10月7日に発表されたゼクシオの11代目「ゼクシオ11」と「ゼクシオX」。ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが注目したのはクラブやボールでもなく“リブランディング”だという。一体どういうことか?

クラブは2ライン化。さらにはアプリもローンチ

初代「ゼクシオ」が発表されてはや20年。10月7日にその11代目モデルが発表された。単なる11代目ではなく、新たな時代のスタートとなるモデルということで、「ゼクシオ」のリブランディング宣言が行われたのが、印象的だった。

すぐに目につくのは、初代モデルから愛好されていたおなじみのロゴを刷新。「X」の右半分の金色は、「ゼクシオアロー」と名付けられ、新たなゴルフへの入り口を示すものだという。すでにスタンレーレディースから、契約女子選手たちのキャップやバイザー、そしてキャディバッグが新ロゴのデザインに変わっている。

画像: 今週の女子ツアー「スタンレーレディスゴルフトーナメント」からダンロップと契約プロたちのキャディバックのデザインが変わっている

今週の女子ツアー「スタンレーレディスゴルフトーナメント」からダンロップと契約プロたちのキャディバックのデザインが変わっている

巷では、ドライバーが2モデル展開になったことが注目されている。それまでのモデルを使っていたユーザー向けの「ゼクシオ11」と、より若い40〜50代のエンジョイゴルファーをターゲットにした「ゼクシオX(エックス)」という2タイプだ。

初代「ゼクシオ」が発売されたのは2000年。その当時、壮年期でエネルギッシュだったゴルファーが20年を経て、体力はもちろん、置かれている立場もそれなりに変化してきただろう。人生の短くない時期を共に過ごしたと思うとブランドへの愛着も湧いてこようというものだ。

過去の10代に渡る「ゼクシオ」は、そんな彼らの人生が変化するのに伴い、少しずつ進化を遂げてきた。それは、飛距離性能のアップであり、軽量化であり、さらなる振りやすさやつかまりやすさ、高音で心地よい金属音などだ。

世代別の人口ボリュームが非常に多いこの世代が、No.1ブランド「ゼクシオ」を長らく支えていた。新たに登場した「ゼクシオX」は、彼らよりももっと若い層をターゲットにするため、それに見合った機能が必要になったというわけだ。45.5インチで299gという重さは、現代の「ゼクシオ」はもちろん、初期のモデルと比べても重量感がある(※参考 2代目モデルは291g)。

画像: ゼクシオ11代目は「ゼクシオ11(イレブン)」(写真左)と「ゼクシオX(エックス)」(写真右)の2モデルをラインナップ

ゼクシオ11代目は「ゼクシオ11(イレブン)」(写真左)と「ゼクシオX(エックス)」(写真右)の2モデルをラインナップ

筆者が特に面白いと思ったのは、クラブやボール以外のサービスの充実だ。12月にはゴルフライフサポートアプリ「D GOLF(ディ ゴルフ)」がローンチするという。プレーのログ機能などを実装するようだが、詳細はまだ不明。「多様化するゴルフの楽しみ方を“体験価値”として提案・サポートする」というから、中身が想像できないなりに、果たしてどんなものになるのか楽しみではある。

さらに、音楽配信サービス「Spotify」とコラボして、ゴルフの行き帰りで聴きたいセットリストを公開するという。その名も「ゴルファーズミュージック Tuned by XXIO」というものだ。20年続いた老舗ブランドの「ゼクシオ」が、最新の音楽配信サービスと連携するというのが面白い。

さらに「ゼクシオ・オーナーズクラブ」のサービスを拡充し、東京ゴルフ倶楽部など、通常ではプレーできないような名門コースでのラウンドを楽しめる企画もあるという。東京ゴルフクラブといえば、言わずとしれた国内屈指の名門コース。ゴルフファンには、88年の日本オープン、尾崎将司のウィニングパットでの二度の仕切り直しが有名だ。

なぜ、こんな周辺サービスの充実を行うのか。

その答えが、新生「ゼクシオ」のコンセプトである「EXPERIENCE THE DIFFERENCE」にありそうだ。NEWモデルのヘッドにも刻まれているこの言葉は、ダンロップによると「経験できない体験を」という意味が込められていという。

クラブの性能はもちろんだが、これまでと違う体験や多様なゴルフの楽しみ方を提案し続けるブランドでありたいという思いから、これらの新たなサービスを展開するというのだ。これは、これまでのクラブメーカーにあまりなかった発想ではないだろうか。

「Spotifyのセトリなんて必要ない」というゴルファーもいるだろうが、試してみたいと感じる層も少なくないだろう。おそらく「ゼクシオX」の想定ユーザーであるエンジョイ層は後者なのではないだろうか。社用ゴルフが急激に減り、現在はゴルフがただ好きで、楽しんでいる人が多いと感じる。そんなゴルファーによりリーチするために、「ゼクシオ」のリブランディングは必然だったと言えそうだ。

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