は「ブリヂストンオープン」で1億円突破。今年はどうなる⁈

実は賞金の獲得ペースは、賞金王を獲得した昨年とほぼ同じ。昨年は今週開催の「ブリヂストンオープン」で初勝利を挙げ、優勝賞金3000万円を加算して獲得総額を1億円に乗せた今平。今年も「ブリヂストンオープン」開催前の時点で、獲得金額は7238万8201円(2位)。‟連覇達成”ならば、獲得賞金額は1億円に到達する。

約1000万円差で1位の石川遼を抜く可能性もあり、まさに今週開催「ブリヂストンオープン」は、今平の‟今季“を占う意味でも興味深い大会となりそうだ。

画像: 昨年の「ブリヂストンオープン」で18年シーズン初勝利を挙げた今平。優勝賞金3000万円をゲットし、婚約者の若松奈々恵さんと喜びあった(撮影 姉﨑正)

昨年の「ブリヂストンオープン」で18年シーズン初勝利を挙げた今平。優勝賞金3000万円をゲットし、婚約者の若松奈々恵さんと喜びあった(撮影 姉﨑正)

この‟現象”を本人に聞いてみると「へぇ~、それは知らなかった。賞金も去年と同じなんですね……」と驚きの表情。同時に、昨年のこの時期にはなかった手応えも語ってくれた。

メジャーから帰ってくると「コースが簡単に感じる」

ひとつは、4月の「マスターズ」を皮切りに、海外4大メジャーの試合を全て経験できたことだという。「マスターズ」「全米プロゴルフ選手権」「全米オープン」「全英オープン」と全ての大会で予選落ちの結果に終わったが、帰国後に感じる‟収穫“が必ずあったという。

「海外のセッティングは、あまりにも難しくてなかなか対応しきれずに終わってしまい、悔しい思いはするんですけど、帰ってきて日本のツアーでプレーすると、逆にコースが簡単に感じるんです。海外のコースで、すごくいい経験ができているんだなというのは、日本に帰ってきて、こっちでプレーしているときに感じます」

画像: 海外メジャーの結果は全戦「予選落ち」も世界で戦った経験値は国内ツアーでも確実に生かされている実感があると今平は語る(写真は2019年のマスターズ 撮影 姉﨑正)

海外メジャーの結果は全戦「予選落ち」も世界で戦った経験値は国内ツアーでも確実に生かされている実感があると今平は語る(写真は2019年のマスターズ 撮影 姉﨑正)

言うなれば、これまで自分は「最も難しい」と思っていたコースが、実はそうではなく、海外でさらに難度の高いコースを経験したことで、国内では精神的な余裕をこれまでよりもさらに感じることができるようになった、ということだろう。

2つ目は18年から本格的に着手した体幹を中心としたトレーニング面の効果。

「シーズン中は連戦になると、やるタイミングも難しいですが、続けています」と体重は65キロとほぼ横ばいながら「筋量は少しずつですが、増えていますね。体も徐々に大きくなっている手応えは自分でもあります」と腰回りは見た目にも年々、厚みを増している。

「年々、スウィングは安定してきているなと感じていますね。とくに始める前の2年前とは全然違いますね。体全体が細くてスウィング時にブレていた体が、最近はほとんどブレなくなった。いろんなコースに対応できる体作りを目的にトレーニングを始めて、それが整いつつあると感じています」

スウィング中の安定感に加え、平均ドライビングディスタンス(10月9日現在)も昨年までの288ヤードから294ヤードに。300ヤードも射程圏内に入るほど、国内では馬力でも勝負できる体になってきたという。

目標はあくまで昨年の2勝を超える年間3勝

「ブリヂストンオープン」を含め国内は残り8試合で、すでに出場を決めている「ZOZO CHANPIONSHIP」も含めると、ツアーは残り9試合。目標を下方修正することなく、あくまで目標は、勝利数や賞金額、どちらも昨年までの‟自分越え“だ。

「今年の目標は『3勝』だったので。残り試合も少なくなってきているので、できるだけ早く勝ちたいというのは、もちろんあります。残り9試合で、ここから3勝したら……相当すごい(笑)」

賞金王のここからの猛チャージに注目だ。

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